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癒羽琉(ユウル)/由羽(ユウ)
2024-06-19 18:54:41
4296文字
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Do me!
初のDC 京園話です!
R18ではないですが、言動とかは一部R指定気味な感じです。
2人で旅行に来た京極と園子。
園子は京極との関係を進めたいと迫るが……
景色が色鮮やかになる紅葉の季節。京極と園子は京都のとある旅館へと泊まりに来ていた。
京極が久しぶりに日本へ帰って来る日が丁度連休と重なったため、園子が急遽旅館を手配して二人で旅行をしに来たのだった。
日中は京都の街中を観光したり、京都ならではの名物を口にしたり、紅葉で彩られている景色を眺めたりなど、二人楽しい時間を過ごしていた。
夜になり、旅館へと戻った二人は夕食やお風呂を済ませたあと、部屋でゆっくりと寛いでいた。
「楽しかったね!真さん!」
「はい。街も賑わっていて、さすが観光地ですね」
「明日はどこ行こうかなぁ」
京極と園子は明日の予定を考えつつ、お互いが遠距離で過ごしていた間の出来事など、他愛のない話を続けた。
そんな時間もあっという間に過ぎ、時刻は二十三時をまわろうとしていた。
そろそろ寝ようと敷かれた二人分の布団の中に各自入ろうとした時に、園子は京極を横目にムスッとした雰囲気を漂わせながら彼に話しかけた。
「ねぇ、真さん
……
」
「?どうしたんですか、園子さん」
「このまま、寝るの?」
「?はい。明日もありますし、疲れを取るためにも早いところ寝ようかと思います」
京極は園子が言いたいことを理解できず、軽く首を傾げた。そんな京極の様子に、園子は小さくため息をついた。
「真さんは
……
」
「
……
?」
「私と、エッチしたくないの?」
「
……
」
「
……
」
「
……
ぇ?」
一瞬、何を言われたか分からなかった京極。
しかし、二人の間に訪れた本の数秒の沈黙の間に、先ほど園子が言った事がこだまするように頭の中に鳴り響き、その言葉の意味を徐々に理解していった。
「そ、園子さん?!一体何を
……
」
「だ・か・ら!真さんは私とエッチしたくないの?!」
園子は再びそう言うと、隣で布団に入り込もうとしている京極を見上げるように迫った。
「せっかく二人きりの旅行なのよ!私と真さん、付き合ってそれなりに経つのに、まさか何もしないで終えるつもりなの?!」
「え、何もって
……
」
「どうなの?!それとも、真さんは私といて何も感じないわけ?!」
「いえ、園子さんはとても魅力的な方だと思っています」
「そう!ありがとう!
……
じゃなくて!」
一瞬、京極の純粋な想いに浮かれて舞い上がりそうになった園子だったが、咄嗟に話題を戻した。
「なんかこう、私に対してムラムラ〜!って、しないの?!」
「む
……
ムラムラって
……
」
「だって、年頃の健全な男女がこうして二人きりの旅行をしているのよ?!普通は何かあるもんよ!」
「そ、そういうものなのですか
……
」
「そうよ!あ〜もう!
……
せっかく真さんともっとも〜っと!関係を深めるチャンスなのに
……
」
園子は更に真へと迫り距離を縮めた。
「そ、園子さん
……
!近
……
」
「真さん!私とエッチしてよ!」
京極の言葉を遮るように園子はそう言ったあと、彼が寝巻きに来ている浴衣の襟元から中に手をスルッと滑り込まそうとした。
「?!園子さん
……
!」
しかし、園子の仕草に気付いた京極は彼女の手首を咄嗟に掴んで、浴衣への侵入を阻止した。
「やめましょう、こんなこと
……
」
「こんなことって
……
。私が冗談やふざけてこんなことすると思っているの
……
?」
「園子さん
……
」
涙をほんの少し浮かべて呟く園子の顔を見た京極は、握っていた彼女の手をそっと離した。
「私たち、ただでさえ会える日が少ないのよ
……
。その分、会えた時は真さんと
……
」
園子は溢れかけた涙を浴衣の袖で拭うと、声を荒げた。
「フン!どうせ私は色気も何もない女ですよ!私に性的魅力なんて感じていないんでしょ!」
「そんなこと
……
」
「だったら、なんで何もしてくれないの?!“抱きたい”って思ってくれないの?!」
「園子さん
……
!」
「もういいわ!寝る!」
そう言うと園子は、京極に背を向けながら布団を勢いよくかぶって横になった。
(真さんのバカ!期待していた私が情けなく思えるわ
……
)
「園子さん
……
あの
……
」
「うるさい
……
!もう寝るから話かけないで!」
布団を被りながらそっぽを向き、聞く耳立てない園子を目にした京極は小さくため息をついたあと、ゆっくりと立ち上がり自身の荷物が入ったカバンをガサガサと漁り始めた。
(何よ
……
ため息なんかついて。ため息つきたいのはこっちの方よ)
布団をかぶっているため詳細はうかがえないが、
京極が荷物を漁っている音を微かに気にしながら園子は息を小さく吐いた。
(もう、せっかくの旅行なのに。どうしてこうなってしまうのよ
……
)
普段は日本と海外という遠距離での関係が多い二人。会える時間も限られている。そのため、たまにこうして会える日を思い出が残るような形にしたいと園子は普段から思っていた。
付き合ってそれなりに日数は経っているが、会える頻度は世間の恋人より少ない。そのため、思うように事が進まないのも事実。その焦りから園子は京極に対して欲望を一方的にぶつける形になってしまった。
(真さん、きっと呆れたわよね
