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癒羽琉(ユウル)/由羽(ユウ)
2023-10-03 19:39:49
2346文字
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Iolite 〜優しい両手〜 ② side story
【パンドラの塔 君のもとへ帰るまで】
エンデとセレス。シリーズ物。
2章の番外編です。
1章から読みたい方はこちらから↓
①
https://privatter.net/p/10389138
②
https://privatter.net/p/10435797
シャワーを浴びて寝巻きに着替えた後、私はお湯を入れた桶とタオルを手に持って寝室へと向かった。
「エンデ?入るわよ」
寝室の扉をノックし、エンデの返事が聞こえたところで部屋の中へと入っていった。
「エンデ、お湯とタオルを持ってきたわ。冷めないうちにこれで身体を拭いてね」
私はベッドサイドのテーブルにお湯の入った桶とタオルを置き、お湯でタオルを濡らして絞ったあとそれをエンデに手渡した。
「ありがとう、セレス」
エンデはタオルを受け取ると、寝巻きの下から身体を拭き始めた。その様子を私はジッと見つめる。
エンデは私の視線に気がついたのか、身体を拭いていた手を一旦止めた。
「セレス
……
その、そんなに見られると恥ずかしいんだけど
……
」
「
……
あ、ご、ごめんなさい!」
私は咄嗟にエンデに背を向けた。
「そっぽ向いてるから、気にせずに続けて
……
」
「うん
……
」
「その
……
背中は拭いてあげるから、その時は声をかけてね」
「分かった」
エンデが返事をしたあと、私の後ろでガサガサと服を脱ぐような音が聞こえた。しかも上だけではなく、どうやらズボンも脱いでいるようだった。
きっと今のエンデの姿は、上半身が露わになっていて下着のみの姿だ。
(もしかしたら下着も脱いでいたり
……
なんて、流石にそれはないわよね)
エンデは今頃、身体のどこを拭いているのだろう。そんな事を考えながら、私は静まり返った寝室に鳴り響くシーツと肌が擦れる音や、タオルで身体を拭き取る音を聞き、胸が高鳴っていくのを必死に耐えるばかりだった。
暫くすると、衣服を広げる際のバサっとした音が聞こえ、エンデが寝巻きを着ている様子が背後で伺えた。
「セレス」
「
……
!」
うわの空になっていたせいか、エンデに声をかけられたことに驚き私は思わず飛び跳ねそうになった。
「な、なあに?」
「背中、お願いしていい?」
「あ
……
うん」
私が振り返ると、エンデはズボンを履き、上半身だけ露わになった姿で待機していた。
「エンデ、タオル冷めちゃったでしょ?貸して」
私はエンデからタオルを受け取り、再びそれをお湯で濡らして絞り直した。そして、ベッドの上に座るとエンデの背中にタオルを少しあてがった。
「大丈夫?熱くない?」
「うん、大丈夫だよ」
「そしたら、背中拭いてあげるね」
私はエンデの左肩の火傷付近をなるべく刺激しないように、彼の背中を拭き始めた。
「エンデ、朝になったらまた傷を見てあげるね」
「うん。ありがとう」
「早く治るといいね」
「そうだね」
そんな会話をしながら、私はエンデの広くて逞しい背中を丁寧に拭いていった。
「エンデ、他に拭き足りないところある?」
ある程度拭き終わったところで、私はエンデに声をかけた。
「大丈夫だよ。ありがとうセレス」
「そしたら、片付けてくるね」
私はタオルを桶の中に入れて片付けに取り掛かろうとした。だけど、エンデの背中を見つめているうちに身体の奥がグッと熱くなるような感覚になり、気がつくと私はエンデが腰掛けているベッドの上へと自身もゆっくりと座り始めた。
「エンデ
……
」
私はエンデの背中に頬を寄せ、背中に唇を落とした。そして、彼の腰に手をまわして抱きしめた。
「セレス
……
?」
「エンデ、ごめんなさい
……
。こういうことするの、あなたを困らせる行為だって分かっている。だけど私
……
」
“あなたが欲しい”
その言葉を今は心の奥底にグッと抑え込んだ。言葉に出来たらいいのに。今はまだ耐える時。
「ねぇ、エンデ
……
」
やっぱり抑え切れない。
「少しだけ、その
……
いいかな?」
「
……
少しだけだよ」
そう言うとエンデは私の方へと身体を向け、そのまま二人してゆっくりベッドの上へと倒れていった。
ーーーーーーーーーー
怪我のこともあり、思うように動けないのがとてももどかしい気持ちでいっぱいだった。
だけど、少しでもセレスの気持ちに応えようと、彼女と触れ合おうと、僕は出来る限りのことをしようと思った。
ベッドの上で互いに向かい合うように横になり、僕は彼女の寝巻きに手を忍ばせ、腰を抱き寄せた。
「ゃっ
……
」
その行為がくすぐったかったのか、セレスは小さく声を漏らした。
僕は今にも溢れ出してしまいそうな欲をグッと堪えながら、セレスの腰を撫でるように抱きしめていた。そして、僕の胸にうずくまっている彼女の額に口付けをした。セレスもその行為に応えるように、僕の胸元に吸い付くように唇を落としてきた。
(セレス
……
)
本当はもっと、セレスにキスをしたい。セレスの身体全てに触れたい。だけど、今は出来ない。“その時”が来るまで、今は耐えるしかない。
「っ
……
はぁ
……
」
僕の手がセレスの腰から背中にかけてなぞるように動いた瞬間、セレスが僕の胸元に熱い吐息と共に声を漏らした。
(早く怪我、治さないとな
……
)
これ以上は僕が耐えられないだろう。僕は少しでも心を落ち着かせようと、静かに瞼を閉じた。
それから数分の間に、胸の中でセレスの小さな寝息が聞こえてきた。それと同時に僕はゆっくりと彼女から離れベッドから起き上がると、脱ぎ捨てていた寝巻きを着直した。
(おやすみ
……
セレス)
彼女を起こさないように、僕は足音を立てずに寝室をあとにした。
(
……
少し、夜風にあたろう)
僕はリビングの窓を開けて、星空を眺めながら一息ついていた。この火照った身体と欲望を、どうにかして落ち着かせないと。
だけど、先程セレスと過ごした時間を思い返すたびに、僕の身体は熱くなっていく一方だった。
(セレス
……
)
今夜僕は、孤独に欲を満たす。
瞳の奥に、君を思い浮かべながら。
to be continued
……
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