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三毛田
2025-09-29 22:21:37
1082文字
Public
1000字5
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30 030. 悪戯な台詞で困らせてみたい
30日目
そういう思いだけはある
どんな言葉を口にすれば、困らせることができるのだろう。
しばし考えてみたけれど、こと悪戯に関しては、彼らのほうが一枚も二枚も上手だ。
俺が何か思いつきで行動したとして、せいぜい驚かせるのが関の山。
「たーんこ!」
「わっ」
後ろから飛びつかれ、前につんのめる。
「穹
……
」
「えへへ。ごめん、ごめん」
声では謝っているものの、そこに真剣さはあまり感じられない。
「何考えてるんだ?」
「お前たちを驚かせるには、どうしたらいいかだな」
「へー。真面目な丹恒先生でも、そんなこと考えたりするんだ」
耳元で囁き、俺の背から下りていく。
声がまだ、残っている気がしてしまう。背中に温もりが、残っているような気がしてしまう。
「丹恒?」
熱が、耳を支配していく。
「大、丈夫だ」
「そっか。丹恒先生は、俺となのを驚かせたいてこと?」
「無理に驚けとは言わない」
「俺だって、驚くようなことがなければ驚かないって。でも」
「でも?」
「丹恒が、俺たちのことを思ってくれているだけで、嬉しい」
今度は前から抱きしめられて。
心臓が跳ねる。
そっと、恐る恐る背中に腕を回す。
「丹恒、好きだ」
「ああ、俺もお前が好きだ」
「ほ、本当!?」
俺の言葉にばっと顔を上げ。キラキラと輝く瞳を、こちらへ向ける。
「き、穹?」
「両思いって、ことでいいんだよな?」
「そう、かもしれないな」
「やった~!」
ギュッとさっきより強めに抱きしめられる。
「穹」
「ん? なんだ?」
こちらにかける声が、甘い。今ここで、〝実はそういう意味じゃない〟と告げたら、彼はどんな反応をするのだろうか。
「そんなに嬉しいのか?」
「もちろん! 好きで好きで仕方ない相手から、好きだと言われたら
……
」
「たら?」
「嬉しくて、どうにかなりそう」
瞳はキラキラ輝いているのに、どこか仄暗さを宿して。
先に思い付いたことを、口にしなくてよかった。
そんなことをして、彼が突拍子もないことをしたら俺にはどうすることもできない。
「という、実際どうにかなってる。丹恒を抱きしめるだけじゃ、足りない」
体を離したと思ったら、頬に手を添えてきて。
あ、これは口づけをされる。
それに気づき、身構えると。
案の定、軽く口づけをされて。
「丹恒。これから先、俺のことを見捨てたりしないで」
「それはない。むしろ、俺の方が見捨てられてしまいそうだ」
「俺だって、そんなことしない!」
叫ぶと同時に、彼はまた俺を抱きしめて。
「好きだ、丹恒」
愛しさを乗せ、思いを告げてきた。
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