あんころ
2025-09-09 23:45:33
7933文字
Public 伊奈スレ
 

Fateぱろ短いの詰め

Fateパロ?の短いの×3つ。どれも伊奈スレだけど別時空の話です。友愛か親愛か恋愛か、何かしらの愛があります。
FateはufoアニメのZeroとSNとFGOトラオムまでしか知りません!!解釈曖昧ですごめん!!SNアーチャーとランサーが好きです!!Fateパロいっぱい見たいです。英霊ってかっこい~!!

1

 アルドノアは無尽蔵のエネルギーを供給できるけれど、万能ではない。あくまでただのエネルギー源、システムの根幹に過ぎず、それだけでは何も成せないガラクタだった。火星生まれのソレは、特に魔術と相性が悪い。魔力の流れを乱す。何世代にもわたる研究によって成熟した魔術師が手にしてようやく使い物になるようなモノだった。
 俺には、それでは意味がなかった。
 だから、アルドノアをもとにして願望器を作ることにした。幸いなことに儀式に相応しい土地に目星はついていたし、召喚に必要な魔力はアルドノアから採取できる。単純なエネルギー源として使うのであれば、相性の悪さも無視できる。非魔術的なエネルギー源であるアルドノアを変換する術式の効率は最悪だったが、数さえ揃っていればカバーできる。
 ろくな魔術回路もなく、けれどアルドノアの売買で富を得た人間が願望器を手に入れるには、これしかなかった。



……というのが大まかな流れらしい。余罪は挙げだしたらきりがないから省略」
「はあ……それで、なんでまた僕がいるんですか」
 ずじょうから、こえがきこえる。
 若い男が二人。誰にも邪魔されぬよう、魔術も無人機も大量に配備した完璧な工房だったはずだ。そのどれもが反応していない。反応しないのか、できないのか、のか?
「それはほら、そういうモノにしたから」
「余計でしょう。今すぐ書き換えてください」
「無理だよ。生前の僕が書いたものを、召喚された僕が書き換えることはできない」
……お前らしくない」
「さあ。君が早くに死んでしまって、僕は寂しかったらしいから」
 わけのわからないことを、やや不穏な言葉たちを、のんびりとした口調で男たちは交えている。
 自分が声に出せたのは、なにが、という問いだけだった。何が起きた。お前たちはなんだ。どこから湧いて出た。聖杯はどうなった。何もわからない。ノイズ混じりの視界に影が落ちる。
……ああ、きみ、頭を生体デバイスに置換しているのか」
「殺しますか」
「スレイン」
「冗談だ」
「相変わらず、冗談がわかりにくい」
 どうせ彼も永くない、と男が言う。そりゃそうだ、俺はもう首から上しかないのだから。それでも、彼の言う通り機械製の身体はすぐに死なない。死んでくれない。予備電力で働く視界の中、途中で術者を失った失敗作の聖杯もどきが、ぐずぐずと崩れていく。このために何年かけて、どれだけの犠牲を払ったと思っている。
……それで、今回のリミットは?」
 ううん、と黒髪の男が考える素振りを見せる。視線をくるりと回して、あたりの魔力でも視たのだろうか。ジジ、と脳内で嫌な音がして、視界が閉じていく。
「1、2時間くらいかな。アルドノアが動いているから、あの聖杯が完全に消滅するのに時間がかかる」
「そうか」
「あとはもう見てるだけだから、暇なら外に出ていい。護衛はもういないし、君は自由だ」
「いい。きみはここにいるんだろ?」
……律儀だな、スレイン・トロイヤード」
「好きでやってるんだ。相変わらずの鈍さだな界塚伊奈帆」
 ばちん。聞いた音を脳が理解する前に、思考が落ちる。生きながら大半が機械で構成されている身体は、機械のように死ぬらしい。数百年前の戦争の首魁と英雄の名前が聞こえた気がしたのに、この不可解な現象をせめて理解したかったのに。部屋の電気を落とすスイッチのように、意識は一瞬で暗闇へと落ちていった。


