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ぽふむん
2025-09-13 22:55:00
1668文字
Public
ワンドロ
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指切りげんまん
#童しの版深夜の真剣物書き60分一本勝負
「匂わせ」「立ち聞き」
氷柱if
任務中に怪我をし、臨時に立ち寄った極楽教裏口での出来事です。
早朝の掃除中の新入り信者の噂話を立ち聞きしてしまったしのぶちゃんです。
指切りげんまん……本来は遊女と客の心証立ての歌ですよね
DNA親子確定検査なんてまだない時代に、気が早って愚かなほのめかしをした童磨パパ
針千本飲まされちゃいました
箒が庭をはき清める音、そして男二人の話し声がする。
その声は、聴き馴染みのあるものではない。
植え込みの陰から伺って見れば、案の定。
いずれも新参の信者のようだ。
なぜよりにもよってこんな日に。
しのぶは天を仰いだ。
古参の出家信者であったのならば話は早い。
ここの教祖の副業と、しのぶについて誰もが知っているからだ。
でも、新入りとなると話が違う。
今のしのぶの姿は驚かせてしまうに決まっている。
しのぶは肩から滲んできた血を抑えながら身を潜めた。
応急処置をしたのだが傷が開いてしまったようだ。
早く再処置を施し、少し体を休めたい。
出血と疲れで呼吸が荒くなる
事前にこの屋敷の当主を呼びに鴉を飛ばした。
時期に来てくれるだろう。
しのぶは、まだ何も知らないであろう新参信者を驚かせないよう身を潜めながら会話を立ち聞きすることとなった。
殊の外二人は働き者のようで、口を動かしながらも手も休めることはしない。
せっせと掃除しながら教祖の噂話をしていた。
────────────
「噂にはかねがね聞いていたが、ここの教祖様は随分お若いなぁ。まぁ歳食ってりゃ良いって訳でもないんだけどさ」
「んだなぁ。おらたちのように身上を潰したどうしようもないもんも、分け隔てなく受け入れてくださる」
「オラ達の居場所を作ってくださってるんだ。そんだけでもありがてえわな」
「しかし
……
教祖様には親は居ねぇのかい?」
「ああぁ、知らねぇのか。死んじまったんだとよ。先代。女房に刺されて」
「ひぇぇ
……
そりゃあまたなんで」
「聞いた話だがよ。先代の女房
……
元花魁らしい。先代に身請けされ女房に落ち着いたらしい」
「ほーん」
「身ごもっていたもんで、そのまんま産ませてやって、その子が現教祖様らしい」
「ん?なんだ
……
ってことは現教祖様は先代の子じゃないかもしれないってのかい?」
「先代にとっちゃそんなこたァどうでも良かったらしい。神性とやらが高かったらしいぜ?」
「ふーん」
「でも、風向きが変わったのが、現教祖様が七つの時。他所の女を孕ませ子を産ませちまったと仄めかしたらしい」
「腹違いの妹か
……
」
「普通の寺なら別に良かったんだ。ここの宗派は違う。女
……
処女の方が神性が高いんだと。男より女の方が神の御子にはいいんだと神性のより高い娘がいる。客を取るようになる前に引き取ろうと言い出した」
「おいおい、まさか同じ遊女の産んだ子かよ」
「んだ、しかもよ、花魁時代に面倒を見て世話してやっていた女に手を出してたらしい」
「う
……
わぁ」
「堅気の女に寝盗られたなら仕方ない。よりにもよって、後輩の花魁に取られた。しかも我が子の立場まで奪われる
……
そりゃあ、おかんむりよ」
「
……
」
「女房は守刀を引き抜いて大暴れ。滅多刺しにして先代を殺した。
……
でもよ
……
発狂した女って奴ァ浅はかだねぇ。どこまで理解してたかは知らないが、話も聞かれていれば、現場も我が子に見せちまったんだとよ」
─────────────────
吐き気がするのは、下世話な噂話のせいか怪我のせいか。
目が回る
その時だ
「うわぁ
……
傷開いちゃったんだね。痛そう。可哀想に。もう大丈夫だよ」
背後から涼し気な声がした。
そしてふわりと抱き上げられた。
「ひぃ?教祖様?」
今まで噂話をしていた信者達はびっくり仰天。
今まで隠れていたことに気づいてすらいなかった少女の姿にも驚く。
「そ
……
その娘 、どこから
……
ひぃっ酷い怪我だ
……
」
童磨の腕の中で顔面蒼白のしのぶを指さし口をぱくぱくさせていた。
「あ、大丈夫大丈夫。俺の奥さんなんだぁ🎶さ、早く手当しないと破傷風になっちゃう。急がなきゃ」
誰がお前の奥さんだと反論する元気も今のしのぶにはない。
今はただ、童磨に身を委ねることしか出来なかった。
童磨は陽気に笑うと、背後に控えていた神山に事後処理を申しつけ歩を進めた。
「今聞いたことは忘れていいよ」
童磨は小さくしのぶに囁いた。
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