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syanpon
2025-09-19 19:29:53
1425文字
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いくらなんでも飛ばし過ぎ!
オトスバ
現パロ
ナツキさんがキスを許してくれない。
告白が成功したとき、すぐにでも僕は彼とキスがしたかった。健全な男子高校生、当たり前だろう。
ただ、目の前でかわいそうな程に顔を赤くして、しまいには目尻に涙まで浮かべはじめたキャパオーバー寸前のナツキさんにキスをしましょうなんて追い打ちをかけるのは流石にかわいそうか、なんて仏心がでたのだ。
正直、僕もその時は有頂天になっていたし両想いの瞬間なんて人生で一回きりでいい最高の出来事を咀嚼するのにいっぱいいっぱいだったのだ。
「あの時さっさとキスしておけばよかった
…
」
付き合って一か月、僕とナツキさんはまだキスをしていない。
キスなんかしなくたって、肉体の関係がなくたって彼が自分の特別に収まってくれれば満足すると思っていたのだが。一つ願いが叶えば更に上の触れ合いを求めてしまうのが人間で、それはオットーにも当てはまっていた。
実際『そういう』雰囲気になったことはこの1ヶ月の間に何度もあった。しかし顔が近づいた時、視線が絡み合った時、逃がさないように両頬に手を添えるように肌を撫ぜた時。
そういう雰囲気をオットーが作り出した時、スバルは露骨に雰囲気を変えようと奇行にはしる。
満タンのカップを持ってお代わりを注ぎにいったり、オットーの眼鏡を鼻の下までずり下げたり、しまいには頭突きをかまされたこともある。あの時はちょっと泣いたしちょっとキレた。
ただ額まで真っ赤に染めて「もうちょっと待って」なんて言われてしまえば惚れた欲目、首輪をつけられた忠犬の如く待つしかできなかったのだ。
「でももう一ヶ月ですよ!?」
ちょっとっていったいどのくらいだよ、年頃の高校生が一か月も恋人の待ってを律儀に守ってるんだ。そろそろあっちが腹をくくるべきでは? あけすけに言ってしまえばキスなんて口と口をくっつけるだけの接触行為だ。そして流されやすいスバルの性格上、はじめの1回さえ突破してしまえば行ける気がしてきた。
「そもそもキスは待ってとかいうくせにあの人ぺたぺたぺたぺたくっつきすぎなんですよ〜!!!」
本当にしんどいのだ。色々と。
……
善は急げ、やっぱり今日あの人に腹を括ってもらおう。僕は連絡先の上部にある彼の連絡先をタップして電話をかける。
「オットー?」
「ナツキさん、土曜日にすみません。今日何かご予定とかありますか?」
「んやないけど。なにオットー俺に会いたくなっちゃったの?」
3コールほどででてくれた彼に伺えばうれしそうな声が聞こえてくる。あと多分ニヤニヤしているからかい声。
「はいそうです。あんたに会いたくなっちゃって」
「
……
お、おー。え、と、さあの」
――
あと、今日はあんたににキスしますからね。
彼の言葉を遮るように宣戦布告を打ち立てれば暫しの沈黙。画面はまだ通話中のままで通話を切られたわけではないようだ。
「ナツキさん?」
「
…………
あのさ」
「はい」
予告してやったのは僕の優しさであったのだがこうなると会ってから言えば良かったななんてほんの少し後悔していると電話越しにスバルの小さな声が聞こえる。
「何か言いました? ナツキさん」
「
……
明日まで、親いないんだけど」
どんがらがっしゃん!
椅子から転げ落ちてひっくり返った僕の騒音をスピーカー越しに聞いた恋人はそれはそれは楽しそうに笑うのだった。
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