haruon1018
2025-09-03 14:22:46
2839文字
Public
 

アルバム

第147回お題「アルバム」#長晋ワンドロライ
セクピスパロディーの長晋(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20994232)のmr君の楽しいスクールライフ話(tksgさんは登場しません)
注意書き
御鬼不良組で動いてます。
ぐだ♂マシュとでヘクマンが要素として入ってます。
セクピス用語説明が入っていません(あくまで番外編なので)
モデルになった学校は某魔法学校と某アリスの学園

「次の授業ってなんだ、」
 各国のエリートは勿論、王侯貴族も通う学園では一般庶民である森が、マンドリカルドに訊ねた。
「経済学っすね、」
「おっそうだった、ありがとな」
「なんだよ森、珍しいな、もうすぐ卒業だからって浮かれてるんじゃねぇ」
カイニスは茶々をいれて森を小突くが森はスンとした顔で答える。
「そんなことはねぇけどよ、最低でもA評価貰わねぇと大殿に悪いしな」
「そう云いながらいつもS評価……
「興味ないとか云ってるのがムカつくが、森だしな」
 卒業まで残り半年、学園では数少ないオタクが読む漫画ではカップルイベントが発生するが、森達には縁の無い話だ。
 成績優秀、元気が有り有り余る以外目立った問題行動も起こしていないのに、なぜか不良組と呼ばれる彼らは国籍も違えば、斑類の種も違う。
 ついでにいえば性格のばらつきもある、最も今は落ち着いているマンドリカルドも、かつては活発的だったのだから、根っこの部分は同じなのかもしれない。
 そんな三人の共通点は、番を持たないことである。
 絶対に番を持たないと豪語しているのはカイニスだけで、マンドリカルドと森は学園内では番を持たないとだけだ。
 マンドリカルドには憧れの人が、森には将来を誓った高杉晋作という番がいるので他に目移りしている暇も、浮気な性分も持ち合わせていない。
 厳重な統制と入学前に掛けられる暗示によって生徒達は卒業まで「学園」の名前も場所も同窓生以外話すことが出来ない。
 本人が重種であるのは勿論、三代前まで軽種は勿論、中間種がいないことが第一条件に掲げられているせいか、斑類の偏ったエリート思想の生徒が多く存在する。
 けれど卒業すれば一般社会は勿論、斑類の世界でもトップに立てるので生徒達は親元を離れて「学園」に入れたことを誇りに思っている。
「学園」以外の学校通う生徒はモテすぎるのを防止するために変え魂を行うが、ここでは強さこそが全てなので、大抵の生徒はあるがままの魂元を見せつけ己の強さを誇示する。「よう、留学生。複雑な魂元してるな……気を悪くしたなら謝る」
「別に……隠しようがねぇし、隠すつもりもねぇよ」
 森とカイニスが友人となったきっかけは、入学して間もない頃の些細な会話がきっかけだ。
 斑類の価値がそのまま学園での生活に影響する中で、プレミア級の人魚や例外的存在の先祖返りを除けば、ヒエラルキーの頂点に立つ熊樫の魂元を持っているのに、森は重種の中では一番格下の蛇の目の魂を表に出していた。
 カイニスは翼主、今では絶滅種としてヒエラルキーの中には入らないが重種と同等に扱われる斑類だ。
 カイニスの場合、本人の意思とは関係なく他の動物に化けられないので強いアピールになるがそのままの魂で過ごすしかない。
 それから少し遅れて学園に入ってきたせいで、輪の中に入れずにいたマンドリカルドを迎えて、清く正しい学園生活を三人で過ごしていた。
「けどマジで大学に行くのか、そんなに勉強好きだったか」
「オレは晋作とラブラブキャンパスライフを楽しむんだよ、勿論、学業も疎かにはしねぇ、」
 十一歳で学園に入ってから七年間で斑類としての教養は勿論、一般社会の大学卒業程度の知識や必要に応じて資格も得られるため、よほどの事情がない限り生徒達は社会へと出て行く。
 これは斑類の繁殖能力が低いため、子作りを優先、猿人に引っかからないために囲い込む措置なのだが森は惚気ながら大学に行くと答えた。
「なんかラブラブとか聞こえたけど気のせいか」
「例のノブなんとかの台詞を真似しただけっすよ、」
 強面の顔でラブラブという言葉が出てきて二人は固まるが森は気にしない。

