春野ツバサ
2025-09-13 23:27:20
2139文字
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気がつきゃゲゲゲ次回更新分チラ見せっ

支部にて投稿中の気がつきゃゲゲゲ。
第6話更新予定分の1部をチラ見せでございますっ。
次回更新は9月27日を予定しております。
今回はちょっと小休止ということで番外編。5話のお話を父から見たお話となっております。視点が変われば見方も変わるというやつですね。
書いていてわかるのですが父の1人称難し過ぎる……果たして予定日に間に合うのかどうなのか(待たんかい
よろしければ応援などしていただけるとありがたいななどと言っておきます(殴
無断転載及びAI学習はご遠慮くださいますようお願いします(礼

段々と東の空が白み始め、お化けがいきいきとする時間が終わりを告げようとしていた。ここからは、妖から人間の時間である。
お化けは朝は寝床でぐーぐーぐーが基本。これが平時であれば自分も例外なくそうしているところであろう。
しかし、今はそうとは言い難い状況。朝寝を決め込んでいる余裕はない。
昨夜この者からは明日、つまりは今日人里へと連れて行けとしか言われていない。しかしのんびりしていても良いことはないだろう。動くなら早いに越したことはない――はずなんじゃが。
肝心要の此奴が全く起きる気配がない。儂自身、寝すぎだとよく妻からも言われたが、此奴はそれ以上かもしれん。
「いつまで寝ておる」
声をかけるがしかし、相手が起きる気配はない。結局あれから一度も起きることはなかった。外であるというのにここまで深く眠りこむとは逆に感心する。やはり図太い性根のようじゃ。
……ほぱー……?」
どうしたものかと悩んでいると、聞き慣れた声が聞こえてきた。此奴と共に眠りについていた式神のような存在である。此奴はこの子を「ダチ」と言っていたが、そのような言葉に聞き覚えがないゆえ未だによく分からん。
「ふむ。起きたかの」
「ほっぱっ」
昨晩は些か己に対して警戒した態度であったのにそれが若干軟化している。話をしたのが良かったんじゃろうか。
「お主の主人が一向に起きる様子ないんじゃが、何か起こす方法は知らんかのう?」
「ほぱぁー……
尋ねれば、何やら呆れた声を出された。儂に対してなのかそれとも此奴に対してなのかはわからぬが。
「ほっぱ。ほーぱー」
虫の子は此奴をゆすって起こそうと試みるも、くぐもった声があがるだけで起きる気配はない。
此奴、どんだけ寝坊助なんじゃ。
……ほー……っぱっっ!!」
「ふぐっ」
虫の子も業を煮やしたのか蛙のように数回高く跳ねたかと思うと、そのまま此奴の腹へと着地した。これには流石に寝ていられなかったのか、もぞり、と動いてしばらくして、のっそりとようやく起き上がった。
……んー……もぅ……その起こし方は勘弁してって言ってるでしょ?」
「ほっぱぁっ」
此奴の言葉に虫の子が抗議するように跳ねる。
「お主が起きてこんからじゃろ」
……もしやこの子は、こうやって此奴を起こす為に共に眠っておったのか?
……あー。おはようございます?」
何故疑問なのか。まぁ、それはいい。
「起きたのならば行くぞ」
そう宣言すれば。寝ぼけ眼な様子からきょとりとした表情をした。まさか、昨日の言葉を忘れているのか此奴。己が頼んで来たことじゃというのに!?
些かむっときたんで意趣返しも含めて此奴を肩へと担ぎ上げる。背負っても良かったが、なんとなくからかいたくなった。
流石に唐突過ぎたか、担いだ瞬間にうわっ、と声が上がる。
「ちょ、荷物荷物っ。トランクは持っていってくださいっ」
そのまま歩き出そうとしたところで、止められた。
「何が入っとるんじゃこれは」
「命の次に大事なものですっっ」
……承知」
真剣な表情で言うものだから無碍にはできなかった。まぁ、それ程重たいものでもなかったし持って行くのは別に構わない。
此奴を担いでいる反対側の空いた手で荷物を持つ。準備ができたところで思いきり地を蹴って、幽世を後にした。移動の最中、肩からなにやらわーわー騒ぐ声が聞こえてきたが、聞こえぬふりをした。

――中略――

気配を頼りにからころと足を動かす。ヒトが暮らす場所故にやはりというか、ヒトの数が多い。かつて妻共に暮らしていた場所程ではないが、人里での暮らし経験が短い己にとってはやはり慣れない。
と、聞き覚えのある声がする。
視線の先に見覚えのある姿を見つけた。
おそらく聞き込みというやつなのだろう。なにやら弾んだ雰囲気で会話に花を咲かせていた。邪魔するのもよろしくないだろうとしばし様子を見る。例の村の話は早々に。会話はあらぬ方向へとそれていった。話が進んでいくうちに、気付く。相手の視線に邪な感情が宿っていくのを。
話の流れからどうやらあの者は本来の素性を偽っているようじゃが、性別は関係ないのか、相手の顔つきは時間と共にどんどん宜しくない方向へと変わっていく。
あやつ、気付いておらぬのか?
相手は明らかに下心を抱いている様子であるというのに。浮かべた笑みが崩れる様子がない。そして、相手の手があの者に伸びようとしていた。
別にあの者がどのような目にあっても興味はない。であるはずなのに。
気付けば、此奴の腕を掴んで引き寄せていた。

「なんでいるんです?」

きょとりとこちらを見上げるその表情。成程確かに人目を惹きつける様相だと理解した。
「お前さんが言ったんじゃろ。話を聞き終えたら合流じゃと」
答えつつ、不埒者に視線を送る。威圧したつもりはないが目が合った瞬間、怯えた表情を見せた。
そしてそのまま去っていく相手。
「仕事の邪魔をされると困るのですが」
適当に惚けてみたら。何やら諦めた様子でもういいと言われた。
かと思ったら。
「あでっ」
くるりと振り返って額になにやら衝撃来た。指で弾かれたらしい。
「何するんじゃぁ」
「八つ当たり。」

「愛いのう」