【聖杯召喚へのカウンター術式に自分を組み込んだ伊奈帆と、道連れにされたスレイン】
 本編の数十年後にアルドノア研究のいきすぎで魔術の世界に片足突っ込んで色々知ってしまったなほが、アルドノアが魔術的に悪用されないように色々頑張った結果の話。
死者の蘇生というよりは、伊奈帆のような何かとスレインのような何か。



2

「マスター、撤退を」
 思わず、なんで、と聞いた。私のライダーは優秀なサーヴァントだ。ここに至るまでにアーチャーを打ち倒し、アサシンをも撃退した。今回はわずか一騎、しかも相手は見るからにキャスターだ。たかが魔術師のクラス。工房にこもっていればまだ勝ち目があったかもしれないのに。
 とはいえ相手も英霊だ。私より遥かに優れた魔術師であることに変わりはない。念のため周囲の気配を探ったけれど、拍子抜けするほど魔術的な気配はかけらもなかった。夜闇に紛れたアサシンの奇襲を切り抜けてたどり着いたふ頭には、怪しい気配は何もない。本当に、何の策もなく姿を現したようだった。ライダーの操る白銀の「馬」の上から見下ろすキャスターは、英霊とは思えないほど当たり前のようにそこに立っていた。やっぱりどう考えても、ライダーの勝てない相手ではない。
 なのに、その姿を見た瞬間にライダーは撤退を進言した。何故。貴方なら勝てるでしょう。王子様みたいに美しいアッシュブロンドの隙間から、彼はキャスターを睨み続けている。戦争の首謀者、一騎当千の反英霊。私のサーヴァント。スレイン・ザーツバルム・トロイヤード。
「私は彼に勝てません」
「どうしてですか、ライダー。あなたなら」
「やあ、スレイン」
 私の問を遮って耳に届く、ライダーの真名。それを口にしたのは私ではない。もちろん彼自身でもない。この場にいるのは三人だけ。残るはキャスターのみ。
 一体どうやって彼の真名を看破したのか。彼の宝具である機体から? けれどこの機体に関する記録はほとんど残っていない。外見の情報から彼を当てるのは不可能と言ってもいい。彼がこの機体のパイロットであると生前から知っているような所属の人間でなければ、知りようがない。
 動揺する私の隣で、ライダーはわざとらしくため息を吐いた。私ではなく、彼に宛てて。
「聖杯に興味はないと思っていたが。懲りないな」
「君がいるからね」
……いい加減しつこいぞ、界塚伊奈帆」
 気の置けない友人に対するような、刺さったとしてもまるで痛くない小さな棘を埋め込んだ軽口のような調子で、ライダーは笑っていた。笑って、その名を口にした。憎らしそうに、愛しそうに。
 かいづかいなほ、と。かいづか。界塚伊奈帆。
 ライダー召喚の聖遺物を探す道のりで、何度も目にした名前だった。――第二次惑星間戦争終結の功労者。地球連合軍のエースパイロット。スレイン・ザーツバルム・トロイヤードを殺した男。
 全身が凍りついたようだった。よりにもよって、我がサーヴァントの天敵が現界しているなんて。生前の事実、伝承、世界の認識は英霊の在り方に強く影響する。彼が断言したような「勝てない」レベルの差までは行かなくとも、この二人が戦う場合、相手に強力な補正がかかる。

