癒羽琉(ユウル)/由羽(ユウ)
2025-03-14 12:32:13
3086文字
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secret……二人のはじまり⑥

ネロがダンテにキリエとの関係を相談していた時のことを思い出しながら、二人はリビングでゆっくり過ごしていた。そして、ほんの少し甘い時間を過ごしたあと、二人はネロの部屋へと向かっていった。
みたいな感じです。
次回、最終章!

【secret……二人のはじまり】⑥

依頼の関係で自宅を空けていた期間、ネロは密かに決心していたことがあった。
そう。今度こそ彼女を、キリエを抱こうと。途中でやめずに、最後まで。

ネロとキリエ、二人が初めて性的な行為をしたあの日。
その日以降、関係が進展することはなく、数日が経ってしまった。
こうなってしまっては、関係性を進めるタイミングが掴みにくくなってしまい、ネロは頭を抱えて悩んでいた。
そんな日々の中、遠い街から悪魔退治の依頼がネロの元にやってきた。
モヤモヤした気持ちを抱えたまま依頼場所に出向くわけにはいかず、ネロは悪魔退治の相談も兼ねて、ダンテの事務所を訪ねた。
依頼内容をダンテに説明し、悪魔退治のアドバイスをもらったあと、ネロは本題であるキリエとの関係について相談をし始めた。
「悪いなダンテ、こんな話を持ちかけてしまって……
フォルトゥナにも男友達はいるが、この手の話を真面目に聞いてくれる人がいなかったネロは、恥ずかしながらもダンテにすべてを話すことにした。
初めてキリエと性的な行為をした日のこと、それから気まずくなってしまった日々のこと。気まずい雰囲気の中、遠くの街に依頼で出向くことになってしまったこと。そして、キリエを抱く自信がどうしても持てなかったことを。
最後まで行為をできず、中途半端にキリエに接してしまったことに対しての罪悪感。それでも彼女を抱きたい想いが募る一方で、自身から溢れ出る性欲を抑え込むのに必死だったこと。その性欲を抑えられない時は、彼女を思い浮かべながら一人で行為に及んでいたこと。
ネロは自身の悩みを話せるだけダンテに話した。
ネロの話を黙々と聞いたあと、ダンテは一旦その場から席を外した。
しばらくすると、ダンテは片手に小さな箱を持ちながら戻ってきた。そして、ネロと向かい合うようにソファに腰をかけた。
「ネロ、これやるよ。今後お前に、必要な物だろ」
「ん?」
ダンテから受け取った物。それは、俗に言う避妊具だった。
まさか、突然こんな物を渡されるとは思っていなかったネロは、少し驚いた表情を浮かべながらダンテの顔を見つめた。
ダンテはひと息つくと、ネロの瞳を真剣な眼差しで見つめながら話し始めた。
「ネロ、お前たちはまだ若い。そういうのに自然と興味が湧いてしまう年頃だってことも分かる。だが、お前たちの場合は単なる好奇心とかじゃなくて、本当に大好きで大切な相手だからこそ、その相手が欲しい気持ちの表れだってことを、俺は理解している。だがな、こういうことって、単に愛情を確かめる行為とかコミュニケーションとかじゃないんだ。相手の今後の人生を決める出来事でもある。言ってる意味、分かるか?」
……。責任取れるのかって、ことだろ……
ダンテの言っている意味を理解したネロだが、気持ちの整理はつかず、頭の中は混乱するばかりであった。
「まぁ、少し重たい話をしてしまったが、俺が心配なのは抑えきれない自分の欲だけを、相手にぶつけることだけはしてほしくないってことさ。相手が誰よりも大切な人なら、尚更な」
……
「あとはお前が覚悟を決めてしっかり彼女と向き合う。それだけだな」
「分かってるけど……俺、やっぱり自信ない……
そう言って俯くネロの頭を、ダンテはくしゃっと掴むように撫でた。
「そんなに不安にならなくても大丈夫だ。それに、あの嬢ちゃんならとっくに覚悟ができていると思うぜ」
「キリエが……?」
「あぁ。女の子は特に、こういうことに対しては慎重になるからな。初めては痛いっていうし……
「やっぱ、痛いのかな……
「俺は女じゃないから詳しくは分からないが……。でも、あの嬢ちゃんなら、お前のすべてを受け入れてくれるはずさ。だから、自信を持って彼女に接してあげればいい」
そう言うとダンテは、励ますようにネロの肩を叩いた。

