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癒羽琉(ユウル)/由羽(ユウ)
2025-05-05 19:48:43
1699文字
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Sweet Rose 〜Nero&Kyrie〜
ダントリに続き、Sweet Roseのネロキリverです。
フラワーバスのお話。
【Sweet Rose〜Nero&Kyrie】
「ネロ、一緒にお風呂に入らない?」
溢れるくらいバラの花が入っているカゴを両手に抱えながら、キリエは夕食後にソファで寛いでいるネロに声をかけた。
***
「まさか、キリエのほうから風呂に誘ってくるなんて。正直何かの聞き間違えかと思ったよ」
「これでも恥ずかしかったのよ。私からお風呂に誘うなんて、初めてだったから」
二人が一緒に入るには少し狭い浴槽。ネロがキリエを後ろから抱えるような体勢で、二人はバラの花が大量に浮かんでいるお湯に浸かっていた。
「それにしても、この大量のバラは一体どうしたんだ?」
ネロは手元にあったバラの花びらを指で摘むと、キリエに尋ねた。
「花瓶に飾るお花を買いにいった時に、花屋の店主さんに頂いたのよ。近いうちにフラワーバス用のバラの販売をするらしくて、その試作品の商品をくれたの」
「ふーん。それにしても、どうして突然、俺を風呂に誘ったんだ?」
「ネロ、色々と大変だったでしょ。腕がその
……
無くなってしまったりとか
……
。やっとあの時の騒動も落ち着いたし、少しでもリラックスする時間をネロに作りたいなと思って
……
」
そう言うとキリエは、自身を包み込むように抱えているネロの右腕を撫でるように触れた。
「私、どんなネロの右腕も好きだけど、もとの右腕に戻って本当によかったな
……
って、正直思っているの」
「そうだな。俺も、腕がもとに戻ったおかげで、キリエの温もりをもっと感じられるようになったから
……
」
ネロは自身の右腕に触れているキリエの手をとると、その手に一本ずつゆっくりと指を絡ませ、ギュッと握った。
「悪魔の右腕でもニコの作った義手のままでも、正直不便はなかったけど、こうしてキリエの手を握る時は、この手のほうが繋ぎやすくていいな
……
」
「そうね。でも、ネロのどんな右腕も好きだったのは本当よ?悪魔の右腕も、ニコが作ってくれた義手だって、どれもかっこよくて素敵だったから」
「ははっ。それはそれで嬉しいな。ありがとう、キリエ」
そう会話を交わしたあと、ネロはキリエのうなじに唇を落とした。
ネロのその行為に小さく声を漏らし、小さく体を跳ねさせるキリエ。その時、キリエの目の前に真っ赤なバラの花が目に入り、それを手に取るとネロに見せるように掲げた。
「この赤いバラ、ネロにすごく似合いそうね」
「そうか?赤いバラなら、ダンテのほうが似合いそうだけど」
「確かに、赤いバラはダンテさんのイメージが強いわね」
服や食べ物、何から何まで赤が似合う人だなと、ネロとキリエは互いにそう思った。
「そしたらネロは、青いバラとかどうかしら?」
「確かに、そっちのほうが俺っぽいかもな。まぁ、実際青いバラは存在しないんだけどな」
「そうなのよね。青いバラがあったら、ネロの頭につけてあげようと思ったのに」
「おいおい、女の子扱いかよ」
「ふふ。可愛くていいじゃない」
頭にバラの花を飾ったネロの姿を思い浮かべながらキリエは微笑むと、彼のことを見上げるようにもたれかかった。
「ねぇ、ネロ」
「ん?」
「私には、何色のバラが似合うかしら?」
「そうだな
……
。このピンク色とか、女の子らしくて可愛いと思うけど、キリエだったら白いバラのイメージもあるかな」
ネロにそう言われたキリエは手元にあった白いバラを掴むと、それをジッと見つめた。
「白いバラね
……
。どうして?」
「キリエは清楚で純粋だし、そのイメージかな?」
「なるほどね。でも
……
」
「?」
「私はもう、とっくの昔に純粋無垢な少女じゃなくなってしまったわ。でもね
……
」
キリエはネロの方に体の向きを変え、彼の広い背中に両腕をまわして抱きついた。
「白いバラには、[あなたの色に染まる]って意味もあるのよ。だから
……
」
「
……
」
「これからも、ネロの色に染めてね
……
なんて」
キリエのその言葉を聞いたネロは黙ったまま頷くと、彼女の耳元に唇を這わせた。
キリエの熱い吐息と声が漏れる。
二人が過ごす空間は、バラの甘い香りよりも更に甘くなっていくのであった。
了
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