 彼が本当に界塚伊奈帆であるならば、ライダーの言う通り撤退しかない。キャスターが戦う気なら、最悪令呪を切ろう。幸いなことにライダーは従順で、令呪の強制力は必要ない。今ここで使っても問題ないどころか、令呪一画でサーヴァントの消滅を防げるのなら安い。甲に令呪が刻まれた手にぐっと力を込める――その瞬間。
「ライダーのマスター」
 凍りついた体にやっとの思いで熱を灯した、その刹那にまた冷や水をかけられたような心地だった。キャスターのサーヴァント。
「こちらには共闘の用意があるんだけど、どうかな」
……姿も見せないマスター相手に?」
「僕は君のサーヴァントを殺したくない。君も、まだ聖杯戦争から抜けられない」
 選択肢はないように思う、と。キャスターは私を見て言った。
 思いもよらない提案に動揺する心をなんとか隠して必死に見栄を張って返したのに、そんな私を見るキャスターの目は冷ややかだ。左右でほんの少しだけ色が異なる双眸が、何の感情もなく私を見ている。神性をたたえる赤ではない、もっともっと暗い赤。隣の彼が纏う臙脂とも違う、むきだしの赤。
 それがどうしても何かを訴えているような気がしてしまった。
……わかり、ました」
「マスター、いいのですか」
……はい。貴方を失うわけにはいかない」
 ライダーの声にも安堵が滲んでいる。ならばこれで良かったのかもしれない。ライダーを呼んだのはもちろん勝つためだったけれど、彼を選んだのは私だ。共に勝利を手にする相手として、戦力はもちろん思想や目標についても共感するところがあったから選んだ。

 臨戦態勢を維持して展開したままだった宝具――火星型カタフラクト・タルシス――を光の粒へとかえして、ライダーの腕に抱えられながら地へと降りる。出迎えたキャスターはなんの表情も浮かべず、ただそれを見ていた。無表情に歓迎はされていないような気がするけれど、殺意もない。手が届くほどの距離に近付いた瞬間に刺されるようなこともない。本当に、彼はあの恐ろしい軍神の英霊なのだろうか。サーヴァントとしての魔力量を無視すれば、ただの青年のようだった。
「協力に感謝する、ライダーのマスター。それに、スレインも」
 頑なだった無表情が、ライダーを見て綻ぶ。殺すつもりも戦うつもりもないのに、何かを警戒するように――何かにおびえて――全身を張り詰めていたが故の無表情なのだと気付いたのは、その時だった。
……どうなっても後悔するなよ、伊奈帆」
「やれることはやる。今回も、僕は君を殺したくはないからね」

【キャスターの伊奈帆と、ライダー赤服スレイン】
伝承上「界塚伊奈帆によって討ち取られた」ことが正義として刻まれているため絶対に伊奈帆に勝てないスレインと、別に戦うつもりもないのに毎回スレインが死ぬのでいい加減嫌になってきた伊奈帆。以下スレインの独白のような設定解説。
 僕は彼に殺されなかった。生かされて、たった数年でただの青年に変えられた。そこからまあ、それなりに生きて普通に死んだんです。彼とも友人になりました。けれど、そんなものは英雄ではない。己の意志を貫いて死ぬような者こそが英雄で、実際、後世に残った伝承で僕はそのようになっている。だから英霊スレイン・ザーツバルム・トロイヤードは「界塚伊奈帆に殺される」ことが鍵なんです。そういう結末しか用意されていない。結末が先にあるんです。彼にその意志がなくとも、ただ敵対するだけで簡単に死ぬ。そういう呪いのようなものです。

※「呪い」がかかってるのは伊奈帆の方なので、伊奈帆がいないときの英霊スレインは普通に戦って普通に死ねる。ただし伊奈帆とスレインの因果は強力なのでかなりの確率で鉢合わせる
※スレインの触媒は二人の姫様に関する聖遺物。「姫の墓をあばいた不届き者への罰」か「その危険を承知で助けを求めた誰か」のためなら召喚に応じるのでは



3

……今日の君はそれなんだね」
「不満そうだな。まあ、無理もない」
 出撃前にマスターの間食でも持っていこうかと向かった食堂で、いま一番会いたくない相手と鉢合わせる。幸運値が低いとこういうこともあるのだろう。彼は自室か食堂にいることが多いから、運というよりは必然だったのかもしれない。一歩足を踏み入れた瞬間投げかけられた言葉に、「お前のその格好の方こそどうにかしたらどうだ」と噛み付く台詞を飲み込めたのは幸いだった。あの派手すぎるオレンジ色のエプロンは、明らかに僕からの反応を期待して着けられている。絶対に構ってやるものか。
 すっかりカルデアの食堂の調理番に馴染んだ界塚伊奈帆は、いい香りの発生源である大鍋の世話をしているらしかった。隣に並んで鍋を覗き込むと、野菜や肉が大量に煮込まれている。あいにく、料理に関する知識は乏しい。ここからカレーになるのかスープになるのか不明だが、彼が作るのであれば何でも美味いだろう。

