せいたろ(sitr)
2025-09-27 00:47:53
7917文字
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ほねぬき

伊駒先生に許可いただき作成&献上しました🎶
蛸仙 成人向

参考:『蛸と海女』鉄棒ぬらぬら(葛飾北斎)作
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9B%B8%E3%81%A8%E6%B5%B7%E5%A5%B3
発表年代はかなりズレるのですが、好きなので登場させています。
作中の歴史観に一致しませんことご留意ください。



ことの発端は『流行りの春画』だった。
面白がって小平太が職員室からこっそり持ってきたそれが、どうにも私と造形が似ている。それも複数の絵師による作で、どの絵も二匹の蛸に絡まれているのだ。
一枚ならばわかる。
その全ての春画が、小蛸と大蛸の二匹仕立てで、ヒトに絡みついているのだ。
春画は十五枚ほどあり、ヒトの方は色々だが、蛸の様子は似たり寄ったりだった。
「蛸モノ、流行ってるのかな?」
あっけらかんと言う小平太だが、やはり不思議そうだ。ちゃんと春画で、内一枚は余白に小話が綴られている。半分以上をあられもない喘ぎ声が占める内容で、まあ、ちゃんと色っぽい。
「おい、見比べるな。」
「うーん。似てる気がする。文次郎にも見せてくる!」
二、三度ほど私と春画を見比べた後、文句を言う間もなく小平太は行ってしまった。
残された私と伊作で、ぺらぺらと他のものも改めて見返す。春画なんてどれも似たようなものだろうと思っていたが、なかなかに作家の個性があり、色付け、濃淡、線の強弱、具体性、見れば見るほどに世界観や文化を感じる出来映えだった。
「これすごい。この人、医学書を書いてくれないかなぁ。」
伊作が感心したそれは男女の交合を描いたものであったが、肉感が写実的な画だった。省略していない手指、耳や口や歯の描き込み、誇張しすぎない魔羅。女陰も大き過ぎずぼかし過ぎず、現実的に描かれている。
「絵師とは理解しがたい能力だな。見て覚えて、それを紙に落とし込む。現実には輪郭線など無いのに、腕の良い絵師は線の一本一本に説得力がある。」
「乱太郎も三郎も見たまま描いてるって言うけど……現実には線が無い場所の方が多いよね。」
見たまま。
不思議な話だ。確かに私は伊作の顔や髪色、肌、ちょっとした傷跡やほくろを知っているが、そっくり紙に描き起こすのは難しい。全くできないというほどではない。化粧は絵の延長にあるとは思う。だが、まっさらな白い紙に『これ』という決めの線を引く技術に関しては、明らかに『上手い者の上手さ』がある。
「これ、港町の外れにある洞窟に似てない?」
示されて、もう一度絵を見てみる。浜側と岩の数、弧の角度、地質。確かに見覚えがある。
「行ってみるか。」
えっ、という顔で伊作が私を見る。
「蛸が入れ食いなのかもしれん。絵師は観察にここに来て、蛸を獲ったのではないか?それなら背景に納得感もある。」
「なるほど……?煮ても焼いても美味しいし、もし穴場なんだったら……
伊作はすんなり納得した。私たちは春画の岩場配置を新たな紙に写し取り、次の休みに港町へ釣りに出ることとなった。

・ ・ ・

当日、やや雲があるものの空は青く天候には恵まれたようだった。委員会の話、最近受けた座学の話、忍務先での出来事など、話せていなかった直近の自分達を伝え合って徒歩移動が捗り、昼前に港町に到着できた。
「直近はここ、いつ来たっけ?」
「私は下級生の付き添いで来たな。」
店舗も並び、兵庫水軍もよく着港する港町。外れには色茶屋や陰間茶屋もある、まあまあ栄えた町。柔らかな砂浜の先には先には岩礁や潮溜り、岩場も多く、ぐっと聳え立つ洞窟はその先にあったはずだ。釣り人も日によって見かけるが、この港では沖釣りや網漁の方が主流で人流はほとんどない。
洞窟を目指して歩いてゆく。
だんだんと強まる笠越しの陽射しに熱を感じながら、そこにはすぐに辿り着いた。

