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アカ
2024-12-13 23:09:29
2268文字
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軌跡
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ウソツキな先輩
アニエスちゃんが振られたあとのレンちゃんとのやり取りを想像して書いたヤツ。レンちゃんはめちゃくちゃいい先輩!
イライラした。それだけ。あからさまに不機嫌な
顔をしながら助手席に座っていたレンにヴァンは
声をかけた。
「あー
…
言いたい事があんならハッキリと
言えよ。」
わかっているくせに。ここで追及するのもレディと
してよくないと考えたレンは極めて冷静に言った。
「うふふ、別に?」
しまった。この言い方は嫌味ぽく聞こえたかも。
多少だが、嫌味を言いたかったから構わないか。
「言っておくけど昨夜の顛末は彼女から何も
聞いてないわよ。」
ヴァンと車に乗り込んだアニエスを見たときに
不思議に思った。どうして制服を着ているのかと。
結果はどうあれ、アニエスを待つ必要がある。
そしてー。頑張った彼女を褒めるのだ。
そう思ってレンはアニエスを待つことにした。
アニエスを出迎えると笑顔だが、どこか暗い表情を
していた。そんな彼女を励ましたくて、レンは
アニエスにある提案をした。
「よかったら、部屋でお茶会をしない?」
アニエスはレンが入れてくれた紅茶を有難く
頂戴することにした。
「美味しい
…
。」
「そう?よかった。エステルに伝えないとね。」
「もしかして、この紅茶ってー。」
「そ、エステルが送ってきたの。
…
まったく
過保護よね。心配ないって何度も言っている
のに、こうやって手紙付きで送って
くるんだから。」
そう言うレンの表情は困ったように眉を曲げて
いたが、どこか嬉しそうだった。そんなレンの
様子を見てアニエスは嬉しくなった。大好きな
先輩だからこそ、幸せそうな顔を見るのが何より
嬉しい。
…
だから守りたい。レンに気付かれない
ようにアニエスが決意を固くしていたら、
アニエスはレンに抱きしめられた。
「レ、レン先輩
…
?」
「よく頑張ったわね。
…
私しかいないから
泣いても大丈夫よ。」
泣かないつもりだった。ヴァンに振られたときは
悲しかったから、少し泣いたけど。それで終わりに
するつもりだった。だって、ずっと悲しい顔をして
いたらヴァンー。いや、フェリたちも傷付く。
だから、ちょっと泣いたらいつも通りの笑顔の
自分に戻るつもりだった。だが、レンに「泣いて
いい」と言われた際に我慢していた感情が止まら
なくなり、大声で泣いた。みっともなく、
情けない。
そんなことを思っていたアニエスだが、
レンは黙って受け止めてくれた。
「怖かったですけど
…
」
「ええ。」
「
…
頑張って一歩踏み出しました。」
「
…
そう。本当に頑張ったわね、アニエス。」
アニエスはレンにしがみついて、顔を見られない
ようにして。たくさん泣いて。やがて顔をあげた。
「
…
みっともないですね、私。」
「そんなことないわよ。だって勇気を出して
一歩踏み出したんでしょ?」
「
…
はい。」
「後悔している?」
「
…
まったくしてないです。怖くて震えたけど、
勇気を出して一歩踏み出したことは後悔なんて
してないです。最後の一歩、踏み出して
よかった。」
そういうアニエスの顔はどこか清々しかった。
「
…
レン先輩。」
「なにかしら?」
「
…
どうなったとか
…
結果、聞かないんですか?」
「アニエスが話したいなら聞くわ。
できれば、嬉しい報告の方がいいけど。」
アニエスはレンが聞かないという選択肢を取って
くれたことに有難く思いながら、それに甘える
ことにした。
そして、次の日。ヴァンとアニエスの様子を見て
レンはイライラした。ヴァンにだが。アニエスを
振っておきながら、澄ました顔。気に食わない。
「言っておくけど昨夜の顛末は彼女から聞いて
ないわよ。まぁ結果はどうあれ楽しそうにして
いたけど。」
アニエスは結果を言わないって選択をしたし、
それを尊重したかった。そして何よりー。
ヴァンを悲しませることをアニエスは望んでない。
だから、レンは嘘を付いた。アニエスが泣いたと
いう事実を。
「そうか
…
」
そういうヴァンの顔は少し安心していた。
…
そんな顔をするぐらいなら、アニエスを
振らなければよかったのに。それが出来ないのが
ヴァンだから、仕方ないと理解はしているけど。
まったく困った人だ。そんなことを思いながら
ヴァンを見ていたレンだが、あることが気になって
聞くことにした。
「
…
そういえばヴァンさん。あの子が制服で
出かけたのってヴァンさんの趣味だったりする?」
もちろん、そんなことはないと思っているが。
「んなワケねえだろ
…
見回りも兼ねてだった
しな。
…
昼着てたのを洗濯したからとか、
本人は言っていたが。」
「そう
…
」
そう聞いたときに何となく察してしまった。
アニエスが制服を着た理由。それはヴァンが
振りやすいように。ーなんて子だ。振られるために
制服を着て。そして彼女の思惑通りにヴァンは
彼女を振ってしまった。最後の一歩。その意味が
わからなかったレンだったがヴァンの話を聞いて
意味を理解した。そしてアニエスの想いの強さも。
わかってしまったレンは、ヴァンにちょっと
嫌がらせをしたくなった。
「ーで、職質とかされた?」
「されてねぇっつの
…
」
ヴァンのゲンナリした顔を見て、レンは満足した。
ー今はこの顔でチャラにしてあげる。
ヴァンは自分に似ていて、逃げてしまう場所が
ある。だがー。いつかは逃げないという選択を
するときがくる。自分がそうだったように。
あのときレンを救ってくれたように今度はレンが
助ける番。この困った男が前に進めるように力を
貸すとしよう。レンはそう覚悟を決めて、ヴァンに
気付かれないように微笑んだ。
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