アカ
2025-07-10 23:24:53
4024文字
Public ヴァンアニ
 

キライが好きになる日

アニエス、誕生日おめでとう!!アニエスには笑顔でいて欲しいって願いから書いたアニエス誕生祭のお話しです。ヴァンアニ要素アリ。

「それでは!アニエスさんの誕生日を祝う会議を
始めたいと思います!!」
そう言ってフェリはホワイトボードに元気よく
書き始めた。お題は「アニエスさんに楽しんで貰う
誕生日」ー。アニエスを除いたアークライド解決事務所のメンバーはジュディスのツテで会議室を借りて話合っていた。何故このようなことをやることを決めたか。今から遡って3日前のことである。
「なんか盛大に祝ってやりたいよな。」
そうヴァンが呟いた。
「は?」
ヴァンが呟いた意味が分からず、アーロンが
聞き返したらヴァンは恥ずかしそうに
小さく言った。
アニエスの誕生日のことだ。色々あって前は
キチンと祝ってやれなかっただろ。」
言われてみれば、そうだ。忙しかったり、
全員揃わなかったり。様々な理由があり、
全員でアニエスの誕生日を祝うことが
出来なかった。アニエス本人は「誕生日プレゼントだけで嬉しい」なんて言っていたがー。
「アイツには色々世話になっているしな。
父親は忙しくて、誕生日プレゼントのみって
言っていたし、俺らだけでもアイツを楽しませて
やってもいいだろう。」
そんなヴァンをニヤニヤと見つめがながら、
アーロンは言った。
「なんだ?そんなに祝いたいのか?あんなに
どうでもよさそうな態度を取っておきながら、
本心は違うってことか?」
アーロンのウザい絡みにゲンナリしながら、
ヴァンは言った。
寂しいだろうが、誰にも祝って
貰えないっていうのは。」
ヴァン自身、孤児院出身だった。誕生日は
祝って貰って嬉しかったがー。自分のために
手間をかけさせることに申し訳なさを
感じたしー。それに。孤独を感じた。
誕生日を迎える度に思い出すのは自分が捨て
られたという事実。だから、アニエスには
誕生日は楽しいものだって思って欲しかった。
アーロンも何か思う場所があったのか
まーな。」
そう小さく呟いた。そんな話をしていたらー。
「なら!みなさんで祝いましょう!!」
気が付いたら、フェリが至近距離で興奮した
様子で話してきた。
「うぉ!ビックリした。何がだ?」
「誕生日です!アニエスさんの!!前から
ずっと思っていたんです!盛大に
祝いたいって!」
フェリはアニエスに懐いていることもあって
アニエスの誕生日を祝えないことを誰よりも
気にしていた。
まぁ盛大に祝えたらいいが、全員用事が
あるだろ?無理ならー。」
「わたし、聞いてきます!!」
そうフェリは言うと、飛び出して行った。
ま、全員は無理だろ。」
そう諦めていたヴァンの元に数分で帰ってきた
フェリが言った。
「全員、祝う気らしいです!!」
マジか。」
日頃の行いのおかげかアニエスの誕生日に
合わせてスケジュールを調整するという
ことだった。

そして現在ー。アニエスの誕生日を祝うために
アークライド解決事務所のみんなで会議をして
いた。
「アニエスに楽しんで貰うね。オッサンを
ラッピングしてプレゼントすれば
いいんじゃねーの?」
「オイ。」
「流石に。アリね。」
ジュディスも賛成したので、ヴァンは
必死になって反対した。
俺はやらねぇからな!!困るだろうが!!
ラッピングされた俺を渡されても!!」
「意外と喜ぶかも知れねーぞ?」
「ないッ!!却下!!」
「否定するなら、オッサンが何か案を出せよ。」
そう言われて考えると、迷ってしまった。
アニエスは何をしても楽しんでくれる。
きっと「みなさんが祝ってくれる事実が嬉しい」
なんて言って。だからこそ、難しく
悩んでしまった。
「無いんだな?なら、やっぱりオッサンを
ラッピングしてプレゼントー。」
「するかぁ!!」
「アーロンさんの悪ふざけは置いといて
ヴァンさんをプレゼントするって着眼点は
悪くないって思う。」
マジか。」
カトルからこんな返事が来るとは想像してなかった
ヴァンは渋い顔をした。
「ラッピングでプレゼントはアレだからー。
ヴァンさんと一緒に街を周って貰うとか。」
いつもと変わらないじゃねーか。」
「そうなんだけどアニエスさんってヴァンさんと
一緒にいると嬉しそうだし、ヴァンさんと
一緒に行動して貰うのはどうかなって。」
「それでしたら、ヴァン様とアニエス様で街を
探索して貰い、その間にパーティーの準備を此方で
するという方向にいたしますか?」
アーロンの最初の案より全然いいな。」
「ヒッデーな。俺サマが真面目に
考えたつーのに。」
「どこがだ。」
「プランは今の方向で行くとしてー。
プレゼントはどうしましょうか?」
「なんか形に残るのがいいよね。」
「形か。じゃあフォトフレームなんかどうだ?
誕生日で全員集まった集合写真を納められるように。」
「ふむ。たしかにそれなら、思い出をいつでも
思い返そうだな。」
「じゃあプレゼントはフォトフレーム!
ヴァンさんとアニエスさんが街をー。」
「あ!よかった!なんとか見つかった!!」
そう言うアニエスが現れたので、急いで
片付けた。
「ア、アニエスさん!?どうしてここに?」
「それはこっちのセリフです。みなさんが
見当たらないので不安になって。」
「す、すまん。1人1人面談をしていてな。」
「面談?」
「今の環境に満足とかメンタル面の相談とかな。
ルネに必要だってしつこく言われたもんでな。
アニエスは最後に呼ぶ予定だったんだ。」
「そうだったんですね。」
「というわけで、アニエスと面談だから
帰っていいぞ。」
そう言ってヴァンはアニエス意外のメンバーを
帰らせた。
「さてとー。面談を始めるぜ。」
ー明日からはアニエスの誕生日に向けて準備を
しっかりしないと。

