癒羽琉(ユウル)/由羽(ユウ)
2017-10-26 23:30:34
2482文字
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後悔の先には……

ネロはどこでクレドを失った悲しみを吐き出したのかな……って。

かなり単調にまとめた(*_*)


……ダンテ」 
「ん?あ……何だお前か。ハハ、随分と慌てたお客さんだな」 
フォルトゥナで起こったあの事件から数日経ったある日の午後、ネロが息を切らしながら突然ダンテの事務所にやって来た。 

「久しぶり……いや、そうでもないか」
……先日は、看板どうも」
「ん?あぁ……あれか。別に気にすんな」
そういえばそんな物送りつけたなと、ダンテは軽く笑った。
……
そんなダンテとは逆に、ネロの様子がどこかおかしかった。
「で、何の用だ?坊や……」 
……」 
「ん?」 
坊やと呼べばいつもは反抗して来るはずのネロだが、ただ黙り続けているだけだった。 
そんなネロの様子にダンテは何かを察し、ネロの元へと近づいた。 
「おい、今度は何があったんだ?」 
……別に」 
「嘘つけ。何もないのに、そんな様子で俺のとこ来るか?」 
ダンテがそう言うと、ネロは俯いてしまった。 
「何だよ、坊やらしくないんじゃないか?」
……
「まぁ、言いたくないなら別にいいけどな」 
そう言うとダンテは、ネロの肩をポンと叩き、事務所を出ていこうとした。 
……!ぁ……」 
しかしその時、ネロはダンテに何か言いたげな感じの態度を示し、ダンテを引き止めようとした。 
その様子に気付いたのか、ダンテはネロの方を振り返った。
……どうした?」
……あの、ダンテ……」 
「ん?」 
ようやく言葉を発したかと思い、ダンテはネロの顔を覗き込んでみた。 
……っ」
ネロの表情は、今にも泣きそうなくらい曇っていた。 
「おいおい、どうしたネロ」 
ダンテが“ネロ”と呼ぶときは、冗談や冷やかしの欠片もなく呼び掛ける時だ。 
それくらい、ネロの様子はおかしかった。 
「ダンテ……」 
ネロは、ダンテが自分に対して真剣な態度で向き合ってくれる事を確信すると、ゆっくりと顔を上げダンテへと視線を向けた。 
そして、重たくなった唇を開いた。 
「キリエ…………」 
「キリエ……?あの嬢ちゃんのことか」 
……その、クレドの話になって」 
「クレド……?あぁ、その嬢ちゃんの兄貴だっけか」
……あぁ」
「で、そのクレドの話になってどうしたんだ?何があった?」 
ダンテがそう言うと、ネロは再び俯いてしまった。 
……
そんな様子のネロに、ダンテはネロがキリエとどんな会話をし何があったかなど、大体の事を察した。 
何せあの時……とダンテが思い出そうとする前に、ネロが話し始めた。
「俺が、クレドを助けられなかったこと……とか、あの時の出来事を聞かれたから、それをキリエに話したんだ。そしたらキリエ、何も言わずにただ微笑んで……」 
……あの嬢ちゃんは、優しいだろうからな」 
「それで、「ネロは何も気にしなくていいのよ」って………………暫くしたら、キリエの部屋から…………泣いてる声が聞こえて、それで……」 
……分かった。もういい」 
ダンテはまだ色々と言いたげな感じのネロの言葉を遮ると、ネロから視線を外した。
というのも、これ以上ネロに話を続けさせると、ネロは自分をただ攻めるだけになってしまうと思ったからだった。 
しかしネロは、頭の中で渦巻いている感情を言葉にしないと気が済まないくらいに心が苦しかった。
……っ!だって、俺が……俺があの時……!」 
「だからって、今更どうこう言っても仕方ないだろ」 
「なっ……!そんな言い方あるかよ!っ……クソ……!」 
ネロは、ダンテの言葉によって一気に機嫌を損ねてしまった。
「アンタのその投げやりな態度、マジで気に食わねぇ……
……それはすまなかったな」
しかしダンテは、決してあの時の事を投げやりにしようと思って言った訳ではなかった。 

ダンテ自身も過去に自分の家族、
双子の兄を救えなかったことがあり、今のネロの用に自分をただ攻め続け、後悔ばかりの日々を過ごしていた。 
そんな自分とネロを重ねたからこそ、 後悔ばかりの日々を過ごさずに、前向きに生きてほしいと願っての事だった。 
しかし、そんなダンテの想いを知らないネロは、怒りや悲しみなどの感情からか、拳をギュッと強く握りしめた。
指の間からは、血が微かに滲んでいた。
それを見たダンテはやれやれと思いつつ、ネロを落ち着かせようと再び話始めた。
「なぁ、 ネロ」 
「っ……なんだよ……」 
「1つだけ……聞いてくれ」 
ダンテのその言葉に、八つ当たりをしてると分かりつつもネロは怒りを露にした表情をダンテに向けて歯向かおうとした。
しかし、どこか悲しげな表情を浮かべたダンテが目の前に飛び込んで来た瞬間、ネロは思わず固まってしまった。
……
「ネロ……頼むから、聞いてくれ」
……分かったよ」
一瞬機嫌を損ねたネロだが、どこか諦めたように溜め息をつくと、少しばかり怠そうな態度を見せながらダンテの言葉に耳を傾けた。 
……あの事件の事、気にしてしまうのはしょうがないと思うが……お前は何も悪くない。だから……自分を攻めるな」 
……」 
「それにアイツ、クレドだったか……。何の未練も無さそうに俺に託したんだぜ?「キリエとネロを救ってくれ」って」 
ダンテはそう言うと、ネロの肩に手を置いた。
「自分がもう助からないと分かってたからこそ……お前たちを心の底から救いたかったからこそ……
……
 「上手く言えないが、これからの二人の幸せを願ってるぜ……きっと」 
「ダンテ……」 
ネロはダンテのその言葉に、少しだけ苦しみから開放された気分になった。

だが……

「しかし、兄貴ってのは……どうして黙っていなくなるんだろうな……」 
ダンテのその言葉によって、ネロは今までずっと溜め込んでいた想いが一気に込み上げてきた。
………………ぁぁ……」 
「泣きたいだけ、泣けばいいさ」 



そう言われた瞬間、ネロは生まれて初めて大声をあげて泣いた。
 


END



(傷とはなかなか癒えないもの)