癒羽琉(ユウル)/由羽(ユウ)
2018-06-24 11:27:59
829文字
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曖昧な関係

ネロキリ。めちゃくちゃ短文、単文。
4の事件前あたり。
タイトル通り、曖昧な関係に苦しむネロ。


ある日の夜、そろそろ寝ようと思い自室へ向かおうとした時の事だった。
先に寝ているキリエの部屋の扉が微かに開いていたからそれを閉めようと思い、ドアノブに手をかけた時、彼女が俺の名を呼んだんだ。
……
俺はそれを聞いて、思わず固まってしまった。
寝言だろうと何だろうと、ただ、名前を呼ばれただけなのに……



ーーーーーーーーーー



「(……キリエ)」



幼馴染……いや、それ以上に、俺達は“家族”という関係でもある。
だからこそ近すぎるこの距離感で、曖昧な関係を何年も続けて来てしまったんだ。
ましてや、自分と同じくらいの年頃女性なんてキリエしか知らないようなもんだし、俺は長い間“恋愛感情”なんてものを知らずに過ごしていた。
いや、知っていたけど、あまりにも彼女と近すぎる距離感にいたため、心のどこかでこの気持ちを抑えていたんだ。
そうでもしないと、彼女に咄嗟に手を出してしまうだろう。
同じ家に住んでいて、いつも一緒にいるようなものだし、何かの拍子に理性が切れてしまえば、彼女を押し倒す事なんて容易いことだ。
しかし、彼女の気持ちだってある。
俺が無理矢理そんな事をしてしまえば、この家にはもちろん、俺はこの街……フォルトゥナにさえ居れなくなるだろう。

そんな事は、もちろん嫌だ。

それなら、この先ずっとこの感情を抑えて、想いが伝わらなくても彼女の側にいたい。
“家族”として……

……っ」

それでいいんだ……
その方が、俺も彼女も……

「っぁあ……

そう思っているのに、どうしてこんなにも苦しくなるんだ……

「っ……キリエ……

俺は、君の事……

「ん……

そんな時、不意に彼女の部屋の扉の隙間から聞こえてくる寝声。
俺はそれを聞いたあと、抑えきれなくなった欲望を吐き出すため、自身の部屋へと戻って行った……







END






(君を想い浮かべながら、君への罪悪感を募らせる日々……)