「ここだな。」
「岩の配置、やっぱり同じだ……。」
あっさりと春画どおりの岩場を見つけて感動する。本物の方はもう元の場所に返してしまったが、記憶にある春画と違わぬ景色だった。
澄んだ海面。
岩場の隙間に泳ぐ魚が見える。
目を凝らすと、するすると動き回る蛸らしき影もすぐに見つかった。
「いたぞ。」
「えっ、もう?!」
わたわたと伊作が、用具委員から借りてきた釣り道具を広げる。しかし包みを開けてみると、銛も竿も、柄に大きく亀裂が入っているようだった。
「これは……
「すまない、落としたりはしてないんだけど……
焦る伊作の表情に、ぷっと笑ってしまった。
「大方、故障中の道具とそうでないものを混ぜて片付けてしまったんだろう。忍務でないのだし気にするな。」
「でも……
「銛は文次郎の袋槍と同じ構造のようだし、柄だけ別に調達しよう。岩場を足がかりにして、銛で獲るのが良いんじゃないかと見ているよ。」
ぱっと伊作が顔を上げる。
「僕、ちょうど良さそうな木材を見繕ってくるよ!」
「なら、私は足がかりになる岩場を確認しておく。手分けして効率的に進めようじゃないか。」
挽回できる流れに、伊作がほっと表情を緩める。
「じゃあ、急ぐね。仙蔵は、洞窟で休憩も挟んでて!」
ああ、と相槌で返す。銛と小刀を包み直して、伊作は柄の調達に駆けていった。残された道具は簡単にまとめて洞窟近くに寄せておき、私は浜辺の調査を開始した。
遮るものは無く、まっすぐな光が海水を照らして底が見えている。岩の多い潮溜まりをカニが歩き、小さな波の往来が海そのものの広大さを感じさせる。
陽が沈んだら、こちら側は洞窟の影になるだろう。深くて、高くて、黒い岩。そろそろと這い回る蛸の影は、暗い所を好んでいる気がする。
直射日光が眩しく、肌が焼ける感触も感じていた。笠は被っていたが、手や足の甲は日焼けが深いと赤くなって痛むのが常だ。私の足は自然と洞窟の中へ進んだ。
奥の暗さに目を慣らそうと目を瞑る。ゆっくり開く。
外はやはり陽射しが強かった。幾分涼やかで、岩肌のひんやりした湿度を感じる。不規則に慎ましく、じゃぷ、ざざ、と波立っている。銛で突くとして、じっと構えるならどの岩肌にしようか。笠を外しながら足場を選んでいた矢先だった。
するすると蛸が自ら這い出てきたのだ。
屈んで様子を見てみるが蛸は逃げず、揺蕩うように頭を揺らしながら浅い潮溜りを、時折岩場に身を乗り出しながら移動していく。
無遠慮に引っ掴んでは吸盤で痣だらけにされそうだし、墨を浴びせられるかもしれない。伊作が銛を整えて帰ってくるのを待とう。そう思って、観察を続けた。
ほたほた、と、屈んだ私の背に雫が落ちる感触があった。
洞窟の中、薄暗いところまで進んできていたから、岩から水分が伝って落ちたのだろうと気にしなかった。

