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癒羽琉(ユウル)/由羽(ユウ)
2018-09-02 19:31:50
8225文字
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夢罪
DMC3から一年後くらいの時系列。
夢の中でダンテは、何故かバージルと出会う。
何故、彼がここにいるのか……。
初代DMCへと続く過程と考えて頂ければ分かりやすいかもです。
二人には仲良い兄弟の時間もあって欲しかったです。
シリアス。ダンバジですが、腐表現はないです。
……
あれ?
「ここは
……
?」
気が付いたら俺は、何もない真っ白な空間にいた。
「なんなんだ
……
記憶がない」
なぜ、こんな場所に。
悪魔と戦っている最中に何か変な術にでもかかってしまったのだろうか。
俺はこの場所にいる前の記憶がなく、首を傾げるばかりであった。
「
……
困ったな」
一体ここは、どこなのだろう。
「うーん
……
とりあえず、この世界から抜け出す方法でも考えねぇと」
たが、そんなこと知る術もない。
何かしら方法はあるにしても、こんな真っ白で何もない世界でヒントを探そうだなんて、考えれば考えるほど、頭が痛くなりそうだった。
「
……
まいったな」
本当にまいった。
こういう、謎解きみたいなことは得意ではないから、尚更だ。
いっそのこと、この空間でひと暴れでもしてみるべきか。何か、手掛かりが見つかるかもしれないし。
「
……
試してみるか」
俺は、自身の愛用の二丁拳銃を取り出すと、正面に向かって銃口を向けた。
「?」
その時だった。
銃口を向けたずっと先に、人影のようなものが薄っすらと俺の瞳に映り込んだ。
「
……
人?」
いや、それとも悪魔か。その可能性は高い。
だけど、もしかしたら俺みたいにこの空間に迷い込んだ人間かもしれない。
俺は二丁拳銃をホルダーにしまうと、人影のほうへゆっくりと歩み寄っていった。
「
……
」
俺が近付くたびに、瞳にハッキリと映り込んでくるシルエット。
「
……
ぇ」
見覚えのあるその姿に、俺は息を呑んだ。
「
……
」
まさか
……
「嘘
……
だろ
……
」
まさかこんな場所で、出会うだなんて
……
「バージル
……
」
俺がそう呼ぶと、目の前にいる人物はゆっくりと俺のほうに振り返った。
「なんで、アンタが
……
」
なぜかこの場所には、バージルがいた。
「どうして
……
」
一体、なぜ。
「
……
」
双子の兄、バージルと決別したのはちょうど一年前だった。
バージルは、決別したあの時と姿形はどこも変わっていなかった。
一つだけ違うところは、いつもバージルが愛用していた閻魔刀を所持していなかったということだった。
それにしても、なぜバージルがここに?
もしかしたら、バージルの姿に化けた悪魔なのか。
俺はその可能性を考え、リベリオンを手に取ろうとした。
その時、目の前にいるバージルがフッと微笑むと、俺に話かけた。
「久しぶりだな、ダンテ」
「
……
!」
この声、深い闇に堕ちたようなこの声は、間違いなくバージルだ。だが、油断はできない。
俺は目の前にいるバージルを鋭く睨んだ。
「
……
何を警戒しているんだ、ダンテ」
「そりゃ、警戒するさ。何せ俺は兄貴と一年前、完全に決別したからな。しかも、こんな場所で再会するなんて、どう考えてもおかしいだろ?」
俺はそう言うとバージルに更に歩み寄り、胸倉を掴んだ。
そして、バージルの瞳をジッと見つめた。
さぁ、悪魔ならさっさと正体を表しやがれ。
「
……
」
しかし、いくら近くで見ていても、どこも悪魔が化けたような様子はなかった。
それどころか、この澄んだ蒼い瞳は、バージルの証拠だった。
コイツ、本当にバージルなのか
……
?
