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ぶんどき
2025-09-11 10:12:41
1145文字
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TRPG
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駆け引きと罠
アンダーテリング 現行未通過❌
若かりし頃の永田のやらかし話
これはまだ、永田が『Bar Polaris』のマスターに出会う前の話、駆け出しの情報屋さんだった頃の話。
*
十代の半ば頃、ようやく情報屋として教団内で上手く立ち回るコツを覚えた。ガキだなんだのって油断した大人達は案外簡単に口を割ってくれたのだ。
幼少期に教えてもらえなかった外の世界は自分の常識を覆すことばかりだった。そして自分が当たり前だと思っていたことは一般常識から外れているということも知った。アングラな世界を渡り歩いて、情報屋としての自分を売り込むために時には危険な仕事もした。ヤバい組織から別のヤバい組織の情報持ってこいなんて頼まれた時は、上手くいってもいかなくてもこれ命の危機に晒されるんじゃねぇかと悟った。
"情報"という形のないものを巡った駆け引きは非常に難しい。ハニートラップを仕掛けたつもりが仕掛けられていたこともある。嘘か本当かわからない言葉の応酬の中から真実を見抜くことの難しかったらない。相手が一般人ならまだしも裏社会の人間は皆、警戒心が強く簡単には情報を落としてくれない。
しかし、若さ故か案外自分は可愛がられるのが上手いようで、少し困ったように声をかければ特に年上の女性の懐には潜りやすかった。
「な、おねーさん、ちょっと話聞きたいんだけどいい?」
「え、メシ奢ってくれんの、ラッキー」
愛嬌を振りまく。こうやって人との関わりを作っていく。ついでに美味い食事にもありつけた。会話を弾ませるのは得意だった。
その後なりゆきで入ったホテルの一室で彼女は目を細めて笑った。
「それで、情報屋さんが私にどんなご用?」
「
……
げ、バレてたのかよ」
「まあね。でも、あなたのこと気に入ったから知りたいこと教えてあげる」
「えぇ〜
……
マジ?」
半信半疑で話に乗るとその女性は有益な情報をいくつも提供してくれた。タダほど怖いものはない。このあと何をどれだけ請求されるのか身構えていたが、一晩相手するだけでいいと言われた。それくらないならまあ、と了承すると彼女は「若い男の子が好きなの」とキスをせがんだ。
結論から言おう。
──してやられた。
自分よりも彼女の方が一枚上手だったのだ。
どこかの組織のスパイなのか愉快犯なのかはわからない。ただ、彼女と別れたあとスマホがウイルス感染して使い物にならなくなった。ある程度はバックアップがあったため命拾いをしたが、復旧できないものもある。彼女から手に入れた情報のうちのいくつかは完全に破損した。
重い足を引きずって取引先に事の経緯を説明したら盛大に笑いものにされただけで済んだのが不幸中の幸いだ。若いねぇ、ま、そういうこともあるよ、と笑いながら肩を叩かれたのだった。
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