第9回「未来につながる伝統」
能公演『道成寺』
宝生能楽堂
2025年9月28日(日)14:00開演
■スペシャルトーク
佐野 登[能楽師シテ方・宝生流]
保志康徳氏[アルテマイスター株式会社保志 代表取締役社長]
司会:本田勝之助[内閣府クールジャパンプロデューサー]
■能「道成寺」の世界(演目解説)
解 説:佐野 登
案内人:小山龍介
[名古屋商科大学教授、京都芸術大学特任准教授]
舞囃子「海人」
宝生和英
笛 :一噌幸弘
小鼓:観世新九郎
大鼓:柿原光博
太鼓:桜井 均
狂言「無布施経」
僧:野村万作
施主:高野和憲
後見:岡 聡史
能「道成寺」
白拍子/蛇体:佐野 登
道成寺の僧:舘田善博
従僧:野口能弘、小林克郎
能力:野村萬斎、野村裕基
笛:一噌幸弘
小鼓:飯田清一
大鼓:柿原光博
太鼓:桜井 均
鐘後見:宝生和英、小倉健太郎、水上優、
金森良充、鶴田航己
狂言鐘後見:野村太一郎、中村修一、内藤連、飯田豪
アンコール🪈
一噌幸弘
*・*・*
宝生能楽堂の空調設備が故障したと聞いておりましたが、スポットクーラーや扇風機をフル稼働させ、扉も開放して空気の流れを作っていたことにより、想像していたよりは耐えられる程度の暑さでホッとしました。
とはいえ、休憩挟んで舞囃子が始まる頃には、人の熱気で体感温度が上昇してきたので、能楽堂から頂いた冷却シートを活用させて頂きました(メンソール強強なので苦手な人は要注意😂)
他にもお水やうちわも配っており、お気遣いに感謝致します🙇
*・*・*
スペシャルトークは、佐野先生と仏壇メーカーの社長さんのお話。両者の共通点は伝統の継承と「美しさ」でした。
保志康徳氏は、子供の頃から周りに“死者が出る度に儲かる仕事だから良いよな”と言われて育ったこともあり、この仕事は絶対に継がないと思っていたそうですが、祖父から美しい仏壇を作ることによって、それが人生で一番の悲しみを抱えた人の拠り所になると教えられ考えを改めたそう。
業種は違えど同じ想いを持っているということを伝えたいということで開かれたトークでした。
*・*・*
演目解説では、師でもある伯父の故・佐野萌師より、道成寺は特別視される演目だけど、だからといって普段以上に気合入れてやるのではなく、他の普通の能と同じように演じるべきだと教えられ、今回はその気持ちで挑むと仰っていたのが印象的でした。
もちろん道成寺はハードな演目なので、注意力は普段以上に必要なのでしょうけど、だからといって演目毎に気持ちの優劣をつけるべきではないというのは、確かにその通りだわ、と🤔
*・*・*
舞囃子「海人」
宗家の舞囃子、すんばらしかった!🥹✨
絶対にブレない体幹、だけど凄く滑らかに舞われてて見惚れてしまいました✨
狂言「無布施経」
過去に万作さん、萬斎さん、両者のシテで観たことあるけど、久しぶりに拝見しました。
前回観た「無布施経」の感想⬇️
https://privatter.me/page/65b51bae151b9
今回は佐野萌師の追善でもあるので、万作さんが自ら選曲。狂言にしては少し長めの演目ですが、いつもより暑いであろう舞台上にも関わらず、万作さんは難なくこなしておりました。
てか、万作さんクラスになると、本物のお坊さん感がするなァと😳💦お寺に行ったら居そうですもん😂
最後のオチにも使われる朱い袈裟が、とても似合っておりました。
アドの高野さんも、キョトン顔で対応しつつも「このお坊さん、何度も戻って来るの、なんでだろう?🤨」感が滲み出ておりました😂
能「道成寺」
道成寺は先日も観たばかりだけど、宝生流で観るのは久しぶり。
今回は客電を落としての上演。
よって雰囲気も増々な状態。
観る方も集中力が高まります
…!