「なぁ、アンタが本当にバージルなら、聞きたいことがある」
「なんだ」
「
……
幼い頃、俺とお前が初めて大喧嘩した原因は?」
「俺が最後に食おうと思ってとっておいた母さんが作ったケーキのイチゴを、貴様が勝手に食べた」
「
……
」
まさかの即答に、俺は言葉を失ってしまった。
「こんな話、情けなくて俺はもちろん誰にも話したことはない」
「
……
」
「他にも何か証拠が必要か?なんなら、貴様が幼い頃に森で
……
」
「いや、もういい」
森で起こったあの話は本当やめてくれ。思い出すだけで顔から火が出そうだ。
いや、それより、この話を知っているのは本当にバージルだけだ。間違いない。コイツはバージル
……
かもしれない。俺は、まだ信じ難い部分もありつつ、目の前にいる男をバージルと思って接することにした。
「それより、いい加減その手を離せ」
「あ、悪い
……
」
俺は、バージルの胸倉を掴んでいた手を振りほどいた。
「
……
それにしても、どうしてアンタがここにいるんだよ」
「
……
」
「大体、ここはどこなんだよ。記憶がなくてなんの手掛かりも探せやしない
……
」
「まぁ、一つだけ言うなら、普通の世界ではないってことだな」
「あのなぁ
……
」
それは俺にとって答えになってないと、酷く落胆した。
「そのうち元の世界に戻れるだろう。心配するな」
俺の不安をよそに、バージルはどこか落ち着いた様子だった。
そしてバージルは、その場にゆっくりと腰を掛けるとどこか遠くを見つめるように俯いた。
「バージル
……
?」
そんなバージルに俺も釣られるように、隣にそっと腰をかけた。
まさか、こうしてまた二人並ぶなんてな。
しかも、お互い不思議なことに闘志も殺意も何もない。
なんだか、幼い頃みたいだ。
バージルは一体、今までどうしていたのだろうか。
決別した日からバージルの気配がすっかりと途絶えていたため、最悪の結末を想像はしていたが、考えすぎだったか。
俺はあの日のことが気になり、バージルに話し掛けた。
「なぁ、バージル」
「
……
?」
「あれからどうしていたんだ?魔界で、どう過ごしていたんだ?」
「
……
分からない」
「え」
「俺も、お前と同じ様に記憶がないんだ。だけど、一つだけ分かっていることがある」
そう言うとバージルは、口元を緩ませた。
「
……
分かっていること?」
「いや、気にするな。なんでもない」
「
……
そう言われてもな」
「貴様には関係ない」
「なんだよそれ」
そう言われてしまうと、俺はこれ以上バージルに聞くことができなかった。
過去にしつこくバージルに質問攻めをしたことがあり、その時に怒らせて半殺しにされた記憶がある。
俺は幼い頃のその恐怖がいまだに残っているのか、ここは大人しく引き下がった。我ながら、情けないが。
「それより貴様は、どうしていた」
「え?」
「貴様の事務所のこととか
……
」
「
……
そりゃあ、誰かさんが壊す手伝いしてくれたお陰で、今でも借金まみれの生活だ」
「
……
それは、すまなかったな」
「ぇ、ぁ、いや、ぇ、別に
……
」
まさか、こうもバージルに素直に謝られるとは思っておらず、俺は思わず口をモゴモゴとさせた。
そんな様子の俺が可笑しかったのか、バージルはハハッと軽く笑った。
俺はまたしても、そんなバージルに驚いた。
バージルって、こんな風に笑えるんだな。
「
……
なんだか、懐かしいな」
「え」
「いや、貴様とこうして話すだなんて。子供の時以来だ」
「
……
ぁ、うん。
……
そうだな」
何度も言うが、コイツ、本当にバージルなのか?
バージルって、こんなに穏やかな性格をしていただろうか。
もしかして、魔界に堕ちた時に頭でも打ったのか?
そんなことを考えている時だった。
バージルはその場からゆっくりと立ち上がると、数歩ほど歩いて立ち止まった。
それに釣られて俺も立ち上がり、バージルの後ろ姿をジッと見つめた。
「
……
」
兄貴の背中って、こんなに狭かったっけ。
「なぁ、ダンテ
……
」
「
……
ん?」
「お前は、こんな俺と双子の兄弟で、幸せだったか?」
「え、なんだよ急に
……
」
俺がそう言うとバージルは微笑みながら、しかし、どこか悲しげな表情を浮かべながら俺のほうに振り向いた。
「俺は決して許されないことを数々犯してしまった。お前に対しても、それこそ、まったく関係のない人々にも
……
」
「
……
」
「人としてではなく、悪魔としての道を選んだのはもちろんこの俺自身であるし、そのことを後悔しているわけではない。だが、それでもお前のことはずっと気掛かりだった」
「
……
」
「今更こんなこと言っても信じられないと思うが、俺はお前のことを想っていたんだ」
「
……
」
「これでも家族、双子の兄弟だ。いくらお互い気に入らないことがあったとしても、俺はお前のことを嫌いにはなれなかった」
「
……
」
「お前は、どうだったんだ
……
?」
「え」
「俺のこと、どう思っていたんだ
……
?」
「どうって
……
」
そりゃあ、俺だってお前のことは大切な家族、双子の兄弟としてそれなりに想っていたさ。大好きだったさ。
だけど、お前は俺と違って悪魔として生きる道を選んだ。
俺は悪魔の襲撃があろうとなかろうと、お前とずっと二人で同じ道を行くと思っていた。
それなのに、俺たちは別々の道を歩む結果となってしまった。例え、目指す目的地は一緒だとしても。
俺はそれが堪らなく嫌だった。気に入らなかった。
どうして、俺たちは家族なのに、双子の兄弟なのに。
一体、どこで何を間違ってしまったのだろう。
もし、やり直すことかできるなら、俺たちはどこからやり直せばいい?
