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usagipai
2025-09-30 20:41:31
753文字
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小説
ゼブスフィ
アニェラはお菓子を齧っていたスフィーに、ふと何気なく問いかけた。
「スフィー
……
君はゼブとウカが好き?」
純粋そのものの声に、スフィーは一瞬驚いたように耳をぴくりと動かした。
「えぇ
……
大好きです」
答える口調は柔らかく、けれど迷いはなかった。
「そう
……
でも、最初はゼブと険悪だったでしょ。どうして好きになれたの?」
アニェラが首を傾げて尋ねると、スフィーは小さく息を吐き、遠い目をした。
「そうですね
……
出会い方に難がありましたから。最初は、お互いに近づこうともしませんでした」
苦笑を零しながら続ける。
「それでも、触れていくうちに
……
気付けば好きになっていたんです」
アニェラはなおも疑問を隠さない。
「?
……
でも僕の記憶が正しければ、君はゼブから許されないことを沢山されていたよね」
その言葉にスフィーの耳が少し伏せられた。
「
……
そこを突かれますと、返す言葉がありませんね」
ほんのわずか寂しげに微笑みながら、しかし声の調子を切り替える。
「けれど、知っていくうちに見えてくるものがあるのです。そうだ、ゼブの好物を知っていますか?」
「甘いもの、だよね?」
「ええ。甘いものに目がないでしょう」
スフィーの顔に柔らかな笑みが戻る
「でもそれを知ったのは随分後のことでした。最初の私は
……
あの人をきちんと知ろうともしなかった。怖くて、憎んで、心を閉ざしていた」
静かな吐露に、アニェラは言葉を飲み込む。スフィーはゆっくりと視線を戻し、穏やかな眼差しで彼に告げた。
「それでも一歩ずつ触れていけば、人はこんなにも愛おしくなる。
……
アニェラ、もし貴方にも、そんな存在が現れたなら
――
どうか大切にしてあげてください」
アニェラは瞬きをし、少しだけ頬を染めながら、小さく頷いた。
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