……
)
先ほどの自分の言動の恥ずかしさや京極への申し訳ない気持ちが募り、園子の瞳には涙が溜まっていった。そして、それを布団の中で拭いながら園子は少しでも早く眠りにつこうとそっと目を閉じた。
「園子さん、起き上がってこちらを見てください」
その時、荷物を漁り終えた京極が再び布団へと戻り、園子に声をかけた。
「
……
何よ」
京極の呼びかけに園子は布団から顔を半分を出して、自分を見下ろす彼の顔を睨むようにジッと見つめた。
「見せたい物があるんです。なので、起き上がってくれませんか?」
機嫌取りのためのプレゼントか何かだろうか。そう思った園子は渋々布団から起き上がると、京極と向き合うように座った。
「すみません園子さん。面倒をかけてしまって
……
」
「ううん。私も、ちょっと言い過ぎちゃったし
……
」
「いえ
……
園子さんを不安な気持ちにさせてしまったのは、自分の不甲斐なさのせいですから」
相変わらず自分に対して怒りを一切出してこない京極に対して、園子は罪悪感に包まれた。
「真さん、ごめんね」
謝罪をしながらシュン
……
とした素振りで肩をすくめる園子の姿を見た京極は、口元を緩ませながら彼女の柔らかい髪の毛をそっと撫でた。
その仕草に安心したのか、園子は頬を緩ませながら京極に話しかけた。
「それで、見せたい物ってなあに?」
「あ
……
えっとそれはその
……
」
京極はほんの少し頬を染めながら、浴衣の袖口の中をガサガサと探り始めた。そんな京極の様子を、園子は首を傾げながら見ていた。
(あ、あった
……
)
そして、園子に見せたいものが見つかったのか、それを自身の大きな手のひらの中に握りしめた京極は、姿勢を正しながら園子と向き合うように座り直した。
「園子さん、手を出してください
……
」
「?」
園子は京極に言われるまま、両手を上に向けて彼の前に差し出した。そして京極は、手の中に握りしめていた四角形の個包装を園子の手の平にそっと置いた。
「
……
?」
「
……
」
「なあに?これ
……
」
「
……
コンドームです」
「コンド
……
って、ええっ?!」
園子の手に渡されたもの。それは俗にいう避妊具であった。
まさか、そんな物をこうして手渡されると思っていなかった園子は恥ずかしさで頬を一気に赤く染め、驚いたように目を見開いて京極の顔を見つめた。
「あの、準備していなかった訳じゃないんです
……
。ただ、どう事を進めたり雰囲気を作っていけばいいのか、経験がない自分には分からなくて
……
」
そう言うと京極は、先ほどより頬を染めながら頭を掻く仕草をした。
「経験がないって
……
本当?だって、真さん凄くモテるし、私と付き合う前にそれなりに経験あるんじゃないかと思ってて
……
」
「そんなことないですよ。自分、ずっと空手一筋でしたから。告白されたことないと言ったら嘘にはなりますが
……
自分がこうして人を好きになったのは、園子さんが初めてです」
そう言うと京極は、園子の両手を自身の両手でそっと包み込むように握った。
「それと
……
園子さん、震えてますよ」
「
……
!え、嘘
……
」
京極に言われて、園子は初めて自身の手や身体が微かに震えていることに気が付いた。
「やだ
……
私いつから
……
」
「
……
布団に入り込もうとした辺りからです」
「真さん、もしかしてそれに気付いて
……
」
「はい
……
」
さすが、相手の動きを細かに判断できる空手の達人だからなのか、京極は園子が自分に迫ってきた段階で、彼女の身体が微かに震えている事に気が付いていた。
それはいくら好きな相手でも、身体を重ねることへの恐怖心への表れだったのだろう。
そのことを察した京極は、無理して迫ってくる園子の行動を止めざるを得なかったのだ。
「真さん私
……
」
自分の事を想っているからこその京極の行動や言動を実感した園子は、自身の手を握っている京極の手にすがるように静かに涙を流した。
そんな園子を見た京極は、優しく温かな声色で話しかけた。
「園子さん、無理しなくていいんですよ。焦って関係性を進めることはないと思います。なので、“その時”が来るまで、コレは園子さんが持っていて下さい」
京極のその言葉に、園子は顔を埋めたまま静かに頷いた。
「それと
……
」
京極は園子の耳元にそっと顔を近付けた。
「園子さんを抱きたい気持ちは、ちゃんとありますから」
……
そのあと、京極と園子は互いの布団を隙間なく合わせると、布団の中で寄り添いながら寝る時間を惜しむように会話をして夜を過ごした。
「ねぇ、真さん
……
」
「なんですか、園子さん」
「コンドームの使用期限って、どれくらいだっけ
……
?」
「確か、製造から3年ほどはあったと思いますが
……
」
「へぇ
……
。意外と長いのね。
……
でもそんなに待てないわ」
「
……
え?」
「
……
ふふ。早いところ覚悟を決めるね。待っててね、真さん!」
「ええっ
……
?!そんな
……
!やっぱり、返してください
……
!」
「だーめっ!こうなったらあなたも覚悟を決めるのよ!真さん♪」
「そ、園子さん
……
!」
その後、園子は京極から手渡された避妊具を手に握り締めながら、どこか満足げな笑みでぐっすりと眠りについた。
(やっぱり、渡さない方がよかったのだろうか
……
)
一方京極は、先ほどの自分の言動や行動を後悔しつつ、この先園子との関係性が深まる事へどこか楽しみにしている自分と葛藤しながら、眠れない夜を過ごすのだった。
END
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