なぁ、バージル
……
「
……
」
「
……
ダンテ?」
「なぁ、バージル」
「
……
?」
「俺
……
」
「
……
」
もし、やり直せるなら
……
「バージル
……
」
「
……
」
「あのさ、俺達さ
……
」
「
……
?」
「その
……
」
「
……
」
「もう一度、一緒に暮らさないか?」
「
……
ぇ」
俺のその言葉に、バージルは驚いた表情を浮かべて一歩引き下がった。
さすがに、嫌だったのか。
「いや、その気じゃないなら別に構わないんだけど。ほら、せっかく俺達こうして再会したわけだし、もう一度家族に戻ってさ。もちろん、気に入らないことがあったら出てってもいいし」
「
……
」
「
……
な?悪くはないだろ?」
俺はそう言うと、いまだに驚いたまま固まっているバージルの顔をそっと覗き込んだ。
その瞬間、俺の瞳にはバージルの悲しげな表情が飛び込んできた。
まさか、そんな表情をしているとは思わず、俺もバージルと同じように驚いた表情を浮かべてしまった。
「バージル
……
?」
「
……
」
まさか、そんな表情を浮かべるくらい、俺と一緒に暮らすのは嫌だってことなのか?
「
……
悪い。急にこんなこと言われても、困るよな」
俺はどこかまずいことを言ってしまったと思い、バージルに謝った。
するとバージルは、悲しげな表情を浮かべて微笑みながら俺のことをジッと見つめてきた。俺達二人の間には、重たい空気が流れる。
「ダンテ
……
そうじゃないんだ
……
」
「
……
」
「その
……
すまない」
「
……
」
「もう、無理なんだ。俺とお前はもう
……
」
「
……
どうして」
「俺はもう、お前のもとには戻れない」
「
……
」
だから、どうして
……
「もう遅いんだ
……
」
「
……
そんなこと」
「俺みたいな罪人は、もうどうにもならないんだ
……
」
「
……
!」
そんな
……
「だから
……
お前の気持ちは受け取れない。それに」
「やめろ!」
俺はこれ以上バージルの話を聞くのが苦痛になり、思わず大声を出して会話をさえぎってしまった。
そして、その勢いのままバージルの両肩を強く掴むと、バージルに話し続けた。
「なんでそんなこと言うんだよ!昔犯した罪がなんだ!?また、やり直せばいいじゃないかよ!お前一人で抱える必要はないだろ?!俺たち、双子だろ?!家族だろ?!お前がそうやって抱えている苦しみ、悲しみを俺に分けてくれたっていいじゃねぇかよ!」
「
……
」
「何が「もう遅い」んだよ!お前は
……
俺達はまだやり直せる!やり直せばいいんだ!」
「
……
」
「それじゃ
……
駄目なのかよ
……
」
俺はそう言うと、体中の力が抜け落ちるようにその場に跪いていった。
同時に、一筋の涙が頬を伝ったのを感じた。
どうしていつもこう、俺の気持ちは伝わらないのだろうか。寄りによって、一番大切な相手に。
どんなに叫んでも、どんなに涙を流しても、いつもいつも何も変わらない。大切な人がいなくなるばかり。
俺は、激しく地面を殴り付けるとそのまま地面に顔を伏せた。
「ダンテ
……
」
そんな俺を気に掛けたのか、バージルは俺の背中を優しく撫でてくれた。
「
……
ダンテ、顔を
……
上げてくれないか?」
こんな泣き面、見られてたまるか。
俺は地面に蹲ったまま、首を横に振った。