どちゃっ
と、重たい、水っぽい、滑りのある何かが背中に落ちてきてつんのめる。衝撃を足元だけで堪えられず岩場に手をつく。濡らした米袋とか、大きなウツボとか、締めて冷やした鹿とか、そういう重量だ。しかしそんなものは洞窟の天井からは降ってこない。そのままずるずると、胸に、腰に、足に絡むそれは、私の脚と比べて変わらない太さの、大蛸の腕だった。
取り落とした笠が、潮溜りにふわりと落ちて浮かぶ。
咄嗟の声は出なかった。
怪異だ。
幽霊だ妖怪だというもののけの類は、私は見間違いだろうと思うたちだ。しかし目の前の現実は、妖怪、怪異、そう言って差し支えない巨大さだった。ぶよぶよと揺れる頭の丈だけで、大人ひとり分を超えるのではないだろうか。
私の上に落ちてきたと思ったのはほんの一部で、腕の一本が背中に引っかかった、という状況だった。
食われる。
締め殺される。
と、怖気が走る。懐に手を入れるよりも早く、大蛸の腕が私の手首に、足首に行き渡る。絡んで、みちみちと吸着する。右腕に、左腕に、右脚に、左脚に、それぞれ蛸の長い腕が絡みついて、身も捩れないほどしっかりと捕らわれてしまった。
目が合った。
地面と並行な、横長の瞳孔。金色の虹彩。岩肌に擬態していたようで、黒ずんだまだらの色合いが表皮一面に広がっていた。
濡れた質感、粘っこい感触、重たい肉、冷たい温度。
布にかかった水分が沁み込み広がるような滑らかさで、大蛸の腕が私の身体を這い進む。叫ぼうと気がつく前にまばらな吸盤の先端が私の唇を確かめ始めた。
うぞうぞと意思を持って、私の身体を確かめている。みっちりと太い筋肉質な腕は、抗ってみてもびくともしない。鼻穴を弄り始めたことに耐えかねて、私は口を緩めてしまった。
「あ、 ……あ ぐっ」
二腕で、上唇と、下唇が、それぞれこじ開けられる。扁平な瞳孔の奥で、私を観察している。楊枝ほどの細い先端にもちらばった吸盤で、私の歯を、歯茎を、舌を、頬の裏を確認している。どっしりとした固定感で、顎を力んでも閉じられる気が全くしない。
力の加減を、されているのだろうか。
もう下帯まで水分が行き渡っている。火薬の類は使えない。しかし、四肢拘束され動きを封じられている割には、骨を砕かれそうとか、関節を壊されそうという気配はしなかった。私を生かしたまま観察している。隅々まで調べて、私の肉が裂けないように扱っている。
飽きるのを待てば、生還できるか?
それより先に伊作が戻るだろうか。
吸盤が張り付いては離れる、ぷちゅぷちゅした移動音が岩肌の其処彼処で鳴る。蛸の目線に持ち上げられて、なす術もない。人形とこどもの関係性と同じだ、と、恐怖に心拍を上げながら思った。
なすがままの人形と、
無邪気な子供。
くるんと丸まった腕先で、私の衿元が引っ張られる。着衣が乱れてゆく。上衣が引き出され、懐に忍ばせていた宝禄火矢が二つ、ドッ、ゴツ、と、苔の上に落ちた。
少し緩んだ袴と腹の隙間に、大蛸の腕が潜ってゆく。無理やり褌の隙間に入られて、びくっと体が強張った。
「ぅ ぅ」
大蛸の腕の厚み、無遠慮な侵入で、ぎちっと褌が食い込む。その私の硬直に、拘束がどうしてか緩んだ。
私が痛むのを、この怪異はわかるのか?
どうにか意思疎通できないか、と、口に捩じ込まれた腕先を舐めてみた。大蛸の動きが止まる。できるだけ優しく、くすぐるようにそろそろと舐める。すると、口蓋と顎を固定していたニ腕が緩み、私は口の自由を得ることができた。
骨のない生き物で蛸が最も賢いと、どこかで聞いた。それでこの大きさだ。知能があり、何かをしようとしているのだ。
……何を……したい?」
顎を固定していた一腕が顔周りをくすぐるようになぞる。吸盤で確かめるのはやめたらしい。唇をなぞられて、大蛸の取る仕草を真似るつもりで、私はその先端を舐めた。塩っ辛くて生臭い、海の濃い味。するんと先端が舌先に巻きつく。口を窄めて軽く啜ってやる。
吸盤を舌でなぞる。吸盤の間を、吸盤の一粒一粒を。
うぞうぞと動き続けていた蛸が、ぴたりと止まった。
……人間に、触れてみようと思ったのか?」
つろっと舐め上げてやる。
はだけた私の胸を、鎖骨を、首筋を、吸盤がぷちぷちゅとなぞる。みっちりと強く締め付けられていた腕や脚への圧が緩む。袴紐が緩んで、袴は膝までずり下ろされる。
素肌が冷たい感触で隙なく撫で回されてゆく。
「私の、着衣の下を確かめたかったのか。」
抵抗に強張っていた身体から力を抜く。すると、大蛸の腕も自然と緩んだ。腕先では私の脚の間をくすぐるようになぞっている。
濡れてぎゅっとしていた褌も、蛸の表皮に満ちた粘液が絡むうちにつるんと骨盤の出っ張りから外れて、ずり下ろされてしまった。
大蛸の腕が、私の性器を確かめている。海と冷たさと怖気で柔らかいそこを、くにくに揉んでいる。
そこに、スルスルともう一匹、普通の大きさの蛸が這い上がってきた。
私を捕らう大蛸が巨大で、二匹目を子供と見てしまう。子蛸は私の腹に降り、胸を這い上がり、首筋をなぞって、顔に身を寄せてきた。髪束をなめらかに絡め取る。
不意に、
春画の光景が思い出された。
大蛸はヒトに絡みついて何をしていた?
ある一枚では、大蛸は女性のぼぼに深々と腕の一本を挿入していた。女性は白い脚の間、穴を二つ曝けてなすがまま弄ばれていた。
ある一枚では、子蛸に口を吸われ、大蛸はまたぐらにぴったりと貼り付いていた。夢中で喘ぐ女性の台詞が長々と添えられ、蛸は龍宮へ攫う気であるという物語だった。
じゅっ、ずっ、ちゅっ、ちゅちゅっ、ふうふう、おくの、いぼでこすって、こすってこすって、ああ、ああ、いい、どうして、ひちゃひちゃ、ぐちゃぐちゃ、じゅっちゅうちゅう、中がふくれて、
ゆのように
ゐんすいが
どくどく
いきつづけ…………
あの時、あの僅かな時間で読んでしまった。私に似た姿の女が、蛸に絡まれて淫蕩に耽るのを。横に伊作がいてそっけない顔をしておいたが、ぬめる感触を彷彿とさせる擬音を、じっと読んでしまっていた。
絵の中の女が望んでそうされたのかはわからないが、蛸は女を気に入って捕まえたようだった。

