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夜明 奈央
2025-09-29 06:27:12
1991文字
Public
久々綾
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久々綾(女体化)にょ滝とにょ綾がソロウェディングする
現パロ 名前だけにょ三木も登場
2025年9月26日初出
「ソロウェディングをしよう!」
「
……
って、なに? それ」
「知らないのか!? 最近流行ってるんだ」
リビングでごろごろしていたら、幼馴染の滝から電話が掛かってきた。
滝が熱心に説明するところによると、女だけでウェディングドレスを着て、フォトウェディングのようなことをするものらしい。説明を聞けば納得だ。目立ちたがりで派手好きな滝が如何にも好きそうな催しである。
「なんで三木誘わないの?」
「断られたんだ! 婚期を逃すとかなんとか言って! そんな迷信今時信じる奴があるか!?」
もう1人の幼馴染の名前を出すと、ぐだぐだと文句を並べ立て始めたので適当に聞き流す。彼氏とラブラブの三木が今更婚期を逃すとは思えないが、わざわざソロでドレスを着る必要がないのは確かであろう。何せ3ヶ月後には本物の結婚式を控えている。こういうのは普通、今後着る予定のない女がやるものだ。そういう意味では予定のない者同士、誘う相手は間違っていない。
ウェディングドレスといえば、全ての女の子の憧れである。いや、全ては盛ったかも。でもみんな1度くらいは着たいと思ったことがあるだろう。着たくないといえば嘘になる。
「それ、どこでやれるの?」
「おお! その気になったか!」
興味を示すととんとん拍子で話が進み、あれよあれよという間に予約まで済んでしまった。
当日はすぐにやってきた。各々ドレスを選び、撮影を行う。滝がいつも以上にテンション高くあれやこれやとポーズを試している横で、自分も密かにテンションが上がるのを感じていた。我ながらあまり女の子っぽくない自覚はあるが、可愛い衣装に胸踊らせる程度の感性は持ち合わせているつもりだ。
真っ白なサテン生地に細やかなレース。本物の結婚式ではないので体のコンディションまで考えていなかったが、せっかくならもう少し絞れば良かったなと薄ら後悔が過ぎる。最近ごはんが美味しくて少しばかり太ってしまった。でも本物の結婚式ではないから、どうしても気に入らなければもう1回やってもいいんだよなと思えばまあいいかとも思える。
楽しい時間はあっという間。滝は案の定大満足で、「今度はカラードレスでもやろう!」と早速インスタに今日の写真を投稿していた。
「ただいまー」
帰宅して声を掛けるが、いつもならすぐに返ってくる返事がない。豆腐作りに集中しているかはたまた寝ているのか、と思ってリビングに向かうと、探し人はぶすくれた顔で豆腐を貪っていた。
「えっ何かあった?」
「別に?」
明らかに何かあったとわかる刺々しい物言いに身構える。兵助さんが怒りを露わにすることなんて滅多にない。何かしたか? と自省する。心当たりといったら今日のあれしかない。
「もしかして滝のインスタ見た?」
「見ちゃダメなの?」
「そんなことないけど」
予想は大当たりだ。なんとなく恥ずかしくて黙っていたが、そんなにダメだったか。
「俺もドレス姿見たかったなぁとか思ってないから」
その言葉ですぐにピンときた。怒っているのではなくて拗ねているのだ。昔はこんな我儘を言うことなんてなかったのに、歳を重ねるにつれて子供みたいに拗ねてみせることが増えた。兵助さんには悪いが、こういうところを見るとどうしたって可愛いなぁと思ってしまう。
ご機嫌取りに、座っている兵助さんの後ろから抱きついて髪の毛に頬擦りをする。
「滝に誘われただけで、着たかったわけじゃないから」
「俺がせっかくだから着てってお願いした時には着てくれなかったのに?」
それを言われると反論できず、ぐっと言葉を飲み込んだ。
兵助さんとは1年程前に式を挙げた。スケジュールが立て込んでいて前撮りができず、当日は白無垢だったから結局ウェディングドレスは着なかった。それが今回滝に誘われていいなと思った理由でもある。兵助さんと離婚する予定はないから、これを逃すとウエディングドレスを着る機会なんてきっともう2度とないと思ったのだ。
「そんなに見たかったの?」
「当たり前でしょ。そりゃあ白無垢も綺麗だったけど、それとこれとは別じゃん」
「じゃあもう1回やる?」
「もう1回?」
「式は無理だけど、写真だけなら」
「いいの?」
「兵助さんが喜んでくれるなら」
「じゃあ着て」
「うん」
ようやく兵助さんがこちらを向いた。
「あれ、髪可愛くしてる」
「そりゃあプロにヘアメイクしてもらったので」
「これは崩すのもったいないな」
額にちゅっと口付けられる。たぶん最初は頭を撫でようとしていたのだろう。楽しかったけど疲れちゃったから本当はすぐにでもお風呂に入ってしまおうと思っていたのに、兵助さんが気に入ったらしいと知るともうちょっとこのままでいてあげようと思う。
我ながら現金だなと思うが、惚れた弱味なので仕方がないのだ。
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