「頼む
……
ダンテ、俺の話を
……
」
俺は再び首を横に振った。
「ダンテ
……
」
「
……
っ」
「頼むから
……
」
「っ
……
ぅ
……
」
「
……
そんなに、嫌か?」
嫌に決まってんだろ。ましてや、お前にこんな俺の顔なんて、見せたくない。
「
……
そうか」
バージルは中々顔を上げようとしない俺を諦めたのか、その場から立ち上がろうとする素ぶりを見せた。
だがその時、バージルは、俺の上体を強引に起こそうと、俺の肩をグッと掴むと自身と向かいあわせた。
一体何しやがる!と怒鳴ってやりたかったが、向かい合ったバージルの表情を見て、俺は言葉が出てこなかった。
「
……
」
バージルは泣いていた。
俺が蹲っている間に沢山の涙を溜めていたのか、バージルの瞳からは次から次からボロボロと涙が溢れるばかりであった。
「
……
バージル?」
「っ
……
」
「おい、どうした
……
?」
「
……
た
……
い
……
」
「
……
」
「俺だって、出来ることなら
……
やり直したい
……
」
「
……
」
「お前ともう一度、家族に戻って
……
今度こそお前と
……
」
「
……
」
「だけど
……
本当にもう
……
っ
……
駄目
……
なんだ」
「
……
」
「お前のもとへは
……
二度と、戻れ
……
ない
……
っ
……
」
「どうして
……
」
「
……
」
「
……
」
……
「夢
……
なんだ
……
」
……
今、なんて
……
「バージル
……
?」
「ダンテ、これは夢なんだ
……
」
夢
……
?
この世界が
……
?
なら、本当の俺は
……
?
俺がそう疑問を抱いてるのを察したバージルは、話始めた。
「ダンテ、お前がどうしてこの世界にいるのか
……
」
「
……
」
「お前はアーカムの娘といつも通り悪魔狩りをしていた時、ある悪魔の技をくらってしまったんだ。そいつの技には眠りにつかせるようなものがあり
……
」
「
……
」
「つまり、本当のお前は現実の世界でぐっすりと眠っているということだ
……
」
「
……
」
「
……
そしてここは、本来現実の世界で生きている人間が来るべき場所ではないというべきか
……
。ただ、お前自身は生きているから安心はしてくれ。ダンテ、お前の場合は妙な悪魔の術でここにいるだけだから
……
」
なら、バージルは
……
?
「バージルも、悪魔の技によって
……
?」
俺がそう問いかけると、バージルは優しく微笑んだ。
今にも溢れ出しそうな涙を瞳に溜めながら。
俺は一瞬その理由が分からなかったが、バージルの頬を一筋の涙が伝ったのを見た瞬間、すべてに気付いた。
バージルは
……
「
……
嫌だ」
「
……
」
「嘘
……
だよな
……
」
「
……
」
「まさか、バージルが
……
」
「
……
」
「なぁ
……
」
嘘だって言っ
……
「死んでから罪に気付くなんて、愚かなのは俺だったな
……
」
「
……
」
嘘だ
……
だって、バージルはこうして俺と今
……
「先ほども言ったが、安心しろダンテ。ここは確かに生きている者がいるべき場所ではないが、お前は死んでいない。そのうち現実のお前が目を覚ます。そしたら
……
」
「やめろ!」
聞きたくない!
俺は両手で耳を塞ぐと、再び地面に蹲った。
嫌だ
……
嫌だ
……
嫌だ!