 服が汚れてはマスターに格好がつかないので、夕食への期待を胸に体を離す。彼が不満を示した、尾羽根のついた臙脂色。《アヴェンジャー》のスレイン・ザーツバルム・トロイヤードが第三再臨で身に着ける服だが、界塚伊奈帆としては面白くないらしい。なにせ、最も激しく対立していたときの姿だ。サーヴァントの精神は肉体に引き摺られる。この姿のときの僕は彼にあたりが強くなる、というのは彼も僕も承知していた。そして彼も、僕のこの姿に思うことはあるのだろう。当然だ。
「霊基はレイシフト先の都合だ。我儘を言うな」
「我儘じゃない、ただの感想」
「態度に不満がだだ漏れだぞ。お得意の左目に分析させてみろ」
「残念ながら、今日は入ってない」
 ……ああ、そうだったのか。今彼に世界を見せている瞳は正真正銘の生きた目玉で、壊せば血が出るし痛みもあるらしい。
 《キャスター》の界塚伊奈帆は、再臨してもほとんど姿に変わりがない。彼の全盛期が一貫して僕と刃を交えた頃の姿であるのは敵対していた者として嬉しい――なにせ彼は終戦後も大活躍だったので――が、かつての地球連合の制服はとにかくかわり映えがしなかった。火星の階級制度が遠くからでもひと目でわかるそれとは大きく異なる。生前の最終的な階級に見合う装飾品のふたつやみっつ、増やせばいいのに。
 そんな彼がほとんど唯一大きく変わる場所。左の眼窩。
 初めてカルデアに現界した際、そこには生身の人間の眼球がついていた。一度機械に置き換わったそれは、最終的に彼の眼窩から外された。生前の流れをそっくりそのまま霊基に反映した界塚伊奈帆は、最終的な姿のときに左目を持たない。地球連合の大尉の制服に黒い眼帯をつけ、あの頃――僕らがまだ生きていた頃――に飽きるくらい見るハメになった姿。
 今日の彼はソレらしい。姿以外の特徴といえば、とても分かりづらいが僕に甘いことだろう。べたべたに触れ合うようなことはしないけれど、声もまるいし視線も柔い。きっと姿に引きずられて”そういう”気分だったのに、肝心のスレイン・トロイヤードが好ましくない姿だったから、機嫌を損ねたのかもしれない。或いは、臙脂のスレインが伊奈帆に対して強い態度を取ってしまうように、「スレインを殺して終戦を確実にした」英雄である彼もスレインの伯爵時代の霊基に影響を受けるのか。逸話に補強されたもの同士として、嫌悪に近い感覚があるのかもしれない。

