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三毛田
2025-09-20 22:06:58
1071文字
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1000字5
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21 021. 好きと言ったらどうなる?
21日目
振り回されてそれどころじゃなくなった
好きだと伝えたら、彼はどんな表情を浮かべるのだろうか。
落胆? 嫌悪? 拒絶?
すぐに否定的な感情ばかりを羅列してしまうのは、暗く冷たく寒い場所にいた時間が長いせいでもあるのだろう。
素直に好意を口にすることが難しいと気付いたのは、そんな考えをしてすぐのことだった。
「ん~! 美味しい! 流石、パム! 俺、この味好きだな」
フォークに刺したチキンをフライにしたもの
――
骨付きだったので、綺麗に骨を外したもの
――
を口いっぱいに頬張り、それをきちんと咀嚼して飲み込んでから穹は笑顔で告げる。
「そうじゃろう、そうじゃろう」
パムは嬉しそうににこにこと笑いながら、胸を張って。
「ん。確かに、美味いな」
これは、骨から外さないのであればそのままかぶりつくのがいいと聞いていたので、俺はそのまま食べているが。
「美味しい~! 穹、唇の端についてるよ」
「どこどこ?」
三月に指摘されて、乱暴に口元を擦って。だが、雑に擦っているため取れていない。
「穹、擦るな。今取ってやる」
指先は油でべとべとなので、紙ナプキンでそっと拭う。
「ありがとう、丹恒!」
「どういたしまして」
美味しいものへ、簡単に好きだと口い出来る彼が羨ましい。
好意と、食べ物への好きとは全く違うとわかっているが。
「丹恒。今日はどこかに出かけるか?」
「今のところ予定は全く決まっていない」
「じゃあ、俺の用事に付き合ってもらえたら、嬉しい」
「わかった。ラウンジに集合でいいか?」
「うん! ありがとう」
「ふたりとも、列車を降りてどこかに行くの?」
「そのつもり。留守番よろしく!」
普段ならば、三月からは文句の一つや二つ出てくるのに。
「今日は写真の整理する予定だったから、ゆっくりしてきなよ」
なんて口にし、デザートを食べ。それから俺の方をチラッと見てからウインク。
彼女は、気づいている。俺が、穹を好きであることを。
それでいて、何も言わない。
三月なのに気が利くなと思いながら、俺も今日のデザートを口にした。
「とうちゃーく!」
穹に手を引かれ、たどり着いた場所は、現在物資補給のために停泊中の星。そこにあるブティック。
「何か買うのか」
「昨日来たらお前に似合いそうなものがあったから、買いに来た。これ!」
と、セットになっているシャツとジャケットを渡され。試着室に押し込まれる。
「これでいいのか」
「うん、最高! 好き!」
体をくねらせながら告げられても、嬉しくない。という言葉は、辛うじて飲み込む。
なんなんだ。
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