三毛田
2025-09-26 21:49:06
1081文字
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27 027. 逢いたいと願う夜

27日目
君に逢いたい。それだけ

「ふう」
 凝り固まっていた首や肩をほぐすために伸びをすると、バキバキゴリゴリと音を立てる。
 ようやく資料が揃ったので、アーカイブの整理を一段落させてずっと論文の下書きをしていた。
 マグカップを手にしたところで、中身が空なことに気づく。
 キッチンへ行って、ピッチャーへ買っておいたカフェオレのボトルの中身を入れてから、氷を大量に投入。
 シロップを一つ、二つとマグカップへ入れてピッチャーとマグカップを手に部屋へ戻る。
 時計を見て、ようやく今が夜だと気づいた。
 論文作成中は昼夜逆転はもちろん、徹夜だって当たり前にする。だからか、時間の感覚が列車に乗る他の人たちよりおかしい。
 ちゃんと自覚はあるのだが、すぐパムに怒られてしまう。
「ん……
 一度マグカップを空にして、今度は全身をほぐすためにストレッチ。
「ふう」
 最後に深呼吸をして、またカフェオレを飲む。
……
 ふと、彼に逢いたくなった。
 元気に走り回る姿。ごみ箱を漁る姿。武器を構え、戦う姿。
 どれも鮮明に覚えている。
「穹」
 名前を口にしたら、ますますその思いは強くなっていき。
 彼の部屋に行って、顔を見たい。寝顔でもいい。そんな我儘。
 ピッチャーのカフェオレを飲み干し、氷を舐めながらキッチンへマグカップとピッチャーを持っていき洗う。
 残った氷を股舐めつつ、薄暗い光が照らすラウンジ。緩やかな音楽を流す蓄音機。
 椅子に座り、暫く星空を眺め。
 そうっとパーティー車両へ向かい、階段を音を立てず上る。
 ドアに触れると鍵をかけていないのか、扉が開き。簡単に侵入できてしまった。
「鍵はかけろ……
 パムならば、マスターキーを持っているから簡単に出入りできるのだから。
 やはりそうっと部屋を歩き、ベッドまで向かう。
 かけているものを盛大に乱し、大の字で眠る穹。
「むにゃ……もう食べられないよ……
 何を食べているんだろうか。
 涎が垂れているので、そっとティッシュで拭う。
「ふふふ」
 嬉しそうに笑い、寝返りを打って。
「たんこぉ、一緒に食べよう~」
「そうだな。一緒に食べよう」
 俺が声をかけると、薄く目を開いて。
「う、ん? たんこぉ?」
「ああ。まだ眠いんだろう? おやすみ、穹。俺ももう寝る」
「ん。おや、すみ……
 でも、一瞬。俺の言葉を聞いてまた目を閉じ。
 穏やかな寝息。規則正しく上下する胸。
 まろい額に唇を落とし、部屋を後にする。
 彼の声を聞き、顔を見られて。心地よく眠ることが出来た。
「丹恒、起きてる?」
「起きている」