uraneta_365
2025-09-25 21:35:31
2368文字
Public 芸能ドラマパロ
 

急募【ドラマの撮影現場で共演者と仲良くする方法】

Xで呟いてる芸能ドラマパロの導入的なお話
今回はサスサク要素皆無
https://crepu.net/post/11971785
で作った説明のもとに書いてるけど全く反映されてない仕様です

ブラウン管の向こうで輝くような笑顔を浮かべて大人顔負けの発言をして周りの大人の驚愕した顔が妙に印象に残ったのが最初。その子が同い年の女の子だと知ったのは、隣で同じ番組を見ていた父の言葉からだった。
人見知りで人より内気な性格で自分の事を伝えることが苦手でいつも俯いている自分と違うその子に憧れるのは必然だったのだと思う。その子に憧れて同じ芸能の門を叩いたことは両親からしたら驚愕の事柄だったことも自覚している。

憧れの女の子、山中いのちゃん――
あなたに憧れて入った芸能界に身を置いて早数年、人見知りも内気な性格も多少改善されましたがあなたには程遠いです。

※※※

劇団senju――芸能の神と謳われた千手柱間が学生時代に旗揚げした劇団で数多くの団員が所属し、時には人気俳優を客演に迎える公演や現在流行りの2.5次元の舞台など様々な演目を積極的に取り入れあらゆる客層を呼び舞台という馴染みのない人にも知られてる劇団に私、春野サクラは所属している。
 憧れのいのちゃんのようになりたい気持ち7割と人見知りと内気な性格を治す荒療治的な意味を3割ほど込めた入団当初はひどいものだった。上手く喋れないは、喋ったとしても小声すぎて聞き返される日々。早くもめげそうになりながらも生来の負けん気の強さでしぶとく過ごすうちに芝居の楽しさを知り、演技や芝居の事でなら普通に人と関われることに気づき、おかげで所属団員になら喋れるようになってきた。客演で参加する人にはいまだぎこちないが……
 そんな日々を過ごしていたらある日、主宰の綱手師匠に呼ばれた。綱手師匠は柱間様のお孫様に当たる方で私の演劇の師匠である。柱間様は現役を退くにあたって主宰を師匠に譲った形だ。
 事務所の奥にある綱手専用の書斎の扉をノックして入室の許可をとる。中から師匠の「入ってこい」と言葉を貰いおずおずと扉を開け、中を窺うと年齢不詳な金髪美女こと綱手師匠が座り心地の様さそうな椅子に腰かけひじ掛けに頬杖をつきながら優雅に足を組みこれまた黒髪美女の秘書のシズネさん携えて女王然と不敵な笑みを浮かべ、そのシズネさんが苦笑いをしてこちらを見ていた

「さっさと入ってこい! お前に良い話があるぞ、サクラ」

あぁ、こういった時の師匠の話は私にとって鬼門だ――


……あの、師匠……もう一度言ってくれますか?」
「だから、お前に単発ドラマのオファーが来ている。しかも、メインキャストだ」

豊満な胸をドーンとそらし堂々と宣言する師匠の言葉の羅列に脳が拒否した。そんな私の様子など気にせずに師匠はさらに言葉を紡いでいく。

「きていると言ったがほぼ決定事項で出演が決まってる」
「えぇ⁉ む、無理です! 無理ですよ! だってドラマってことは映像作品ですよね⁉ 私、舞台演技しかやってきてないですよ‼」
「だからこの機会に映像演技に挑戦してみろってことだ。舞台一本で活躍する奴もいるがお前ぐらいの年代でそれを決めるには些か早いうえにどっちも経験して決めるっていうにもこの業界運よくチャンスが巡ってくる確率なんて無いに等しいことだ」
……

師匠の言っていることも分かる。この業界でどっちも経験できるのは客を呼べる売れっ子かチャンスが巡ってきた稀有な存在しかいない。私の場合、後者にあたるだけどとかなんとか思っていたらあることを思い出した。

「映像作品ならコノプロから出さないんですか?」

コノプロ――木ノ葉プロダクション。劇団senjuから枝分かれした兄弟会社である。主に舞台を劇団senjuが、映像を木ノ葉プロダクションが、とざっくりとした組み分けがされている。互いに所属俳優が客演のために行き来するが基本は互いの所属組織の特色に沿った振り分けをされる。だから、舞台メインの私より映像慣れしている子役がコノプロにたくさんいるはずなのに、なぜ私?
その疑問に答えたのはシズネさんだった。

「コノプロで先月大々的な新人発掘オーディションがあったの知ってるかしら、サクラ?」
「えっと確か……稽古場にポスターがあったあれですか?」
「そうそうそれよ。そのオーディションの優勝した子が今回のドラマの主演なのよ。コノプロではその子を前面に押し出したいからメインキャストでの起用は控えてるのよ」
「しかも、そのガキは演技未経験だそうだ」
「え⁉」
「だから脇に固める子役は演技力があって対応力があるのが望ましってことでこっちにお鉢が回ってきたってわけだ」

からりと笑ってとんでもない情報をぶっこんできた師匠はそのまま豪快に笑っている。そのようにシズネさんはまた苦笑いを零した。私は与えられた情報に心臓がぎゅっとなり気絶した。


金髪の底に抜けに明るい元気をもらえる笑顔が印象的な男の子と黒髪のこの世のものとは思えぬ美貌を持った目つきが怖いけど優しい男の子と出会う数カ月前の出来事。


※※※

「にしても、企画を考えた奴は策士だな。話題性を優勝したガキで呼び、視聴率をうちはのところのガキで呼んで現場でのフォローをうちのサクラにさせるとはな」
「でも、サクラは大丈夫でしょうか? あの子の演技力と対応力はうちにいる子役たちの中でも群を抜いていますがあくまでも舞台で、ですし、基本内気の人見知りですから現場でやっていけるでしょうか」
「ん――まぁどうにかなるだろ。あの子本来は負けん気が強いうえに演技というのに貪欲だからな」
「なんだか楽しそうですね。綱手様」
「あのスカしたうちはのガキが自分を知らない同年代にあってどうリアクションするのかと思ってな」
「あぁ……まさかサクラがあのサスケくんを知らないとは思いませんでしたね」
「サクラは、山中いのにしか興味ないからな」