この蛸は?
条件が揃いすぎていやしないだろうか。
この大蛸と子蛸は、
私を調べてその後、どうする気なんだ?

子蛸が顔を弄り始める。意図して粘液を出しているようで、その腕で唇を弄り回してくる。
「や、 ……何を、塗ってる?こら……
執拗に口を弄り回す子蛸にも、明らかな意図を感じる。緩んだといえど、四肢拘束をされていることには変わりない。肘に絡んだ上衣、膝下に引っかかっているだけの袴と褌。早く飽きて欲しい、解放されたい、その思いで、こちらから舐めてみる。そうすると、子蛸も動きが緩む。
蛸同士が通じる手段に、柔らかい部位で触れ合うようなことがあるのかも、そう思って繰り返した。海の味。蛸のぬめり。そこに気を向けている間に、這い回る大蛸の腕先が私の性器を弄り始めた。
「!  っ、う、」
縮んでいた弛みを根元側へ、むっちりと絡んだ腕で扱かれる。力加減が絶妙で、恐怖がなかったら、人間がすることだったら勃起しただろう、そう思っていた。
だが、怖いはずなのに、怪異を前に逃げる手段を考えているはずなのに、私のそこはヒクヒクと反応して膨れ始めた。
「あ、 う」
   じゅっ、ずっ、ちゅっ、ちゅちゅっ
よぎる。
   ふうふう、おくの、いぼでこすって、こすってこすって
思わず読んだ、
   ああ、ああ、いい、どうして、ひちゃひちゃ
女の淫蕩が、いやらしい擬音が。
   ぐちゃぐちゃ、じゅっちゅうちゅう、中がふくれて、
大蛸に扱かれて、鈴口から露が垂れる。息が乱れる。その露を、楊枝ほどの腕先が突く。掻く。
「あっ だ、だめだ、そこを掻いては、中、いや」
つろっと侵入される。ゾワゾワと膀胱が痺れるような気持ちで注視した。いやだ。いぼ。吸盤。小さな、ぶつぶつ。不思議と痛みを感じないが、尿道を進める尺が思いのほか長い。怖い。そこはそんなに深く異物を挿入するものではない。
「いや、 だ あ  ぅう う う」
子蛸に口を開かされる。もっと舐めろと言いたげに口へ腕を出し入れされる。三腕で出鱈目に口腔を抽送される。苦しい。尿道も深々と侵入されて、きゅうきゅう会陰が引き上がる。大蛸の腕が、私の尻たぶを分けて肌をなぞる。
「う ゔ、 雌じゃ、 ない、ちが、 あ」
春画は、結局は交合の絵が多い。
春画家は遊女に頼んで閨を見せてもらうことがあると聞いたが、蛸に女を当てがったのか?
大蛸が私を女と見てぼぼを探しているのなら、そう思って身を捩る。
「あ ゔ ゔ  」
私のつぼんだそこを見つけて、先端に吸盤のない感触がつーっと侵入してくる。私の直腸を、うぞうぞぐるぐる確かめる。ふちを押し広げて、にゅうっと侵入ってくる。
「 い  あ 」
どこまでも侵入られてしまう。怖い。もう一本、こっちはぷつぷつと先端まで吸盤だらけの腕が入ってくる。往復する。ニュルニュルと侵入って、ぬぅーっと抜ける。尿道も、直腸も、往復される。大蛸の粘液がぬめって、直腸いっぱい、その奧、侵入って、抜けて、ぬるぬる、ぬめって、こすって、ふと いの 、細いの 二本 、三ぼ ん 、こくん、侵入って、 ぬけ て 、ずぽずぽ、ずうず う 
「ふか ぃの や だ、だめ だめ、あ」 
口が。
尿道が。
直腸が。
   ぐちゃぐちゃ、じゅっちゅうちゅう、中がふくれて、
びんっと大きく痙攣した。
それでも止まらない。
口は子蛸に掻き回されて
尿道は、きゅううと引き締まる会陰につられて敏感に『どこまで侵入っているか』が際立って、射精の感触が痛くて
直腸は変わらず往復され続けて
また絶頂が迫り上がる。
「が っあ、 ……でっ!!」
ガクンと膝が跳ねるように動く。達した。
「で た、もぅ だめ、だめ、だ ぇ いや だっ!!」
びくんとまた体が跳ねる。
大蛸も子蛸も、言葉が通じている訳ではない。
暖かい人間との交合と勝手が違いすぎるが、私の体は短時間に何度も達した。
……っぐ♡ まだくる、あ ゔ ゔ♡ゔゔゔ!!」 
怖いのに、声が甘くなる。
う、ゔっ♡ や、こすっ あ いい♡で、るっゔ」 
頭が熱い。腹に冷たい粘液がびゅるっと放出される感触で、またぞぐんと背中を強張らせた。大蛸の腕先が尿道からつーっと引き抜かれ、
「あ゙ あ゙♡ゔ うっ」
びゅっびゅっとわたしの魔羅から、精液か粗相かわからない汁が撒き散らされる。
私が撒いたそれに子蛸は惹かれるようで、掻き回していた私の唇をほっぽって、するするとその汁が垂れる私の腹や太腿を這い回った。
種付けが済んだ大蛸も私の直腸に何本も挿入した腕をそうっと抜き、ぐったりと脱力した私の体は潮溜りの浅い岩にそっと下ろされた。

