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しれん
2025-09-18 21:14:17
563文字
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衾雪に眠る
心中っぽい話 in冬
「ふすまゆきにねむる」と読みます。
「私達、出会っちゃいけなかったんだろうね」
白くて冷たい褥に横たわり、君は笑う。
駆け落ちをするように喧騒から逃れ、枯れた木々と銀世界に囲まれた僕達は、疲れ果ててその場に倒れ込んでいた。
「
……
もう、このまま眠ってしまおうか」
そっと呟くと、君は何処か驚いた顔をした後、力無く吹き出した。
「そしたら私達、ずっと一緒にいられそうだね」
「
……
そうだね」
口の端を引き上げたけれど、笑っているように見えているだろうか。分からない。もう話している余裕すらあまり無い。それはきっと、君も同じなのだろう。
寒い。冷たい。もう君以外、視界に映るものはみんなぼやけてしまっている。自分から眠らなくたって、じきに瞼が下りてくるだろう。
「
……
大好きだよ」
悴む手を伸ばして君を抱き締める。といっても大した力は其所には無かった。震える指を制する事も、手を固く握る事も、もう出来なくなった。
「
……
私も」
君の腕が僕の背中に回される。嗚呼、温かい。
……
本当に温かい?
……
いや、今の僕、きっと君も、少しでも熱を持つものはみんな温かく感じる。
始めに望んだ形とは大きく乖離しているけれど、こんな風にでも君と一緒に眠れるなら──
「
……
おやすみ」
君に微笑み掛けて静かに目を閉じると、僕を抱く力が僅かに強まった気がした。
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