sousakuyamamusume
2025-10-04 20:29:48
391文字
Public Dr. ドゥーム
 

ヴィクケリ

「陛下!」
 弾んだ声に振り返る。
 ……想像よりやや上に目線をやる。結晶の鎧の影響か、余よりもケリーのほうが『背が高い』らしい。
「どうした。」
「同じところで戦えたことも、見事に勝利できたことも、とても嬉しいです!」
 そのまま余に抱きついて頭を撫でるケリー。
 勝利の余韻によるものか、いつも以上に距離が近い。
 普段の彼女ならばここまでの接触は『畏れ多い』と控えるだろうが。
「良い。」
「なにがです?」
「こちらの話だ。」
 これが其方の『喜びの表現』だというのなら、多少の不敬には目を瞑ろう。
 それに……悪くないと感じているのも確かだ。
「陛下、また私のことつれてってください!」
……来るなら、余の傍を離れぬよう。」
「はい!離れません!」
 先ほどよりさらに距離が近づいた。
 器用なものだ、先ほどまで敵を打ち砕いていた結晶の腕は余にいかなる痛みも与えぬ。