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癒羽琉(ユウル)/由羽(ユウ)
2025-08-05 21:19:23
3673文字
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hot me,touch me
DMC5 ネロキリ
前作、cool me, touch meの対となる、温感ボディジェルのお話です。
雪が静かに降り積もる夜。
フォルトゥナの街は、凍えるような寒さに包まれていた。
(今夜はやけに冷えるわね
……
)
あまりの寒さに、キリエは寝室のベッドの上でブランケットに身を包み、体をうずくまらせていた。
ふと窓の外を眺めると、街中が真っ白に染まっていく景色が目に映る。
(雪、明日には積もりそうね。子どもたち、喜ぶだろうなあ
……
)
雪にはしゃぐ子どもたちの光景が思い浮かび、微笑むキリエ。
だが、雪によって寒さが増してしまうことを思うと、寒がりな彼女は複雑な心境になった。
(それにしても、本当に寒いわ
……
)
先日、寝室の暖房器具が壊れてしまい、ここ最近はずっと凍えるような夜を過ごしていた。
冬用のふわふわしたパジャマを着て、ルームソックスも履いていたけれど、それでも凍えるような寒さには敵わなかった。
「
……
クシュン」
寒さに震え、小さくくしゃみをするキリエ。その時、寝室の扉がゆっくりと開かれた。
「キリエ、まだ起きていたのか?」
「ネロ
……
」
扉のほうに目を向けると、そこにはシャワーを浴び終え、上下ネイビーのスウェットを着用しているネロの姿があった。
「うん
……
寒くて、寝付けないの
……
」
「ははっ、見ればわかるよ」
ブランケットにくるまり、背中を丸くしているキリエの姿に微笑みながら、ネロは彼女の隣にそっと腰を下ろした。
「今度、依頼の報酬を貰ったら、新しいストーブ買うからさ。悪いけど、もう少しだけ我慢な」
「うん、ありがとう。ごめんね、私が寒がりなせいで
……
」
「大丈夫だよこれくらい。
……
本当は、エアコンを設置したいところだけど
……
その、予算が
……
」
そう言ってネロは、視線を泳がせながら頭を軽くかいた。そんな彼の仕草を見て、キリエはクスクスと笑う。
「いいのよ、できる範囲で。ネロが私を大切に想っていることは、ちゃんと伝わっているから
……
ね?」
キリエはネロに優しく微笑んだあと、彼の肩に頭を預ける。その行動に、ネロは申し訳ない気持ちが募りながらも、心が温かくなるのを感じた。
「あっ
……
そういえば」
その時、ネロがふと何かを思い出し、その場からゆっくりと立ち上がると、ベッド横の引き出しを探り始める。そして、目当てのものを見つけると、それを手に取って再びベッドに腰を下ろした。
「ネロ、なあに?それ
……
」
「これは、温感ボディジェルだよ」
「温感ボディジェル
……
?」
キリエはネロが手に持っている、穏やかな赤色のチューブ容器を、不思議そうにじっと見つめる。
「今日、仕事終わりにドラッグストア寄ったとき、偶然見つけてさ。これを塗ると、体が温まるんだって。それに、保湿効果もあるらしい。肌が乾燥しやすい冬の時期に、ピッタリだろ?」
「そうね
……
」
キリエは温感ボディジェルに興味を示し、そっと目を見開いた。その様子が愛らしくて、ネロは思わず微笑む。
「せっかくだし、使ってみるか?まだ試してないから、使用感とかわからないけど
……
」
「うん、そうね。使ってみましょう。
……
貸してくれる?」
そう言って、キリエはブランケットの隙間からネロにそっと手を差し出す。その手は寒さのせいでかすかに震えており、ネロはそれを見逃さなかった。
「キリエ、俺が塗ってあげるよ」
「え?」
「だって、寒くて動けないんだろ。手、こんなにかじかんでるし
……
」
ネロは右手で、寒さに震えるキリエの手を包み込むように握る。
「こんなに指先が冷えてるってことは、足先はもっと冷えてそうだな」
「うん、そのとおりよ
……
」
苦笑いしながらそう答えたあと、キリエは体の向きを変えてベッドの上にそっと足を乗せた。それに続きネロも、彼女の足元付近、ベッドの上に乗る。
「そしたら、お願いね?ネロ」
「了解」
ネロは、キリエが履いているルームソックスを脱がすため、足先までかけているブランケットをそっとめくった。
「あ
……
これ
……
」
キリエが履いているルームソックスを見て、ネロは胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。
「ん
……
?あ、このルームソックス、この前ネロがクリスマスプレゼントにくれたものよ」
「
……
