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ジルク
2025-09-13 21:11:36
1208文字
Public
佐越(RESUME)
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成人式前夜
RESUMEのNPCが出てくるけど別にネタバレではない/BL注意
佐城雅彦(20)×越智保生(33)
「二次会、本当に行かなくて良かったのか」
何度目かわからない質問を保生さんが口にする。
「だから言ってるじゃないっすか。仲良かった奴らが来れなかったんで一次会だけでやめてきたって」
「でも、同窓会なんだ、積もる話もあっただろう?」
空いた保生さんのお猪口へ少しぬるくなった日本酒を注ぎながら、俺は答える。
「ろくに交流のなかった同級生と話すより、保生さんと飲んでみたかったんです。それに父さんとは俺の誕生日に一緒に飲みました。今日くらい付き合ってくれたっていいじゃないっすか。成人祝ってくれるんでしょう?」
思ったより口が回る。ちょっとペースが早かったか、と一口水を飲んだ。
「それなら、良いんだが。前途ある若者の邪魔をしたら悪いだろう?」
「今日はその若者の我が儘で来てるんです」
真っ直ぐ保生さんの目を見れば、彼は仕方ないなとでも言うようにため息をついた。
「保生さんだってそんなに言うほどの年齢じゃないじゃないっすか」
「20歳と比べたら33なんて十分おじさんだよ」
「俺にとってはいくつだろうが“兄ちゃん”っすよ」
そうかな、と笑う彼の顔をまじまじと見る。年齢にしてはハリのない肌は、数年前久し振りに会ったときからあまり変わらない。幼い頃に遊んでくれた保生さんは格好いいお兄さんで、老け込んだ姿を見たときは驚いた。忙しかったという前職のストレスが、今でも彼の顔に残っているように見える。
「保生さんは最近どうなんすか。また働きすぎたりしてないですよね」
「ああ、お陰様でのんびりやってるよ。新しい職場も大分慣れてきたしね」
「それなら良いんですけど」
「お前はどうなんだ?好きな女の子はできたか」
思わず噎せそうになる。
「いるように見えますか?」
軽く睨みながら答えれば、保生さんはふ、と柔らかく笑った。
「お前、大学生のうちが一番出会いに恵まれてるんだからな。今のうちに彼女作っておかないと婚期逃すぞ」
「保生さんに言われたくないっす」
「俺はもう良いんだよ」
少し寂しげにこちらを見る瞳に、胸の奥を掴まれたような感覚に陥る。
(俺がずっと一緒にいましょうか?)
零れそうになった言葉を飲み込む。この気持ちは冗談にしたくないし、されたくない。口に出すのは、きっと、まだ早い。
「あー、すまない、一本吸ってもいいか」
胸ポケットから煙草を取り出した保生さんが尋ねてくる。
「気にしませんよ。どうぞ」
すまないね、と流れる動作で煙草に火を付ける様子を見守る。
保生さんが煙草を吸っているのを初めて見たのは、数年前のことだ。まだ高校生だった俺には、その姿が妙に大人びて見えたことを未だに覚えている。
「
……
どうかしたか?」
「いや、なんでも」
保生さんの手元にある煙草の箱を見る。白いパッケージの、マルボロ
……
と読むのだろうか。
帰ったら買ってみよう。
素直に吸ってみたいとは言えず、そう考えたのだった。
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