ortensia
2025-09-30 15:23:00
1787文字
Public 傭リ
 

ロールプレイングよーり

全ルート

 おれの頭はずっと戦争状態だ。頭の中でどっかんどっかん煩くて、そうかと思えばみんな死んじまったみたいに静かだ。それは音だけじゃなくて、目で見ている筈のものも、本当に目の前に在るのかどうか、なんなのか、さっぱりわからない。
 つまり何が現実で何がおれの恐怖なのか、おれ自身が判断しなきゃならない。
 だからおまえもおれの恐怖でしかない、そうだろう。なあ、リッパー。

▷リッパー?何それ。
▷ さあ。どうでしょうね。

▶︎ リッパー?何それ。
 ああ。そう。はは。
 そうだな、悪かったよ。ジャック。

▷ジャック?誰?
▷それで許してほしいんですか?

▶︎ジャック?誰?
 誰、だって。
 おまえこそ誰だ。
 おれのリッパーじゃないなら消えろ。
 bad end

▶︎それで許してほしいんですか?
 はは。
 許さなくて良いさ。ずっと。
 おれはずっと許されてはいけない。

▷何を言っている?
▷なら、花でも買いに行きましょうよ。献花、ってやつです。

▶︎何を言っている?
 勿論、分からなくても良い。許さなくて良いように。
 分からずとも、おまえはずっとおれと一緒だ。
 bad end

▶︎なら、花でも買いに行きましょうよ。献花、ってやつです。
 なんだよそれ、おまえが花が欲しいだけだろう。
 けど。
 良いぜ。

▷あっちの狭い道に入ってみましょうよ、こういう路地にあるお店のほうが、良い商品があるかもしれませんよ。
▷あっちの大通りに行きましょう、ああいうところにあるお店こそ、良い商品があるのは当然です。

▶︎ あっちの狭い道に入ってみましょうよ、こういう路地にあるお店のほうが、良い商品があるかもしれませんよ。
 ああ、良いぜ。
 薄暗くて、俯いて歩く人間ばかりだな。
 とても献花用とは思えないような植物の匂いがするばかりだ。
 おまえが言っていた花ってのは、こういうことなのか。おれが薬漬けになって恐怖し苦しみ続けることが、献花になるってことか。
 おまえがそう言うなら、これも良いかもな。
 bad end

▶︎あっちの大通りに行きましょう、ああいうところにあるお店こそ、良い商品があるのは当然です。
 ああ、そうするか。
 誰も彼もが、前を向いて歩いている。
 なのにおれに気が付くと、途端に顰めた顔を逸らして、おれのことを避ける。
 それでも花屋に着いた。
 なに、なんだ?
 は、おれみたいなやつが店には迷惑だってさ。入ることすら拒まれて、大通りからも離れろだってさ。
 おまえが言っていた花っていうのは、こういうことか。
 確かに誰からも許されず、人から拒絶され続ける。そうして恐怖していることが、おれからの献花になる、って。
 良いだろう、おまえがそう言うならな。
 bad end

▶︎ さあ。どうでしょうね。
 はは。つれないな。
 けどそれで良い。おまえはそれで良いんだ。

▷そう。そうです。何せわたしは、おまえの幸せを願っていますからね。
▷何自分勝手に納得してるんですか。おまえが満腹になるには、まだ早いでしょう。

▶︎そう。そうです。何せわたしは、おまえの幸せを願っていますからね。
 は?
 何言ってるんだ。
 お前。
 誰だ。
 おれのリッパーはおれのためにそんなこと言わないんだよ。
 bad end

▶︎何自分勝手に納得してるんですか。おまえが満腹になるには、まだ早いでしょう。
 ん、そうか。
 おまえはおれのことを良く分かってるな。
 何か食うか。

▷真っ赤な林檎、お好きでしょう。
▷火が怖くないのなら、調理して人間らしいことをしてみては。

▶︎ 真っ赤な林檎、お好きでしょう。
 そうだな。
 ああ、これは。
 林檎を齧って禁忌に触れる、なんてこと。
 本当にあるんだな。
 ああ、意識が遠退くよ。
 bad end

▶︎ 火が怖くないのなら、調理して人間らしいことをしてみては。
 は、お気遣いどうも。
 料理の火なら、問題ない。
 そういえばこの食材、そろそろ丸齧りするには危ういな。火を通してしまおう。
 ああそうか。何事にも恐怖心と警戒心を抱くことは、決していけないことじゃあないんだな。
 おまえはそれを教えてくれたのか?
 なあ、おい?
 どこだ?
 true end


—————————————————————
いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。