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三毛田
2025-09-21 22:02:32
1072文字
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1000字5
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22 022. 片想いであることの利点
22日目
あったはずなのに、逃がしてもらえなくなった
こんな痛くて、苦しくて、辛い気持ちならば抱かないほうがよかった。
でも、そうでなかったら、彼のことをもっとよく知ろうとか、恋した人間が取る行動に関して興味を持つことはなかっただろう。
主に動物の繁殖に関する論文や、種族によってアプローチが変わるとか。そういう事も一緒に調べるようになり。
「
……
〝人〟と称される種族や、人と同じ見た目であれば大体同じということか」
動物の繁殖期は、別名恋の季節。そう呼ばれることが多く。
まあ、種の存続に関わることだから欲に直結していてもおかしくない。
逆に、人は恋や愛が必ずしも欲に直結しているわけではないという。
「本当なのだろうか」
「ってわけで俺のところに来たの? 俺って参考になる?」
疑問を抱いてすぐ、穹の元へ。
意識さえしなければ、平気だろう。多分。
「俺よりは平均的な〝人間〟だからな」
「あー
……
うーん
……
」
「なんだ。違うのか?」
今更ながらの問題。
俺のこの、彼へと抱く感情が本当に〝恋〟であるのかすら怪しい。
「それを言うと、丹恒だってそうじゃない?」
「
……
」
姿こそ彼と同じであるものの、俺は持明族で。更には、外に出るまでの年月を他の人々から隔絶されて成長した。
だからこそ、〝正解〟がわからない。
「丹恒?」
「正しい答えが、わからなくて少し考えていた」
「正しいか、そうじゃないかって大事な事?」
「疑問に対する答えは、比較的正確でなくてはならないだろう」
「でもさ、答えは一つとは限らないだろ?」
右に曲げた首を、左へと曲げるという動きをし、俺をしっかりと見つめる。
「そう、かもしれないな」
列車に招かれ、ここで生活するようになり。ようやく気持ちも生活も落ち着いて。
学者として、論文を書いて提出する過程で、必ずしも答えは一つではないと知っている。
知っているからこそ、彼に指摘されたのがちょっと悔しい。
「丹恒、拗ねた?」
「
……
だったら、どうする」
「え~? 可愛いなって」
ニカッと笑う穹に、心臓が跳ねて。
片想いだからこそ、これを知られずに自分の中で思い出として閉じ込められる。そう考えたら、悪くないかも。
そう思っていたのに。
「可愛いから、キスしたいし食べちゃいたい」
「ぇ」
熱を孕んだ声が耳元から聞こえ、反応が遅れた。
「丹恒、逃げるなよ」
舌なめずりしながら、俺の背中と腰に腕を回し。
「好きだ、丹恒」
黄金色の瞳を細めながら。
逃げようとしても、しっかりと掴まれていて動けない。
「き、穹。離してくれっ」
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