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syanpon
2025-09-02 20:45:19
1030文字
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わかんなかったから、またやって
オトスバ(ししょすば)
現パロ
煙草を吸いはじめるのに特に高尚な理由なんてものはなかった。
得意先とのコミュニケーションの一つとして吸い始めたそれがいつのまにか常態化してしまっているだけ。
なんとなく早く死ねるんじゃないかなんて淡い期待を抱いて甘くて重いそれを肺に溜めている。
「それ、どんな味するの」
カララ、と窓を開ける音がしたかと思えば煙が室内に入るのを気にしたのか、顔だけ出した同居人がオットーに話しかけた。
短い眉が顰められ、他者から凶悪だと評される目つきはじとりとオットーを見つめている。単純な興味だけではなく構ってやっていないことに対する抗議も含まれているのだろう。後者の方が割合は大きそうだ。
いくらスバル本人や他人が怖いと言おうが骨の髄まで絆されてしまったオットーにとってはどの表情も可愛いだけであるがおそらくそれを口に出すとこの窓をぴしゃりと閉められてベランダに閉じ込められかねない。
指に挟みっぱなしの煙草に口をつけ、煙を吸い込む。
右手でスバルの顎を持ち上げそのまま口付けた。驚いて固まった唇をべろりと舐めて開口を促し、小さく開いた口の中にオットーの舌と唾液、それから口の中に残ったままの煙を吹き込む。
「んん!?」
「こら、味わかんなくなりますよ」
ほんの少しだけ口を離して咳き込まないのを確認してから再度口を塞いで舌を差し込む。
上下の歯列をゆっくりとなぞり、上顎をざらりと舐めあげる。何回も繰り返してきた口付けのため反射で力の抜けた舌をこちらの口内に引き込んで甘噛みし、溢れた唾液を舌先ごと啜った。
煙草を吸わない人とのキスは甘く感じる、なんて言うが多分迷信なんじゃないかとオットーは考える。
バニラ味のするタバコよりもこの人はずっともっと甘いし、口腔内以外も甘いのをもう知ってる。
もう一度口の中をぐるりと舐め上げて唇を離せば酸欠で赤くなったスバルが口の端に伝う唾液を拭うこともしないままに必死に酸素を取り込んでいた。
親指で口の端を拭ってやって、勿体無いからそのまま舐めればぺちりと力の入ってないお叱りを受ける。
「
……
わかりました?」
そう問えば顔だけ出していたスバルがするりとベランダに入り込んでしゃがみ込む。
そのままオットーの服の裾を引っ張るとべ、と舌を出して悪戯げに笑う。
「わかんなかったから、もう一回」
「
……
しょうがない人」
煙草なんかよりよっぽど手放せない毒だ。
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