Lupinus821
2025-09-27 22:00:00
2748文字
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ハリフラム既刊『未明の奇跡に手を振って』 執筆こぼれ話

https://booth.pm/ja/items/6883804
↑5月に出した既刊(通販中)の宣伝も兼ねた?裏話など


アニシャドFの完結から数ヶ月経ち、浸る余韻も少しずつ薄れてきたのと引き換えに突然降ってきたのが本作のアイデアです。
最初からストーリーが見えていたというよりは「ハリーとウルフラムの日常のやりとりを眺めたい」「憑き物の落ちた(?)ウルフラムには平和のために再起してほしい」「ハリーさん側も持っていたであろう巨大感情を紐解きたい」という複数の欲望をどうにか合体させた産物ですね。
結果として本篇登場話数が98話中2話のキャラクター視点で2万5千字以上を書き上げる形になってしまいました。書き上げた達成感が落ち着いてくると「私は何をやっているんだ……?」と恐怖が込み上げてきたのを覚えています。同人誌って大抵そういうもんだよ、と言われたらおしまいですが。
ここからは章ごとに執筆時の所感などを書いていこうと思います。核心部分のネタバレは避けつつ、本作を既に読んでいただいた方にも(もしいれば)本作が気になるけど中身が未知すぎて尻込みしてる方にもおすすめの内容……を目指して書いたつもりです。よろしくお願いします。



・プロローグ

サンプルに全文載せています(2ページ目)
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24453079
90話回想でのハリーさんの言い回しがどことなく洋画や洋書のヴィランのテンプレっぽいなあと思ったので、そこから彼の幼少期を肉付けしてみました。小説媒体なので読書家設定にしましたが、もし漫画媒体で出すなら「偶然拾ったDVD」とか「忍び込んだ古劇場」とかにしていたかもしれない。
そういう振る舞いが染み付いている人間にとって、少年ウルフラムの言葉は眩しすぎただろうなと思います。


・第一章

これもサンプルに全文掲載。
変装してフランクなカフェテラスにいても所作に端正さが出るほど品行方正なウルフラム、相変わらず手癖の悪いハリーさん、という構図が最後若干ひっくり返るのがやりたかった気がします。
後述しますが、ハリーさんは再会する前も大人になったウルフラムの姿を見ていた可能性があるんですよね。本篇8話のスバルくんみたいに、セブンシャドウズの特集番組とかで。
だから「お坊ちゃん」呼ばわりでも100%本気でウルフラムを子供扱いしてるわけじゃないと思うんですが、すぐ行動に反映できるかは別ということで、ね……


・第二章 

ハリーさんが火事に巻き込まれてからの出来事は一番解釈が割れるところだと思いますが、私個人としてはちゃんとしたケアを受けていてほしい……との願いがあり、ああなりました。
サンプル掲載箇所のじいやさん(仮称)とのやりとりも「ハリーさんにまともな大人が接しているところが見たい」という願望が先行していたように思います。97話の台詞的に実際二人の会話はあったのでしょうが。
ハリーさんが初めて「ウルフラム・ゼルガ選手」を視界に捉えた瞬間も、視聴者の数だけ解釈があるだろうと思いつつ書きました。雨降らせたのは完全に私の趣味です。


・第三章

筆者はシャドバどころかカードゲーム全般に関してズブの素人です。サンプル掲載箇所はハリーさんと同じ初心者目線を失わずに書けたので、それが逆に良かったのかもしれません。
スタジアム内の描写や設定はシャドウバースチャンピオンズバトル(以下シャドバト)をプレイしていて浮かんだ妄想の名残です。脱稿前にダークスタジアムの存在を知っていたらそこも活かせたな〜と少し惜しい気持ちがありますね。
最後ハリーさんがゴシップ記者に言った「友人だったらいけないのかよ(要約)」については、例え恋愛解釈のカップリングものを書いていたとしても本篇内で描写されている「友情」を蔑ろにしたくないな〜という私の思想も入ってます。「友達以上恋人未満」よりは「友達であり恋人でもある」のほうが言い回しとして好きなので……


・第四章

ハリーさんと同僚の会話を書きたい、という邪な動機からこの導入になりました。
サンプル範囲の緑髪の少年(ぼかし)については登場させるかどうかギリギリまで迷ったのですが、一人くらいは本篇レギュラーキャラを出したほうが遊び心もあっていいだろう、となりあの形に。ハリーさんと彼の共通項を洗い出していった結果、別の本篇キャラをク◯野郎呼ばわりさせる事態になってしまったことについては申し訳ありません。あくまで作中第三者目線の意見で、筆者の総意ではないです(サンプルのキャプションに注意書きあり)。ただ実際外野から見たらああ言うしかないとも思うのですが、どうでしょう……
社員寮の寮母さんの外見イメージはシャドバトの商店街にいた節約お婆さんです。シャドバト、モブのキャラ濃くていいですよね。


・第五章

全年齢の限界に挑みました。
嘘です。
前提として「ハリーさんが再会したばっかりの歳下にそんなすぐ手を出す倫理観の持ち主なわけがない」「だからと言って全部諦めて身を引くほどお綺麗でもないはず」という独断と偏見に基づいたせめぎ合いがあり……。両者をどうにか両立させようと足掻いた末、煽りまくっておきながら寸止めするタイプの割と最悪な歳上攻めが爆誕してしまった。ハリーさんがウルフラムを「ブッ飛んでるくせにまわりくどい」と評すシーンを入れたのですが、だいぶブーメランだなと書き上げてから気づきました。
本作はハリーさん視点のため、ウルフラムについてはここで巨大感情を爆発させるまでの"溜め"を書いてるときが一番気を遣いましたね。爆発させてからは逆にスルスル台詞が出てきて筆が進みました。本篇時点でああだから?


・第六章

どう頑張ってもネタバレのため、割愛。


・エピローグ

孤児院の子供達についてはもっとエピソードを掘り下げたかったのですが、時間と構成との兼ね合いで泣く泣く最低限に削りました。次に本出すことがあれば再挑戦したい。
「平等と公平」を上手く終盤のキメ台詞に組み込みたいとは執筆当初からぼんやり考えており、いざ書き始めたら難航するかと思いきや意外と自然に出てきました。自分でも気に入っています。



タイトルの「未明」は、原義の「夜明け前頃」から派生して「目醒める前のはっきりと覚えていないとき」くらいのニュアンスで付けました。
「帳尻合わせの奇跡」の先の波乱万丈であろうハリーさんとウルフラムの人生を、少しでも明るく祝福できたらなと思い書いた本です。
これまで読んでいただいた方への感謝、そしてこれから読んでいただける方への祈りを込めて締め括りたいと思います。
ありがとうございました。
よろしくお願いします。