第62回 朋之会
観世能楽堂
2025年8月30日(土)13:00開演
おはなし 武田崇史
能「歌占」
渡会何某:武田宗典
幸菊丸:武田智継
男:武田祥照
笛:栗林祐輔
小鼓:鵜澤洋太郎
大鼓:白坂保行
狂言「苞山伏」
使いの者:野村萬斎
山人:野村裕基
山伏:岡聡史
能「楊貴妃」
楊貴妃:武田友志
方士:福王和幸
蓬莱国ノ者:石田淡朗
笛:杉信太朗
小鼓:飯田清一
大鼓:原岡一之
能「熊坂」替之型
僧/熊坂長範:松木千俊
旅僧:野口能弘
里人:金澤桂舟
笛:藤田次郎
小鼓:田邊恭資
大鼓:佃良勝
太鼓:姥浦理紗
*・*・*
前日に引き続き、観世能楽堂2days!
久しぶりの能三本立てのガッツリな会でした。
全演目初見でしたが、お能の演目に関しては、解説書の配布はもちろん、武田崇史先生による、とっても丁寧な口頭での解説もありましたので、内容に関しては謡が難しくても迷子にならずに済みました😊
この会、意外と初心者でも安心の会だったのね🤔
お能はどれも毛色が違う演目だったので、バラエティに飛んでて充実した1日となりました🥰
能「歌占」
加賀の白山の麓に住む男(ツレ)が、旅の男覡(みこ・シテ)の歌占いが良く当たると聞き、親と生き別れた幸菊丸(子方)という少年を連れて行く。覡が短冊を引かせると、書かれていた歌は既に父に出会っているという内容だった。覡が不思議に思い父のことを尋ねると、伊勢の渡会何某であると答え、ようやく幸菊丸が我が子であると気付く。喜んだ男に所望され、覡は地獄巡りの曲舞を舞って神憑りとなったが、やがて狂いから覚め、我が子と共に故郷の伊勢に帰って行く。(公演チラシより)
登場人物がシテ、ツレ、子方のみでワキ方が居ない。こんな演目もあるのですね🤔
現在能でシテは直面なのですが、宗典さんの端整な顔立ちと白髪の組み合わせが、まさに役柄のイメージに合っていたと思います。
探していた父親が目の前に居た!という展開ですが、確かに顔が似ていても、若くして髪があんなに真っ白になっていたら、人違いかも
…と声掛けを躊躇してしまうのも分かる気はする🤔
後半の地獄のクセ舞は、神が降りて来て狂乱状態になるとのことで、物狂い的なものをイメージしていたけど、それよりももっとカッチリとした力強い舞でした。
目の前に広がる地獄を見てきた人間の受けた衝撃や恐怖。宗典さんの直面を含めた全身からは、それらが伝わってくるような気迫を感じました👏👏👏
狂言「苞山伏」
「苞」は藁に包んだ弁当のこと(パッと見は藁に包まれた納豆にそっくり🙄)。
その苞を持った山人(野村裕基)は、山仕事の疲れから食事の前に昼寝をします。そして、その直後に山伏(岡聡史)も近くにやって来て、長旅の疲れから彼もまた一眠りします。
そこへ偶然通りかかった男(野村萬斎)が、山人と弁当の存在に気付き、これから使いの為に山を越えないといけないから
…と、なんの悪びれもなく盗み食いをしてしまいます🤣
喉を鳴らしながら旨そうに貪り食う姿、そして終いには米粒ひとつ残らず平らげる萬斎さんの仕草には笑ってしまいます🤣
そして、山人が起きそうになると、空になった藁を山伏の方に飛ばして、瞬時に狸寝入り。この動きがキレッキレで藁
…あ、いや、笑!🤣🤣🤣
弁当が無くなっている事に気付いた山人は、狸寝入りしている男を起こして詰問しますが、男は、あそこで寝ている山伏の側に苞が落ちているから、アイツが犯人じゃないかと濡れ衣を着せます😂
すると、嫌疑をかけられた山伏は法力を使って真犯人を探してみせようと言います(狂言に出てくる山伏は無力なパターンが多いけど、もしかして、この山伏は出来る子⁉️😳)
ここで山伏が山人に法力を使っても(当然ですが)何ともありません。
その隙に使いの男はトンズラしようと立ち去るのですが、山伏が男に向かって祈ると、橋掛かりから本舞台まで引き戻されてしまいました。
ちなみに萬斎さんは後ろ向きで歩くのを得意としているので、とてもナチュラルに引き戻されていきました(笑)
