癒羽琉(ユウル)/由羽(ユウ)
2017-05-26 21:11:50
936文字
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月光-Blue Moon-

3ダンバジ。腐ってはない。
3ンテ視点。
バージルを失ってからしばらく経った頃。
短文。

……今夜は月が綺麗だな」
窓から見える青白く光る月を見て、俺は思わずそう呟いた。



ーーーーーーーーーー



ー泣いてるの?

ー雨だよ



ーーーーーーーーーー



あれから数ヵ月の時が経った。
何であの時涙が出てきたのか俺は今でも分からなかったが、恐らく、たった一人の家族を失った悲しみ、救えなかった悔しさがあったのだろう。
普段はそんな事、考えたりもしないのに、たまにふと思い出してしまう事があり、その度に俺は一人で感傷に浸るばかりであった。
「バージル……
そんな時、不意に呼びたくなるアイツの名前。
あんなに散々殺し合いをしていたくせに。
生きていた時はただ、アイツが気に入らなくて。
それなのに……
……ハハ」
こんなにも、お前の存在が俺の中で大きかったとはな。
……
失ってから気付くなんて、なんて人間は愚かなのだろうか。
「って、俺……半分は人間じゃないか」
しかし、そう呟いた直後、あの時レディが言ってた事を思い出した。



家族のために涙を流す悪魔もいるのかも
そう思わない?



……。“家族”のために…………
家族って何なのだろうか。
俺はそんなこと考えたりせずに、毎日をただ……何となく生きてきた。
依頼の電話があればその依頼をこなし、目の前に悪魔が現れれば蹴散らしていく。
そんな日々をずっと過ごしてきた。
もちろん、アイツ……バージルがいなくなってからも。
それなのに、何故こんなにも時々苦しくなってしまうのだろう。
あれから随分と時間は経ったはずなのに。
俺の中では、ずっとあの時のまま、時間が動いていなかった。
「なぁ、バージル……
この悲しみや苦しみが、家族への愛ってやつなのか……
……っ」
あの時に戻りたい。
戻って、どんな手を使ってでも、アイツを……
バージルを連れ戻したい。



だけど……
そんなこと……



「なぁ……



バージル……



「何でいなくなったんだよ……



どんなに嘆いても、どんなに泣いても……何も変わらない。

ただ、事務所の窓から覗く青白い月が、俺を照らし続けるだけだった。




「Devils never cry……




END