あがさ
2025-10-04 19:41:45
1035文字
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とある少年との会話



最近どんな夢を見ますか?


世間話の延長でそんな質問がぽーんと宙に放られた。

そうですね...最近僕の夢には親しい知人や友人が出てきます。

じゃあ楽しい夢ですかね?

うーん、知人や友人と夢の中でも会えるのは純粋に嬉しいです。皆さんお忙しい方々なので現実ではそう頻繁に会えないですし。でも、およそ楽しい夢...とは言えないと思います。

と、言うと?

夢に出てくる友人たちは入れ替わり立ち替わり毎夜違うのですが、決まって皆さん泣いているんです。それで僕は、毎回その人たちの傍らに寄り添って、手を握ったり、背中をさすったり、抱きしめたりするんです。

お優しいですね。

そう...ですかね。

何か引っかかることでも?

......詳しくは言えませんが、皆さん、現実の世界でも、物凄く過酷でお辛いお仕事を頑張っている方たちなんです。大勢の人々の平和のために。とても立派で、友人として誇らしいと思います。一方僕は、それを外野から何もできず唯眺めることしかできない。だから...

だから?

だから、夢の中で彼らのことを慰めたりなんかして、何か彼らの役に立つとか、身勝手な自己満足を求める心がこんな夢を見させているのかな...など考えてしまうのです。浅はかな人間ですね、僕は。

......。

......すみません、こんな暗い話。

いや、何も謝ることはないですよ。...あー、えーっと....そうそう、此れは人づてに聞いた話なので、正しいかどうかは一寸測りかねますが。

はぁ。

夢の中で誰かが泣いていたとして、その泣いている人物は見た目がどうであれ、自分自身の事らしいです。だから、その泣いている人を慰める夢というのは、もしかしたら何か悲しいことがあった自己を慰めて労ってほしいという、無意識から自分への、助けを求める声なのかもしれないですね。

「最近、何か悲しいことを経験されましたか。」

そう聞くと、まだ十代半ばも来ていないであろう、だが年の割にとても落ち着いた雰囲気を纏うその少年は、緩やかに瞠目した。

「悲しいことがあると、時として、その感情に蓋をして見ないようにしたいですよね。私にも覚えがあります。しかし、その悲しいと思う感情をしっかり自覚し、自身を慰め労ることも必要ですよ。自分を大切にしてくださいね。」


長話失礼しました。ではここいらで御暇しますね。



初出:2021/2/7



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