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ゆうり
2025-09-30 00:11:00
1760文字
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貴方の君、私の君。
ヘクジェラ前提な上での2周目ヘクター×終帝くんで更に転生現パロという超上級者向け単発設定小話です。
前世からの自分の恋人であるヘクターは今世では双子だ。
それもまさかの前世から見ても1000年前に伝承法最初の皇帝と言われるジェラール帝の側近としてお仕えしていた当時の傭兵隊長ヘクターの記憶を持った人物を兄として、だ。
今世での彼らの親は良い意味でおおらか、悪い意味で大雑把だったので一卵性双生児として生まれた彼らに同じ名を着けてしまっていた。
もしかしたら双子達がそういった経歴を持った2人だということがわかっていたのかもしれないという可能性も無きにしも非ずだが、2人の両親にそういった発露が見られないので単純に成り行きだったのだろう。
顔はそっくり身長は同じ癖から運動能力まで大差のないヘクター2人を分けたのがその後誕生したジェラール帝の記憶を持った子供だった。
物心がついた途端に
「おおきいヘクターがわたしのヘクターだ。」
とヘクター兄の方に懐いて離れることは無かった。
一応ヘクター弟の名誉の為に言っておくと2人の体格は特に寸分変わらないのだが。
その時から10数年の時が経っても相変わらずジェラールから「ちいさいヘクター」と呼ばれている彼は今世でも変わらず隣に居てくれている。
「そりゃ前と変わらず貴方より上背足りてない事は癪に触りますけど現代では努力のしようもありますから。
ジェラール様がああやって兄貴と呼び分けしてくれる時のは実際合ってますし良く間違われて辟易してたオレ達には有難かったんです。」
そうなのだ、あまりに瓜二つすぎて彼らの両親も、親族も、学校の教師や友人達も彼らの見分けについての難易度は高かった。
百発百中というくらいに言い当てていたのはジェラールと自分くらいのものだと自負もある。
「貴方も絶対オレ達を間違える事は無かった。」
ね、笑う笑顔と、自分を見つめる瞳の温度がおおきいヘクターとは違うから。
君が私のヘクターだと自信を持って言えるんだ。
─────────────────────
「おおきいヘクター」と呼ばれる自分の兄は恐れ多くも賢帝ジェラール皇帝陛下の側近としてお仕えしていた人物の生まれ変わりだ。
前世の自分が生きた時代にも大学の図書室に行けば彼に関する書物に出会う事は難しくなかった程だ。
ジェラール帝と共にアバロン帝国の領土を拡げ、帝国の宿敵たる七英雄をも倒した戦士として語られる1人である。
自分とてその帝国の最後の皇帝として立った男の側に仕えた傭兵としての記憶を持って生まれた自認と自覚はあるが、過去憧れた人物への憧憬が覚めやらずか何となく気後れを感じてしまっているのだ。
その上両親の適当加減のせいなのか、前世からの引き継ぎなのか同姓同名の双子の兄弟なのでどうしても比べられてしまう。
「前に生きた期間も大して変わんねえみたいだし、今世じゃほぼ同時に出てきてんのに気にする事ないだろ?」
「憧れがあるんだよ賢帝の忠臣である傭兵隊長に~...そんな人が自分の兄貴ってのも未だにオレは正直飲み込めてない」
そう愚痴れば軽く笑って頭をぐしゃぐしゃと撫でられた。
そういうのはジェラール様だけにやっとかないとヤキモチ妬かれるんじゃないの?
「オレもお前も自分の皇帝陛下を大切に思うのは一緒だろ。あの時も今もそれは変わらない。」
「ヘクター!」
声をかけられた方を振り向けば日の光を受けて柔らかく輝く銀色が印象的な、今世でも自分の唯一の人。
「待たせたかな?遅れてごめんね。」
「オレが早目に着いただけですよ。」
隣に並ぶと少し上になる夕暮れ色の瞳も変わらない。
こうやって戦場以外の場所で隣に並んでのんびりと歩ける日が来るなんてあの頃は欠片も思わなかった僥倖に恵まれたのだ。
「見に行きたい物があるんでしょ?行きましょう。」
「...君は相変わらず敬語は直らないよね。」
「そこについては今でも年上ですし...。」
こればかりは身に染み付いてしまったものなので勘弁していただきたい。
「ま、いいか、君が変わってないって事だものね。でもヘクター。」
「はい。」
名を呼ばれて耳を寄せると相手も唇を寄せてくる。
「ここでは陛下では無く名前を呼んで。」
そう言ってふわりと笑う笑顔は美しくもあり可愛らしくもある。
この人も何も変わっていないのだ。
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