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roku
2025-09-11 08:38:53
1855文字
Public
松エジ
桜餅は苦手です!【松エジ】
ククvol.2で書いた話
pixivから移動(2025.4.12掲載)
最近CMでよく目にするようになった“さくら味”
今や春といえばの代表格となっている。
松本の同僚は、待ってましたと言わんばかりにさくら味のドーナツやチョコレート、ドリンクなどを食している。以前ひとつあげると言われて貰ったが、何がおいしいのかがわからなかった。
「これ撮影の差し入れでもらったんすよ。なんでもすげー有名な老舗和菓子店の桜餅だって」
そう言いながら沢北が紙袋から取り出したのは今の季節を思わせる桜の花びらが描かれたピンクの箱。
「初めて知ったんすけど、関東と関西で違うらしくて食べ比べてって言われました」
「桜餅か
…
」
松本は先日同僚にもらったさくら味のお菓子の味を思い出し、何とも言えない感情になる。
「あれ?嫌いっすか?」
「まぁ、好きではねぇな」
「えー!あんこ好きじゃなかったっすか?」
確かに沢北の言う通り、松本は洋菓子より和菓子派だし、疲れた時に摂取する甘い物は決まってあんこが入ったお菓子だった。
「ああ。でも桜餅の葉の塩気がどうも苦手でな」
あとさくら味の良さがわからん。と付け加えると、「それオレもなんすよね!!」と顔を綻ばせる。
どうやら沢北もさくら味が苦手なようだった。
「でもせっかくもらったのに食べないのは申し訳ねぇし
…
」
「そうなんすよ。あと、感想聞かれたら困るんで一応食べますね」
どうせ食べるならと松本は湯を沸かしお茶を準備する。キッチンに立つ松本を眺めながら沢北は「あ!」と声を漏らした。
「どうした?」
「これ、口移しで食べたら美味しくなるってことないですか?」
「
……
はぁ!?」
沢北の何ともくだらない提案に松本の口から素っ頓狂な声が出る。
「あーん、ってしてもらったらしあわせな気分になるじゃないっすか?それよりも上のやつです!」
アーモンドアイをきらきらさせる沢北は、頭に耳が、お尻には尻尾が生えたみたいで、その姿は大型犬さながらだ。
「どうなってもしらねぇからな」
「ん?何か言いました?」
「いや。とりあえず試してみるか」
お茶を入れた松本は関東風の桜餅を口に入れ沢北の後頭部を捉えた。そのまま舌を挿し入れ沢北の口へと半分だけ押し込んでやる。
「どうだ?」
沢北は口の中の桜餅を咀嚼しキュッと眉毛を寄せた。
「
………
桜餅の味がする
…
」
「まぁそうだろうな」
続けて関西風の桜餅も同じようにしてやれば「ご飯みたいにつぶつぶしてるのに甘くてやだ!!」とお茶で流し込んだ。
「ふっ
…
ははっ!美味しくならなくて残念だったな」
松本は自身の口の中に残った桜餅を飲み込むと、「ほら、次はお前の番だろ」と沢北を促す。
「オレもするんすか!?どーせ桜餅の味っよ!?」
「お前が言ったんだろ?口移しで食べると美味しくなるかもって」
「言いましたし、だからしてくれたんでしょ!結果桜餅だったんですってば!!」
「それはお前の感想だろ?オレはしたけどされてねぇし違うかもしれねぇだろ」
箱に入った桜餅を手に取り沢北の口元へ持っていく。
「わかった!わかりましたよ!すればいーんでしょ!!」
半ば投げやりに口に入れ松本に顔を近づけたが、自分が言い出したことであるのに、いざとなると恥ずかしいのか寸前でぴたりと動きを止めた。
「どうした?」
「いや
…
何か
…
緊張して
……
」
ふっと笑った松本は沢北の唇を奪う。ほら、と言わんばかりに口を開け沢北の動きを待っている。観念した沢北は舌に乗せたままの桜餅を松本の口へと移せば舌ごと絡め取られてしまった。
「
……
んんっ!」
驚いた沢北は松本の腕をバシバシと叩く。松本は桜餅を咀嚼飲み込み「桜餅だな」と当たり前のことを口にした。
「だから言ったじゃん!オレの感想と何も違わねーし!どさくさで舌絡めてくるし最低なんですけど!?」
騒がしく文句を吐き出す口をもう一度唇で塞げば、何だかんだ言いながら受け入れてしまう沢北。松本は沢北自身を味わうように隅から隅まで執拗に舌を這わす。
「ん
…
っ
……
」
漏れる吐息に上がっていく熱。
混ざり合う唾液はほんのり甘くてしょっぱい。
「
……
松本さん」
「ん?」
「残りどうします?」
視線をテーブルの上の桜餅に移す。
「もったいねぇから沢北食べたあとに食べることにする」
「えっ?あ、うわぁっ!!」
呆気なく押し倒され声を上げる。
「油断しすぎ」
フッと口角を上げ笑う松本の瞳は雄の色を宿し沢北を捉えている。
沢北は覆いかぶさる松本に抵抗を示すはずもなく、その首に腕をかけ、その足を腰に巻きつけた。
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