癒羽琉(ユウル)/由羽(ユウ)
2023-09-01 21:51:51
2040文字
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眠れないのは君のせい

「パンドラの塔 君のもとへ帰るまで」から、エンデとセレスのお話です。
初めてなので、色々と控えめに書きました。←
23時に話しかけたイベントを参考に考えたお話です
(^^)
一緒に寝ても何もしないのがエンデとセレスらしいけど、いずれは一線を越えて欲しいと思っております←


「エンデ、今日は一緒に寝ない……?」
23時、就寝時間。自身がいつも眠っているベッドに入ろうとした時にセレスが声をかけてきた。理由を伺うと、どうやら昨夜は怖い夢を見たとの事。
ベッドは隣同士。いつも一緒に寝ているようなものだが、それ以上に一緒に寝たいという。つまり、同じ一つのベッドで共に過ごしたいという事だろう。
もちろん断る理由などないが、無口な僕だってそれなりに湧き上がってくるものはある。しかし、セレスは単純に「一緒に寝たい」と、それだけなのだろう。
……いいよ」
僕がそう言うと、セレスはどこか申し訳なさそうにしつつもパァッと表情を明るくして「ありがとう」と呟いた。そして、僕よりも先にベットの中に入ると、僕を誘うように自分の隣をポンポンと軽く叩いた。
ここまで来てしまったら後に引けないため、僕は少し戸惑いつつもセレスの隣に座るようにゆっくりとベッドに入り込んでいった。
「えへへ……。少し、狭いね」
「うん、そうだね」
そりゃあ、シングルベッドに大人二人となると狭いだろう。そのせいか、密着度もかなり高い。
「エンデ、ベッドから落ちないように気をつけてね」
「うん。セレスこそ」
「もう……。私は寝相悪くないから、平気よ?」
「いや、僕だって……
そんな他愛ない会話をしつつ、僕らは笑い合った。
暫くすると、お互い少しずつ眠くなってきたのか会話も徐々に減り、沈黙が訪れた。そして、二人してベッドに横たわり、向かい合う形で互いに身を寄せ合った。
セレスの柔らかい髪の毛から甘い香りが漂う。その香りに誘われるように、僕はセレスの髪の毛に唇と鼻をそっと寄せた。
「エンデ……くすぐったいよ……
「ん……
セレスはほんのり頬を染めながら、僕の胸元に顔を埋めた。そんな彼女を愛おしく想い、僕は彼女の腰に手を添えるとその細い身体を自身の方へグッと引き寄せた。
「ぁ……エンデ……?」
僕の行為に、戸惑う彼女の様子が伺える。僕だって自分でも驚くくらい積極的だなと思う。眠気のせいなのか、それともセレスの甘い香りのせいなのか。
「セレス……
意識が遠のいていく中、彼女の名前を呼ぶと同時に僕の瞼はゆっくりと閉じていった。


ーーーーーーーーーー


「エンデ……?」
寝てしまったのかしら。
私が彼に呼びかけても、規則正しい寝息が聞こえてくるだけだった。
……どうしよう)
エンデの手は私の腰を強く抱き寄せたままで、唇は私の前髪に触れたまま。その感触が額にも伝わってきて、時々動くエンデの唇がくすぐったい。
(このままじゃ眠れないわ……
時間が経てば経つほど鼓動が激しくなり、身体が熱くなる。
「一緒に寝よう」と誘ったのは自分の方だが、まさかこんな風に寝付けなくなるとは思っていなかった。
(エンデ、普段はこんな事あんまりしてこないのに……。もしかしたら、ベッドの中では積極的になるタイプなのかしら……って、やだ私ったら……!こんな事考えるなんて……
一瞬脳裏に思い浮かんだエンデの姿と自分自身の思考に私は更に恥ずかしくなり、顔も身体も一気に熱くなるのを感じた。
(こうなったら私も……
この際思い切った行動をした方が気が楽になるだろうと思い、私もエンデと同じように腰に手をまわすと彼の身体をグッと自分の方へと抱き寄せた。
……あれ?)
だけど、思った以上に彼の身体を自分の方へと抱き寄せることができなかった。
(やっぱ、男の人ね。私より大きくて逞しい身体だもの。そんな簡単にはいかないか)
彼を抱き寄せるどころか、逆に自分から彼の方へとグッと距離を縮めるような事になってしまった。
それはそれでいいかと思い、私は自身の身体を更に密着させると、エンデの胸元から露出している素肌に唇を沿わせた。
ほんの悪戯心だけど、音を立てない程度に彼の胸元に吸い付いた。
(エンデ……
もっとあなたが欲しいと思う私は、我儘なのかな。
(もっと、あなたを感じたい……
だけど、今はこれ以上動くことが出来ない。
だって、あなたが私を逃さないように強く抱いているから。
……おやすみなさい、エンデ」
私は再び彼の胸元に唇を落としたあと、ゆっくりと瞼を閉じていった。


ーーーーーーーーーー


(どうしよう……
セレスから規則正しい寝息が聞こえてきたところで、ようやく僕は目を開けることが出来た。
セレスより先に眠りに落ちたのは確かだが、眠りが浅かったせいか僕の腕の中でモゾモゾと動くセレスの動作で僕は眠りからほんの少し目覚めかけていた。
このまま変に起きると寝付けなくなるため、僕は再び眠りにつこうと思ったのだが、胸元に触れた柔らかくて暖かい感触がセレスの唇だと知った時、僕はもう寝るどころじゃなくなっていた。
(どうか、朝まで耐えてくれ。僕の……
僕は再び瞼を閉じ、少しでも早く朝になってくれることを願いながら夜の時間を耐えるばかりであった。




End