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アキ
2025-09-20 21:26:41
1412文字
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いちゃついてるアゼエメ
報告書を手伝って欲しいと泣きついてきたアゼムに文句を言いながら、
私の執務室で二人黙々とペンを走らせている。
時折アゼムに記載内容を確認しているが、それ以外は黙っている。
やっと一息ついたと顔を上げると、既に陽は沈んでいる。
明日は休息日だし、こんな時間まで残っている者は少ないだろう。
ちらりとアゼムの状況を確認すると、こちらもそろそろキリが良さそうだ。
「そろそろ休憩するか。何か食事を持ってこよう。腹が減った」
一つ伸びをして立ち上がろうとすると、アゼムの視線に気づいた。
「なんだ」
「えっ、いや、なんでもない」
明らかになにかを隠している。視線をすぐに反らした。
「隠すな、はっきり言え」
「
……
いやぁ、その」
「早くしろ」
「
……
キスしたいなぁ、って思ったんだ」
アゼムの言葉に、口を開こうとした瞬間アゼムの手が私の口を塞いだ。
「でも、それを言ったらお前は
『はぁ?ここは執務室だぞ!何を考えてる、馬鹿アゼム』
『いつから十四の座は節操のない駄犬に変わったのだ?』
とか言いそうだから、黙ったんだよ!はい、終わり!」
確かにそのようなことを口にしそうになったが、
アゼムにこう言われるとなんともいえない気持ちになる。
私は『アゼムから彼の欲求を頭ごなしに否定する存在』と思われているのかと。
……
私自身素直じゃない性格であることは認めるが、
業務が既に終わり殆ど人の居ない執務室で恋人に口づけを請われれば、
……
悪い気はしないのだが。
「
……
キスだけじゃすまないだろうが」
「いや、俺だって理性はあるよ!?
こんな場所でハーデスを押し倒してあんなことやこんなことをするような!
そんな不埒なこと! 妄想しかしないよ!」
「妄想している時点で駄目だろう」
応接用のテーブルをはさみ、互いにソファーに座ったままくだらない話をしている。
けれども、この時間が嫌いじゃない。
溜息をついて、アゼムの書類を手繰り寄せる。
「何だよ」
「人に泣きついた割にはちゃんとやってたらしいな」
「そうだよ! チェックしたら終わり!」
「私もだ」
二人分の報告書をまとめると立ち上がり、デスクの引き出しに仕舞う。
「えっ、チェックはまだ」
「明日の朝でもできるだろう」
アゼムの座るソファーの横に立ち、ソファーに足を掛ける。
「お、えっ、は!?」
向かい合うようにアゼムの膝の上に腰を下ろす。
真っ赤になったアゼムが驚いたように私を見上げている。
指を鳴らして部屋の明かりを消した。
デスクの後ろはガラス張りになっており、アーモロートの夜の灯火だけが差し込んでいる。
「
……
腹が減った」
「えっ、あぁ、うん! 部屋に、戻る?」
「お前を食べたい」
軽く尻を揺らせばアゼムの足の間の兆しが硬さを帯びる。
赤くなった顔と、ギラついた瞳。困ったような眉が愛らしいと思った。
「お前に、食べられたい」
ぺろりと唇を舐めてみれば、喉仏が上下に動く。
「『私が』
……
キスだけじゃすまない」
アゼムは降参とばかりに両手を上げる。
「
……
第三の座はいつから『誘惑上手なかわいいにゃんこ』になったんだよォ
……
」
その両手に自分の手を重ねて、指を絡める。
「私はお前と違って、理性も良識もあるが」
唇を触れる直前で止めて囁いた。
「恋人に求められて、嬉しくない訳ではない」
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