そして、二人の会話はそこで終わり、ネロはダンテの事務所を後にした。

帰り道、ネロは改めてダンテの存在のありがたさを実感した。
からかうような口調が多いダンテだが、ネロとキリエのことを誰よりも気にかけており、ネロが何となく話した小さな悩みでも真剣に聞き、いつも優しくアドバイス等をしてあげていた。
(恥ずかしかったけど、相談してよかった)
後日、改めて礼をしにいこうと思い、ネロは帰路を歩き続けた。

***

そして今、ネロはそんな出来事があった日のことを思い出しながらキリエと共にソファーに腰をかけ、他愛ない話をしていた。
お互いシャワーを浴びたあとのため、リビングには甘い香りが漂っていた。かすかに髪も濡れていて、ネロとキリエ、共に艶っぽさが溢れていた。
自然と魅惑的になる空間。
会話をするうちに、キリエの手はいつの間にかネロの太ももへと添えられていた。
ズボン越しに伝わるキリエの肌の感触。
ネロは左手でキリエの手を優しく包むように、上から重ねた。
右手はキリエの頬に添え、彼女の瞳を見つめる。
キリエもその行為に応えるように、ネロの瞳を見つめ返した。
「キリエ……
ネロは優しく囁くように、彼女の名前を呼んだ。
シャワーを浴びた体がまだ火照っているせいなのか、熱い吐息混じりの声がリビングに静かに響き渡る。
名前を呼ばれたキリエは優しく微笑み、ゆっくりと瞼を閉じていった。
キリエが瞼を閉じ終わったのを確認したネロは、両手で彼女の頬を包み込むと、そのまま優しく口付けた。
一瞬だけチュッと触れたあと、再びキリエの唇に口付けるネロ。
ネロの唇は、キリエを求めるようにゆっくりと動いていた。
キリエはネロの想いを受け止めようと、彼の背中に腕をまわし、そのままギュッとしがみついた。
キリエが背中にしがみついたのを確認したネロは、ゆっくりと舌を絡ませ始めた。彼女が苦しまない程度に優しく、時に激しく。
「ぁ……んんっ……
そんなネロの甘い口付けに、キリエは段々と声を漏らし始めた。そして、背中から何かがゾクッとかけ上がってくるのを感じた。
その正体は、ネロの手だった。
いつの間にか服の中からネロが手を忍び込ませており、下着と背中の間に手を挟ませていた。
そしてそのまま、ネロは右手で擦るように背中を撫でまわした。
キリエはこのまま下着を外されるのではないかと、内心焦り始めた。場所もリビングのため、落ち着かずに変な緊張感が襲ってくる。
そんな気持ちを訴えるように、キリエは更に強く、ネロの背中にしがみついた。それと同時に、服の中へと忍び込んでいたネロの手がゆっくりと引き抜かれ、お互いの唇も離れていった。
「ネロ……
どこか物足りなさそうにネロを見つめるキリエ。
ネロも、キリエを物欲しそうに見つめる。
リビングには荒くなった二人の吐息が響き渡ると共に、二人の鼓動がドクドクと高鳴り始めた。
「キリエ、行こうか……
「うん……
向かう先はネロの部屋。
ネロはキリエの手を優しく引きながら、リビングを後にした。
先ほどの行為もあったせいか、下から徐々に興奮の波が押し寄せてくるが、今はそれを二人してグッと堪える。
一歩ずつ、ネロの部屋へと進む二人の足。そして、二人はネロの部屋の前へとたどり着いた。
固く閉ざされた、自室の扉を静かに開くネロ。
キリエに先に部屋に入るようにと促し、彼女がベッドに腰をかけたのを確認したらと、そっと扉を閉じていった。

***


(もう逃げない)
(怖がらない)


to be continued……
(次回最終章)