岩場から、潮溜りへ、海へ、大蛸と子蛸がぷちゅぷちゅ吸盤を鳴らしながら移動してゆく。すぐに沈んで、揺れる海面と岩礁の他は、何も見えなくなった。
じくじくとした、人間との交合ではあり得ない感触がねっとりと体に残っている。
やっと解放されて、体がほっと脱力している。
粘液に塗れた上衣をかき合わせて、ふうっと息を吐いて、そのまま意識を手放してしまった。

・ ・ ・

「仙蔵!……仙蔵!!」
身体を揺らされて目を覚ました。
「う……
「! 気がついた、仙蔵、何があったの?」
……いさ、」
私の頬に触れる、温かい伊作の手に、ふー……っと安堵の息を吐く。
着衣は粘液と海水でぐっしょりと濡れたまま、あれが夢でなかったと再確認する。
「疲れた……、しばらく、動けん……
「これ、何の汚れ……?」
身体に生々しく残る性感に、脱力したまま起き上がる気力も湧かなかった。
「後で説明する。悪いが、今日はこの近くで寝て帰る。」
「そういう訳に行かないよ!悪い海賊に拾われたら売られちゃうよ。宿を取って、着物は洗おう。僕も一緒にいるから、明日帰ろう。」
言わせたも同然だが、伊作が介抱してくれることに心底安心した。ほっと安らいで、また落ちてしまいそうになる。頷いて、伊作に任せる。

なあ。」
視線をくれた伊作の瞳をじっと見て問う。
「妖怪とかもののけの類、お前はどう思う?」
言葉に詰まった様子だったが、伊作は渋い顔で頷き、私の顔に貼り付いた髪を退けながら言った。
「宿で落ち着いてから話そう。疲れてるみたいだし、汚れがひどいからこれ着て。」
伊作は私の上体を起こさせて、上衣を脱がせてくれた。そこに自分の、朱鷺色の着物を羽織らせてくれる。着丈が長めの仕立てで、膝下まであったから町も歩けそうだ。粘液塗れの着物は仕方なく脱いでまとめる。
想定外の外泊だが、朝のうちに帰れれば小松田さんに叱られる程度で済むだろう。
宿に行って、食事をして、
改めて話そう。

身体はまだ、疼いている。
とっておきの怖い話を、聞いてくれ。