 頭の中で転がしたいくつかの可能性を、そのまま伊奈帆へ投げかけてみる。分かりづらい表情が僅かに不快を示して揺れる。
「違う。僕はどの君も好きだし」
「じゃあ何が不満なんだ」
……それより、君の目的はマスターの携帯食だろ」
 遅刻するよと忠告の言葉を続けながら、後ろの戸棚から取り出される。無造作に放り投げられたそれは、可愛いくラッピングされたクッキーだった。携帯食と可愛げのない名前がつけられた割に色とりどりで、型抜きもされている。そういえば、昨日のカルデア内は甘い匂いが漂っていた。
 中身はともかく、リボンを結ぶような気遣いは伊奈帆には期待できないので、他の厨房メンバーと作ったのだろう。包みからはかすかに魔術の気配がする。
「割れないように、おまじないみたいなものだけど」
 なるほどたしかに、型を抜かれたクッキーを割ってしまったらあのマスターなら気に病むだろう。今の彼は戦術立案を主な仕事としているが、一応キャスターなので魔術も得意だったと遅れて思い出す。
……ありがとう」
「スレイン。おまじないついでに君のぶんも」
 言いながらまた、小包が投げてよこされる。見た目は先程同様の軽いクッキーの小包だが、それにかけられた魔術はまじないとは呼べないようなものである、とすぐに見て取れる。受け取ったてのひらからぞわぞわと何かが這い上がってくるような感覚さえある。これは断じて、「クッキーが割れないように」なんて祈りではない。所持者、あるいはこれを体内に取り込んだ者の生を、存続を、魂を縛るモノ。
「のろいの間違いじゃないか?」
「おまじないものろいも、似たようなものだよ」
 僕の生まれ故郷では同じ字を使う、と伊奈帆は表情を変えずに呟いた。そんなこと、座に刻まれる前から知っている。
「アヴェンジャーに向かってよく言えるな」
「僕なら言うだろ……ほら、遅刻」
 ぽいぽいといくつかの――ほかの同行者用の――包みを投げて、伊奈帆は僕を厨房から追い出すことにしたらしい。居座ったら熱々のおたまが飛んでくる未来が見えるので、両手いっぱいにクッキーを抱えて厨房をあとにする。気を付けてね、と背中に飛んできた言葉はきっと、精一杯軽く聞こえるように意識して発せられているのだろう。こんな呪いを押し付けておいて、逃げられるわけがないのに。

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 スレイン・トロイヤードの宝具は、纏う服によって性質を変える。青服であれば、コウモリの支援宝具に。灰服の彼は、静かに空を舞うタルシスで敵を裂く。臙脂色の彼の宝具は……
 ……アヴェンジャーは、復讐者のクラスである。
 人間だったスレインを知る者であれば首を傾げるようなクラス適正は、生前の彼には存在しない。後の世の人々によって解釈され解体され、ありもしない物語を創作され、存在そのものが変質して付与された適正である。クラスが前提で、存在が後付け。「自分を見捨てた地球に復讐を」「自分を救わなかった火星に復讐を」。この世のすべてを怨み死んでいったスレイン・ザーツバルム・トロイヤードの宝具は、敵味方の識別なくすべてを復讐の火にくべる。見境のない炎は彼自身をも焼く。強力だが、あとがない。かの伯爵は復讐の中で死んだのだから、未来など必要ない。
 世界に記録された人物像は歪んでいて、けれどその歪みがなければ世界は前へと進めなかった。
 ……無論、彼の動機が復讐ではないことを伊奈帆は知っている。そして恐らく、彼を召喚したマスターも。


 カルデアのマスターは、極力犠牲を避けようとする人間だった。苦痛を与えたくないと考える人間だった。
 英霊の切り札であっても、自分を殺す宝具を撃たせるのは心苦しいと感じる。それを分かっていてスレインが伯爵の姿を選ぶということは、よくないのだろう。マスターを守護する騎士のように振る舞うスレインがそう決めたら、もう何を言っても無駄だ。何かを守ろうとする彼は、梃子でもカタフラクトで引っ張っても動かない。
 カルデアの召喚式は特殊だから、レイシフト先で退去することになっても、再召喚すれば問題ない。分かっている。僕だって、何度も霊核を砕かれた。
 けれど。自分のすべてを投げ売ったあいつの在り方を歪めたさきで、また自分を犠牲にしろ、だなんて。
 無事に帰ってきますように、というまじないをついうっかり変質させてしまうくらい可愛いものだ。彼の言うとおり、間違いなくのろいの類になってしまったけれど。
 けれどその呪いの先がアヴェンジャーなら。
 すべてを呪い、怨み、燃やし尽くす存在の彼であれば、こんな祝福であっても受け取ってくれるかもしれない。きっと彼には怒られるだろうけれど。


【再臨段階によって服が変わるスレインと、眼帯の有無くらいしか変わらない伊奈帆】
 カルデア時空なら好き勝手できないかなって。。。
 キャスターの伊奈帆とアヴェンジャーのスレイン。何も知らない地球人から見たスレインは理解が難しい人なので、人物像にいろんな脚色がされて復讐者のエクストラクラスになるかな〜という願望。奏章まだ到達してないので解釈違いかもしれん。