これで真犯人は一目瞭然。山人は喜び、名探偵山伏にお礼に一飯を進ぜようと申し出ます。
が、法力で身動き取れず、虫の息となった使いの男が、命だけは助けてくれと頼むと、山伏は真相が明らかになったのだからもう良いだろうと、法力を解こうとします(濡れ衣を着せられたのに優しい!😳)
でも、かなりご立腹な山人は、それはいらぬ事だ😡💢と山伏を止めようとしますが、それでも山伏は使いの男を助けようとするので、ならば自ら打ち殺すしかないと、鎌のついた棒で使いの男を打とうとします😱
山人の攻撃を阻止しながら、男にかけた法力を解く山伏。この時、ぼ〜ろんの掛け声に合わせて、萬斎さんが身体を伸縮させる動きが可笑しくて可笑しくて、見所もウケておりました😂
(そして身体を動かす度に揺れる、ふわサラな黒髪は目の保養デシタ😏✨)
フラつきながら逃げる盗人の男😵💫💦と、
絶対に許さないマン😡💢になって追いかけていく山人。
食べ物の恨みは怖いねぇぇ‼️😱
と思った瞬間でした😅
そして「早く逃げてぇ!(意訳)」と声掛ける優しい山伏は、岡さんのニンに合ってるなァと思いました😊
最近、食い尽くし系の話題とか多いけど、みんなは他人の食べ物を勝手に食べちゃ駄目だぞ!😉
(てか普通は食べないのよ😂)
能「楊貴妃」
唐帝玄宗に仕える方士(ワキ)が帝の命を受け、馬嵬が原で亡くなった楊貴妃の魂魄の在所を尋ねて蓬莱宮に赴く。所の者(間) から貴妃が太真殿にいると聞き、方士はついに貴妃(シテ)に目通りする。方士が帝の嘆きを伝え出会った証を求めると、貴妃は形見の簪を与え、七夕の夜に帝と交わした言葉を明かす。そして自分は元は上界の仙女であったと語り、霓裳羽衣の曲を舞って見せ、方士の帰朝を見送る。(公演チラシより)
異国の実在した人物をモデルにしていますが、楊貴妃が実は天上界の仙女で、人間界に生まれた時に皇帝に見出され、死後は再び仙界へ戻ったというドラマティックな設定。
亡霊(シテ)がこの世に来るのではなく、方士(ワキ)が仙界へ赴き出会うという所も、他の演目と違って新鮮味がありました。
そして、一番印象的だったのは、方士を見送ったあとの、楊貴妃の寂しそうな姿🥺
改めて、死=二度と会うことのない別れ、なのだと実感します。
あと、楊貴妃を目の前に気品ある佇まいの福王兄さん。
…やっぱりこの人、日出処の天子の毛人だわ、と思いました😂
能「熊坂」替之型
東国修行の旅僧(ワキ)が美濃の赤坂に差し掛かった時、一人の僧(前シテ)に呼び止められ、今日はさる者の命日だからと回向を乞われる。庵室に入るとそこには仏像もなく数々の武具が置かれていた。不審に思い訳を聞くと、この辺りに多い盗賊に備えてのことで、仏も武器によって悪魔を退治するのだと語り寝室に消える(中入)。
里人(間)から大盗賊熊坂長範の事績を聞いた旅僧が回向をしていると、熊坂の霊(後シテ)が現れる。そして黄金商人の三条吉次を襲った際に、一行に加わっていた牛若丸に討たれた様を仕方話に語り、夜明けとともに消え失せる。(公演チラシより)
今回の演目の中で最も、お能の中でもよくあるパターンで分かりやすい内容だったかと思いますし、男性主人公(亡霊)が戦いの様子を舞う演目は、やはりカッコよくて好きだなと再確認(負け戦でも)。
前シテは直面なのですが、松木千俊師の直面は、まさに能面のようで表情がピクリとも動かない。ワキの僧と同じ格好をしていても、そこから異質な存在であることが、にじみ出ていました。
間狂言は若手の桂舟くん。本狂言の時と比べると、ワキとの対話時に、ちょっと緊張が伝わってくるような気がしましたが、語りが始まるとエンジンがかかってきたようでした。とても立派にやり遂げていました👏👏👏
過去の観劇日記はコチラから⬇️
https://privatter.me/user/mijuppa
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