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2025-08-02 00:50:47
1972文字
Public
8/9のイベント展示小説
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悪夢を振り払うモノ
悪夢にうなされるヴァンとそんなヴァンを優しく包み込むアニエスの話です。
ヴァン・アークライドは、悪夢を見ていた。
昔から見ている悪夢だ。
…
苦しい
…
誰かいないのか?
そう思っていたら、頭を優しく撫でられて優しい
声が響いてきた。
「大丈夫ですよ、私が守りますから。」
その声を聞いたら、安心して苦しさが消えた。
…
誰なんだ?安心する声だが。
明るい光が、目に差し込みヴァンは目を細めた。
すると、赤いストライプ柄のエプロンを付けた
アニエスが声を掛けて来た。
「おはようございます、ヴァンさん。
よく寝れましたか?」
「ああ
…
。」
ヴァンが起き上がると、アニエスはコーヒーを
差し出してくれた。
「角砂糖はー。」
「角砂糖は四つ、ミルクはたっぷりですよね?」
アニエスは、そう言って角砂糖とミルクを
入れてくれた。
…
美味い、この甘さが脳に
染み渡る。
「どうぞ。」
アニエスは、机の上にアップルパイを
置いてくれた。
「
…
よく分かったな、アップルパイが
食べたいって。」
「昨日、聞いたらおっしゃっていたので。」
だからといって、直ぐに用意出来る物では
ないと思うのだが。
「さっそく頂くぜ。」
美味い、めちゃくちゃ。
「
…
カスタードを入れてあるな。」
「流石、ヴァンさん。」
ヴァンは黙って皿を差し出した。
「おかわりですか?」
アニエスがアップルパイを持って来てくれるまで、
ずっと考えていた。あの夢の中の声の主は
誰だろうと。確かに知っている筈なのだ。
優しくて、側にいると安心する声。
「ヴァンさん、お待たせしました。」
アニエスを驚いた顔で見る。
「ヴァンさん?」
そうだ、あの声はアニエスに似ているんだ。
「なぁ、アニエス。俺の頭を撫でたりしたか?」
アニエスは数分考えた素振りをしてから
「いいえ、してません。」
そう言った。
「
…
そうか。」
ヴァンはそう言って、アップルパイを食べ始めた。
アニエスは、ヴァンに嘘を付いた。
アニエスはヴァンの頭を撫でた。
しかし、それを言わない方がいいと思った。
何故ならヴァンはあの時ー。
「おはようございます。」
アニエスは部屋に入ると、ソファーで寝ている
ヴァンを発見した。
「全く、またベッドで寝ないで
…
。」
アニエスはヴァンを起こそうとしたが、
様子が変だ。汗も酷いし、顔も苦痛に歪んでいる。
アニエスは心配になり、駆け寄った。
「ヴァンさん!?」
「う
…
くっ
…
!!」
どうしたらいいの!?
「苦しい
…
誰かいないのか
…
?」
アニエスはその言葉を聞いた途端にヴァンの手を
握り、自然と口に出していた。
「大丈夫ですよ、私が守りますから。」
その言葉を聞いたら、ヴァンは落ち着いた様で
息も穏やかになっていった。
アニエスはヴァンの頭を撫でながら
「大丈夫ですからね。」
と何度も繰り返し言った。
アニエスが言わなかった理由、それはあの出来事は
きっとヴァンは知られたくない物だと感じたから。
だから、言わなかった。だがー。
「
…
アニエス。」
「はい?」
「助かった。」
「
…
っ!!」
「どうしてって顔をしているな?」
「それは
…
。」
「俺の為に嘘を付いたんだろ?」
「
…
。」
「お前に気を使わせてすまん。」
「
…
そんなことはー。」
「いいから話は最後まで聞け。アニエスのおかげで
悪夢から目覚める事が出来た。だから、
そのだな
…
。」
ヴァンは照れ臭さそうに小さく呟いた。
「
…
ありがとな。」
「そんなの!当然です!!悪夢に何度囚われたって
何度だって起こしてあげます!!」
ヴァンは驚いた顔で見ていたが、笑った。
「な、なんで笑うんですか〜!?」
だが、2人の時間は、長く続かなかった。
何故ならー。
「オイ、押すな!見えないだろうが!」
「アーロンさん!重いです。」
「いい感じじゃなーい!?」
「ふふっ。」
「流石に気付かれない?」
「フッ
…
。」
アニエスとヴァンは唖然として見ていた。
「あの、いつから
…
?」
「チッ!バレたか!」
「当たり前だよね?こんだけ騒がしくして
いたらさ。」
「『そんなの!当然です!!』辺りからです!
アニエスさん、カッコよかったです!!」
「っ〜!!」
「逆にアンタは、少しカッコ悪かったわね。」
「ぐっ!!」
急所を突かれたような顔をヴァンはした。
そこにベルガルドが近付いて来て言った。
「
…
もう簡単に逃げられるな?ヴァンよ。」
「勘弁して下さいよ
…
。」
「これもお主の業、縁よ。
しかと受け止めよ。」
業と縁か
…
。
「ヴァンさん?」
「いや、今業と縁について考えていた所だ。」
「答えは出ましたか?」
「いや、ただー。」
「ただ?」
「アニエスとなら、見つけられる気がしてな。
…
だから、これからもよろしくな。」
「勿論です。」
アニエスとヴァンは賑やかになったアークライド解決事務所を見守っていた。
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