 高杉晋作が森の番であることは二人も知っている。
 なにせ事あるごとに晋作が、晋作は、晋作ならともしかして鳴き声というくらい彼について森は語る。
 そのくせ、なかなか写真も見せないのでもしかしてイマジナリー彼氏と思ったりしたが、ルックスと性格は色んな意味で飛び抜けているが真面目な彼が幻覚を見るとは思えず、黙って話を聞いていた。
 アレは確か、三年生に進級した頃、日本に帰省していた森が土産と一緒に、広い食堂の机にアルバムを広げた。
「これがオレの高杉、」
 キチンと整列された写真の中には、信長や同じ織田だが吉法師と名乗る少年と一緒に赤毛の少年が笑っていた。
「本当に存在した!」
「いるだろ、何言ってるんだ?オレは接触勤仕させられているけど」
 まるで隣のなんとかに会ったという反応を見せた二人に森は首を傾げたが、パラパラとページをめくる。

 ただでさえ、翼主のカイニス、昨年編入してきた先祖返りの「藤丸」のマイフレンドであるマンドリカルド、そしていまいち謎な留学生の森は目立つ。
「おい、これって人魚の織田……
 わらわらと生徒達が集まれば、森はあっと声を出して牽制のオーラーを放った。
「こいつらに紹介しただけで、テメェらにオレの晋作を見せる気はねぇ」
「おい森! フェロモン……ダメだ、こうなったら話が通じない」
 消えろとばかりに威圧する森に負け頭を押さえ込む生徒や当てられて発情する生徒もいる。
「先生呼んで、」
 フェロモンに屈しないカイニス達が止めようとするが、圧が強すぎて手に負えない。
「なんか凄いことになってるけど何、どうしたの、」
 遅れて食堂にやってきた藤丸が異変に気づいて駆け寄るが、森のフェロモンを浴びても平然としている。
 流石はどの斑類も太刀打ちできない潜在能力を持つ先祖返りである。
「おっ殿様か久しぶり、こいつらに写真を見せていたらウルせぇハエが集ってきて」
「そんな言い方、あっノブだ、なるほど森君、たぶん大丈夫だよ」
 学園での生活をバックアップしてくれる信長と高杉に気づいた藤丸が微笑む。
「何が、オレの晋作なのに」
「うん、そうだね……番を見られるのは辛いよね、」
 頷きながら徐々に森の気を落ち着かせる様はさながら猛獣使いであるが、藤丸にも既にマシュという番が存在する。
 番を独占したい気持ちはよく分かるけどと
「ようやく収まったか、反省文は免れないぞ」
 藤丸より遅れてかけつけた教師によって被害を受けた生徒達が保健室に運び出されたが、森はけろっとする。
「上等だ、詫び入れの文なら慣れている、」
「これが噂の鬼武蔵なら仕方がないってやつ」
 友人として心配する二人を他所に何を詫びるか考えている森だったが、良くも悪くも斑類の強さで学園内での価値が上がるため、森は罰せられることはなかった。
「あいつらの記憶から晋作を消してくれ」逆に森が教師に願い出れば、生徒達は暗示を掛けられ高杉晋作を見た記憶を消された。
 ただ流石に重種に強い暗示を掛けるのは難しく、記憶の中の高杉と晋作を入れ替えつなぎ合わせたので、「なんであいつ人魚と知り合いなんだ」と益々森の謎は深まった。