面は今回の為に新調したようで、前シテの白拍子が出てきたときは、その美しい表情の中に、ストーカー化してしまう女の性格(性質)が滲み出ているような気もしました😳💦
だからか、女人禁制にも関わらずアイの萬斎さん演じる能力が白拍子を中に入れてしまうのですが、それも能力が白拍子の魔力にあてられているのではないか、と感じてしまうほど。
全ては白拍子の思いのままに
…。
解説でも言っていたけど、白拍子もこの気持ちにケリをつけようとしてやってくる。成仏したいわけですよ。でも鐘を見ているうちに憎々しい気持ちが甦ってきてしまう。そんな風に見えました。
会が始まった頃は、スポットクーラーの騒音や入口開放にて、宝生能楽堂の音響の良さが活かしきれて無いのが残念に感じていたけど、美しい乱拍子を集中して観ている内に、そんな細かいことは気にならなくなっていました。
それだけ舞台上の演者達による、演目に惹き込む力が凄かった!
白拍子が鳥帽子の紐を解いて弾き飛ばしたとき、舞台から落ちてしまうんじゃないかと思ったら、舞台ギリギリの所、目付柱の側で帽子が立った状態でピタッと止まったのも、偶然とはいえ、演出のひとつのようで凄かったです😳
鐘入りも鐘の下に来たと思ったら、そのままスルッと、ナチュラルに、キレイに、入ってしまった💦
鐘が落ちる瞬間に見えた、シテが飛び上がって身体を縮めた姿は、まるで母親の胎内に収まる胎児のような姿にも見えました。
経験者だからこそ出来る、まさに美しい大人の道成寺でございました✨
さて、ここから間狂言のターンになりますが、前回は大蔵流で拝見したので、見慣れた萬斎・裕基親子の双子のような能力にほっこりほっこり😊
ただ、舞台上はいつもより暑かった筈なのに、二人とも肌がツヤツヤしてる程度で済んでいたので驚きました。いや、萬斎さんは元々、顔に汗をかかない人なのでそうでもないのですが、裕基くんはいつも汗が大変なことになっていたので(代謝の良い若い役者さんあるある😅歌舞伎界もそう💦)、もしかして顔に汗をかかない術を習得した??と思っちゃいました(笑)
後シテは、脇正面真横から観ると般若の口が🦊のように耳の近くまで裂けていて、とても恐ろしい姿になっていました😱💦
まさに怨念の化身といった蛇体ですが、でも今回は女の部分も残っているように感じました。それだけ佐野先生のシテは美しかったのだと思います🥹✨
また、シテがシテ柱に絡みつく場面は、ワキの僧侶たち三人も並んで立ち向かうので、脇から観てるとまるで絵巻物のようで圧巻。とても好きな場面。今回は美声揃いなワキ方の中でも特にお気に入りな舘田さんだったのもポイント高しでした😁
そして、昨年に引き続き今年も終演後は笛方の一噌幸弘さんによるミニライブ🪈が!😁✨
てか、道成寺の上演前のアナウンスで予告されてたのですが、また佐野先生におねだりしたのか?😂(そして許可してくれる佐野先生、優し過ぎる🥹✨)
長々と一曲、見慣れない珍しい形の笛も使っていて、場を盛り上げてくれました。終わるととても満足げな表情でペコペコお辞儀&お手振り👋しながら去っていったので、客席からは思わず「可愛い🥹」の声が漏れていました(ホントに可愛かった🥹✨)
能楽って沼ると楽しいけど、一噌幸弘さんの存在を知ってしまうと、より楽しめる。そんな世界な気がします🤗笑
昨年の「未来につながる伝統」能公演⬇️ https://privatter.me/page/676c9834c2624
過去の観劇日記はコチラから⬇️
https://privatter.me/user/mijuppa
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