それから数日後、ヴァンはアニエスと一緒に
夜の街を探索していた。
「ヴァンさん、すごかったですね。
まだ余韻が。」
アニエスとヴァンはニナとジュディス主演の
映画を観ていた。
「ま、これはまだ序盤らしいけどな。
全部で3部作らしいしな。」
「残りの2部も楽しみです!」
アニエスはジューススタンドを見ていたので、
ジューススタンドに寄ることにした。
ジューススタンドで飲み物を買って椅子に座ると
アニエスは嬉しそうに笑った。
「ヴァンさん、今日はありがとうございます。」
「なにがだ?」
誕生日だから、一緒にいて
くれたんですよね。」
アニエスの言い方はまるで誕生日じゃなかったら
一緒にいないと言われている気がしてー。
ヴァンはそのことにムッとしてしまった。
別に誕生日以外でもいるぜ。」
「え?」
「アニエスと一緒にいるのは好きだしな。お前が
別の日に付き合って欲しいってなら、いつでも
付き合うぜ。」
「ヴァンさん。」
アニエスは恥ずかしそうに、でも嬉しそうに
笑った。
「さてとー。そろそろ帰るか。」
「は、はい。」
アニエスは名残惜しそうな顔をしていた。
まだ終わりじゃないぜ。来年も再来年も。
ずっと祝ってやる。だから、そんな顔
するんじゃねーよ。」
「そうですね。ありがとうございます!!」
そう笑うアニエスにヴァンはホッとした。
アニエスは暗い顔より明るい顔の方がいい。

アニエスがモンマルトに足を踏み入れるとー。
「お誕生日おめでとう!!」
そう言ってクラッカーを鳴らして、アニエスを
迎え入れてくれた。
「え?」
「サプライズ、大成功です!!」
「みなさん。」
「泣くのはまだはやいわよ!!これから
なんだから!」
アークライド解決事務所のみんな。モンマルトの
みんな。オデットたち、生徒会の仲間。
アニエスを祝うためにみんな集まっていた。
「誕生日、おめでとう。アニエス。
これ、みんなで選んだ誕生日プレゼントだ。」
そう言ってヴァンはアニエスにプレゼントを
渡した。
開けてもいいですか?」
「勿論。」
開けると、綺麗なフォトフレームが入って
いた。アニエスはそれを嬉しそうに抱きしめて
言った。
「一生大事にします!!」
「そいつはよかった。ちょっとそのフォト
フレーム貸してくれないか?」
「いいですけど。」
アニエスからフォトフレームを借りたヴァンは
後ろにひっくり返すと文字を書き始めた。
『これからも、よろしく頼む。 ヴァン』
「あ!何面白そうなことやっているのよ!
あたしも!!」
そう言ってジュディスもコメントを書いた。
そこからは、フォトフレームにコメントを全員が
書いてすごいことになっていた。
やり過ぎちゃったかしら。」
「あははでも、私たちらしくていいです。」
そう言って笑っているアニエスを見て嬉しそうに
していたら、モンマルトの扉が鳴る音が聞こえた。
「すいません、貸し切りでー。」
「飛び入り参加は大丈夫かな?」
そう言って現れたのはロイ・グラムハート
大統領だった。
「お、お父さん!?」
「仕事が詰まっていたがー。無事に終わらせること
が出来た。誕生日おめでとう。アニエス。」
そう言ってロイはアニエスの頭を優しく撫でた。
「今日来れないって聞いてー。仕方ないって
諦めていたのに。ずるいよ。」
「あそこにいる彼に必死にお願いされてね。」
そう言ってヴァンの方を向いた。
「ヴァンさん。ありがとうございます。」
「俺は別にー。いや、アニエスに誕生日は
楽しんで欲しかった。それだけだ。」
ありがとうございます。私、誕生日が少し
嫌いだったんです。お父さんが誕生日に
居なかったことを思い出してしまうから。
でもー。今日みなさんのおかげで大好きに
なりました。」
「そいつはよかった。」
そのために頑張ったんだから、叶って
よかった。
「全員で写真を撮るわよ!!」
カシャッという音と共に映った姿は
全員が楽しそうに笑っている姿だった。