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三毛田
2025-09-25 22:03:06
1075文字
Public
1000字5
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26 026. 行き交う雑踏の中に
26日目
君を見つける
「
……
」
ビルに映し出される広告を、雑踏の中一人見上げる。
彼は、映像の中でも眩しい。
人々の声がそれを物語っており、誇らしくなると同時に少し寂しくも思う。
彼との出会いは学生時代。
クラスメイトで、隣の席。
学生当時から、仕事をしていた。仕事があった翌日の彼は少々忙しそうで。気づいたら、彼の面倒を自然と見るようになり。
『丹恒、いつもありがとう! お前のおかげで、授業に送れずについていける』
人を魅了する笑顔を浮かべる彼に、いつの間にか惚れていた。
『よし。明日から一緒に住もうな!』
『は?』
誰にも悟られないようにしていたはずなのに、本人には完全にバレていて。
卒業式。制服の第二ボタンを狙う女子たちから逃れて二人きりになったところでそう言われた。
混乱しているうちに、ファミレスに連れ込まれ。
『俺、丹恒のこと好きだ。だから、これからも一緒に居て欲しい』
などと、まるでプロポーズのような言葉。
どんな言葉を返したのかは、忘れてしまったが。
そして、穹の宣言通り、翌日に俺の住んでいる場所へ引っ越し業者がやってきて。
全ての荷物を持っていてしまった。荷物が消えると、俺自身も引っ越し先へ連れていかれ。
『今日から、丹恒と二人きりだ。帰ってきたら、おかえりって抱きしめてくれよ?』
怪しい笑みを浮かべ、キスとハグをされた。
それから、数年。
穹は相変わらず俳優を続けており、俺はとある会社に所属してほぼ在宅。
時折こうして外に出て、雑踏の間から彼の出演している作品を見上げる。
「本当に、眩しい」
彼の隣にいていいのか、今でも悩む。そのたびに、
『俺が、丹恒のことが好きだから文句は言わせない。丹恒以外はいらない』
こういう時の穹は、仄暗さを醸し出していて。
育ての親兼、所属する事務所の社長兼、マネージャーであるカフカは俺たちのやり取りを微笑ましく見ている。時もあれば、ちょっと厳しめに穹を諫める時も。
「たんこ~!」
「わっ」
「お待たせ。ん? 何見てるんだ?」
背中に衝撃を感じ、何とか踏ん張っていたら耳元で声。
「ああ。あのCMか。個人的にはイマイチだったけど、丹恒はどう?」
「俺は好きだ」
「俺が好きだから?」
「ああ」
「じゃあ、もっともっと頑張らないと」
後ろから頬ずり。
「そろそろ下りないか?」
「久しぶりの丹恒だからやだ!」
まるで子供のように駄々をこねて。ちょっと強めに抱き着いて。
「そろそろ食事に向かおう」
「うん!」
提案すれば、笑顔で背中から下りた。
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