ありがとう。早速使ってくれて」
寒がりな彼女のために選んだ、ミルクベージュ色で、側面にはピンク色のリボンの模様が編み込まれている、ふわふわしたルームソックス。
清楚で優しくて可愛くて、あたたかみのある彼女を想像しながらプレゼントを選んだことを思い出し、ネロは思わず笑みをこぼした。
「ネロも
……
そのスウェット、私がプレゼントしたものでしょ?ありがとう、着てくれて」
「ああ。着心地いいし暖かいし、気に入ってるよ
……
って、とりあえずプレゼントの話は置いといて、ジェル塗るから
……
靴下、脱がすよ」
プレゼントの話で照れ臭くなった気持ちを誤魔化すように、ネロはボディジェルの話題に戻す。そして、キリエの足首に手をかけると、ルームソックスを片方ずつ丁寧に脱がしていった。
露わになったキリエの足先がネロの手に触れる。その冷たさに、ネロは一瞬目を見開いた。
「うわ
……
ほんと、冷たいな
……
」
そうポツリと呟いたあと、ネロはボディジェルの容器を手に取り、蓋を開けると中身を手のひらに出した。
そして、それを手のひらに軽く伸ばしたあと、キリエの右足を包み込むように優しく塗り始める。
部屋には、ジンジャーのスパイシーな香りと、シナモンとバニラの優しくて甘い香りが広がった。
「すごいわね、このボディジェル。塗った瞬間、ほかほかとあたたまってきたわ
……
」
「そうだな。俺も、手が温まってきた気がする」
そう言ってネロは、キリエの足からふくらはぎにかけて、ゆっくりと手を滑らしていった。
そのくすぐったさに、キリエは小さく身じろぎをする。その姿を見たネロは、体の奥が脈打つのを感じた。
「
……
なあ、キリエ」
「ん?」
「せっかくだから脚全体
……
塗ってやるよ」
「え?」
「冷えてるんだから、最後までやったほうがいいだろ」
「さ
……
最後までって
……
きゃっ!」
パジャマの裾をたくし上げていくネロの手が、ブランケットの奥深くまで潜り込む。
ネロの手が太ももに触れた瞬間、キリエは体を強ばらせた。
「ジェル
……
足さないとな」
ネロはブランケットの中から一旦手を引き抜き、手のひらにジェルを少量取り足す。
そして、再びブランケットの中に手を潜り込ませ、キリエの太ももへと手を伸ばした。
「そ、そこまでしなくても
……
」
ブランケットの中で動くネロの手、温感ボディジェルによる滑らかで温かな感触に、キリエは恥ずかしさから顔が一気に熱くなった。
「気持ちいい?キリエ
……
」
「もう
……
!変なこと聞かないで
……
!」
「ははっ、冗談だよ。さてと
……
反対の脚も、塗らないとな」
ネロはブランケットの中に手を潜り込ませたまま、その手をキリエの左足へと移動させる。
「え
……
こっちの脚も塗るの?」
「もちろん」
ネロは即座にうなずくと、先ほどと同じようにブランケットの中に手を潜り込ませながら、パジャマの裾をゆっくりとたくし上げていった。
(なんだか
……
あたたかさを通り越して、体が熱くなってきたわ
……
)
キリエがそう思っている最中、ネロは手のひらにジェルをたっぷりと出す。
そして、どこか含みのある笑みを浮かべつつ、彼女の脚を滑らせながら、手を奥深くへと潜り込ませていった
——
***
脚にジェルを塗り終わり、全身が温まってきた頃。二人は布団の中に潜り込み、体を向き合わせた。
「どうだった?温感ボディジェル。だいぶ、温まっただろ?」
ネロの言葉に、キリエは先ほど脚に触れた彼の手の感触を思い出す。
「うん、ありがとう。
……
とても、あたたかくなったわ」
別の意味で体が熱くなってしまったことは、キリエは心の中に秘めておくことにした。
「それならよかった。これで、寒い夜も無事に過ごせるな」
そう言って微笑んだあと、ネロはキリエの頬に手のひらをそっと添えた。彼の手の温もりに、キリエの口元は自然と緩む。
「そうね。でも
……
」
「?」
「ネロの手のほうがずっと
……
あたたかいな
……
」
キリエは頬をほんのり赤く染めながら、ネロの手の上から自身の手をそっと重ねる。彼女のその仕草に、ネロは再び体の奥が脈打った。
「そっか
……
じゃあ、脚だけじゃなくて、ここも
——
じっくり温めないとな
……
」
艶やかな低い声でそう呟きながら、ネロはジェルが残る指先をパジャマの裾から滑らせ、キリエの柔らかな肌へと忍び込ませていく。
——
もっと
……
あたためて?
甘く囁くキリエの声が耳に届き、ネロの手はさらに奥深くへと、動きを増していった
……
愛する人の温もり。
それは、どんな冷えた夜よりも深く、熱い。
二人はそっと肌を重ねる。
互いの体温を感じながら
——
了
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