家族が死んだ話なんて、もう聞きたくない。
死んだなんて、認めたくない。
たけど、バージルは死んでしまった。
嫌だ
……
嫌だ
……
「っ
……
」
俺の瞳からは、地面に水溜りができてしまうのではないかというくらい、涙が次から次へと溢れ出した。
胸が苦しい。
情けないが、鼻水も止まらない。
気持ち悪いくらい、喉の奥に何かがつかえているような感覚だった。
吐き出したいのに、上手く吐き出せない。
俺はその感覚が段々と苦しくなったのか、息を切らしながら肩を大きく上下に動かした。
手足が痺れて、上手く動けなかった。
目を開いていても、視界が真っ暗になるくらいの目眩も起こしていた。俗にいう、パニック状態。
本当に情けないが、こうなってしまった以上、今の俺自身ではどう制御することもできなくなってしまっていた。
「
……
ダンテ」
そんな俺を心配したバージルは、ゆっくりと優しく俺の背中を撫でてくれた。
ほんの少しだが、俺はその行為によって気持ちを落ち着かせることができた。
「ダンテ
……
そのまま、ゆっくり呼吸をするんだ
……
」
「ぅっ
……
かは
……
っ」
「大丈夫
……
俺はここにいる
……
」
「っ
……
はぁ
……
ぅぅ
……
」
「大丈夫だ
……
お前のそばに
……
ずっと
……
」
バージルはそう言うと、固くなった俺の上体を脇から持ち上げると、自身の胸の中に納めた。
俺は、バージルの胸に耳を当てた。
微かにだが、バージルの心音が俺の体にトクン
……
トクン
……
と伝わった。
あぁ
……
バージルは生きてる
……
生きているんだ
……
俺の中に
……
「
……
ダンテ」
頼むから、そんな優しく弱々しく
……
俺の名前を呼ばないでくれ
……
「短い間だったが、俺はお前と過ごせてよかった
……
」
なんだか眠く
……
なる
……
から
……
「さぁ、時間だ
……
ダンテ
……
」
バージル
……
?
「お前は、お前がいるべき世界に
……
」
……
嫌だ。
「大丈夫
……
また、会えるさ
……
」
またって
……
いつ
……
?
「必ず
……
いつか会えるから
……
」
だから
……
いつだよ
……
「でも
……
」
……
悪い。
もう眠くて何も
……
聞こえないみたいだ
……
「できることなら
……
っ、この姿で
……
お前と
……
」
バージル
……
?
泣いているのか
……
?
「
……
嫌だ」
ごめんバージル
……
俺、もう
……
「嫌
……
だ
……
」
……
「嫌だぁぁ
……
っ
……
俺も、お前と同じ世界に
……
」
……
「ダン
……
テ
……
っ!」
……
「
……
俺と、俺と一緒に
……
っ
……
!」
……
「ダンテ
……
ダンテ
……
っ!」
……
「頼む
……
頼むからっ
……
」
……
「
……
っ目を
……
開け
……
て
……
」
……
「ぁっ
……
っぅ
……
ぁぁあ
……
!」
……
「俺を、一人に
……
しないで
……
くれ
……
っ」
……
「っぁあ
……
ダンテ
……
ダンテ
……
!」
……
「っ
……
ぁぁ
……
」
……
「嫌
……
だ
……
」
……
「嫌だあああああああああああああああああ
……
!!!!!!!!!!!」
***
「ん
……
ここは
……
」
目が覚めた時、俺の視界にはいつも見慣れている天井が入り込んだ。
ここは、俺の部屋か?
それにしても、どうして?
確か、レディといつも通り悪魔退治の依頼をこなしていて
……
あれ
……
「
……
」
何も、覚えてない。
「どうして、自分の部屋のベッドに寝てんだ
……
俺」
俺がそう呟いたと同時に、自室の部屋の扉が開かれる音がした。
扉のほうに目を向けると、そこにはレディがいた。
「あ、起きた?」
「ん?レディ
……
」
「まったく、大変だったのよ。アンタが私を庇って、そしたら悪魔の変な技をくらってしまって
……
そのままずっと起きなくて」
「
……
」
おれは、悪魔の技で眠っていたのか。
「それで、とりあえずアンタのことをここまで運んで、その悪魔のことを調べたのよ。そしたらその悪魔、技をくらった相手を眠りにつかせて、その隙に攻撃するっていう単純な奴で」
「
……
」
「まぁ、アンタもぐっすり眠っていたし、起きるまでそっとしておいたのよ」
「
……
」
「どう、いい夢でも見れた?」
「
……
」
夢
……
?
「
……
?え、ダンテ
……
?」
「
……
」
「どうして、泣いているの
……
?」
「
……
」
「ねぇ
……
」
「
……
分からない」
「
……
」
「分からないけど
……
すごく悲しいんだ
……
」
「
……
」
「勝手に
……
涙が出てくるんだ
……
」
「
……
」
「何でこんなに悲しいのか
……
っ
……
分からねぇんだよおおおおおおおおお
……
!!!!!!!!」
***
(最後に、俺の願いを聞いてくれますか?
もし生まれ変わったら、もう一度お前と双子の兄弟として出会いたい。大丈夫。今度は間違わない。俺は、お前と共にいる。だから
……
)
黒き天使が生まれるまであと
……
了
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