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ぽふむん
2025-08-24 10:59:39
2438文字
Public
童しの
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最上等黒毛和牛でバーベキュー
Webオンリーイベント「冥途for you」のアンソロのお題「食」で書いた試作品。
ボツにしたものの供養です。
しのぶちゃんは現代ifでも、正規軸程ではないけどカリカリと思っています。
それを標準体重にもって行こうとして童磨さんが企画運営したバーベキューパーティです。
でも、バーベキューを二人だけってこれ寂しいな?
ツッコミ不在だな?これなんか楽しいな?としてるうちに文字数が増え、規定のページ数に収まりませんでした😂
おかしい バーベキューをしに来たはずなのに、何故こんなところにいるのだろう。
目の前には炭火コンロでせっせと肉を焼く童磨さん。
彼は、缶ビール片手に次々と最高の肉質の牛肉を焼いていく。
テーブルの上にはロース、カルビ、ハラミに牛タン、ハーブウインナー
野菜も程よくある。
炭火の上の肉に赤い汗がじわじわ滲んで来た。 薄らと塩味の薄化粧を施され、ひっくり返される。
「あ、これはもう食べ頃だね」
そう言って童磨さんは隣にいる彼女。しのぶさんの皿に、いい塩梅に焼けたロースやら牛タンやらを乗せた。
黙っていれば、こんな奇跡があるのだろうかと思うほど美男美女のカップルだ。
黙ってさえいればの話だが。
現実は似たもの同士の、なかなかの変人カップルだ。
モォおおお
まさに今、金網の上で焼かれている「もの」のお仲間の鳴き声が時々遠くから聞こえてくるが誰も気にもとめていない。
「ハラミも焼こうねぇ」
「ああ、もう。次々と乗せないでください。食べきれないし皆さんも食べるんですから」
しのぶさんはぷんすこ怒りながらも肉を頬張った。
今さっき、この状態に処理される前のお仲間の飼育状況を見学してきたばかりと言うのに。 そんなこと全く気にもかけていないとは。恐れ入る。
しのぶさんは、頬が落ちそうだと言うように左頬を抑えた。
「ん~おいひい」
「ははは。たぁんと召し上がれ。君は細すぎる」
「標準体重ですぅ」
「えぇ?この間の検診に引っかかったくせにぃ」
「えっ
……
なんで知って
……
じゃない。いや、確かに標準よりBMIが少し低かっ
……
でも少しは太り
……
」
「嘘だ、大幅に低い。しかも、貧血もでしょ!ヘモグロビン値が悪かったってカナエさん心配してたよ」
そう言って童磨さんは焼けた肉をどんどんしのぶさんの皿に乗せて行く。
どうやら、俺たちは食の細い彼女のため、楽しい食事環境を作る為の舞台装置のようだ。
「もう 、姉さんってばぁ」
「食事は量も大事だけど、それ以上に質が大事。ここのお肉は脂っこくなく柔らかいだろう」
「ええ、それは確かです。下手なお肉では固いか、脂を飲んでるようです。 このお肉はそれが一切ない。柔らかく、溶けるようでいて、ちゃんと噛みごたえがあり肉感がある」
この人 食が細いと言うより食に厳しいんだ。 コメントが女子大生のものではない。
日頃(変人レベルで)食通と名高い童磨さんと反りが合うわけがわかった。
そんな童磨さんの推薦してくれた施設の肉とあって、確かのここの肉はいいもののようだ。
上質な肉を提供してくれるだけでは無い。 BBQ場にホテルも併設している。
いい施設だ。
鬼舞辻社長や継国第一秘書まで巻き込むなんてすごい人だと思っていたが、社長にとってもWinWinらしい。
後日上質のサーロインを届けさせると言っている。
「厳選した餌を与え、飼育環境にも気を配っているからねぇ」
童磨さんは、さぁさぁ皆たぁんと召し上がれと高らかに笑う。
肉質が柔らかくなるようビールを飲ませているだの、飼育小屋は冷暖房完備。 ストレスをかけないため、定期的にモーツアルトを聞かせ、一頭ごとの飼育場所の広さから散歩 放牧、ブラッシングの仕方等など。
このBBQパーティの直前に、二人は飼育員の話を真剣に、時には一頭一頭の頭を撫でながら話を聞いていた。
だからこそよく食えるなと思うのだけど、鬼舞辻社長、継国第一秘書も平然と肉を食べている。
あいた口が塞がらないのは俺だけか?
「あれ?獪岳くん、君若いのに食が進んでいないようだけど大丈夫かぃ」
などと心配されているようだけど
……
食べにくいんだよ!
へぇ、山の中の施設と思っていたら海産物もあるのか。
これは
益魚儀水産
心友のつて
からの宅配
……
調理人
玉壺
まで呼び寄せている
……
すごいとしか言いようがない。 関心していたら、魚が
「う!動いたぁ??」
既に調理されているはずなのに、ピチピチと動く「それ」に、俺は再びたじろいだ。
こういう時女の方が腹が座っている。というか、残酷というのはよく聞いたもの
「わぁ♡活け造りって初めて見たぁ」
調理され、もう内蔵もないどころか刺身にされていると言うのにビチビチ動く魚に鳴女さんがきゃっきゃと喜んでいる。
あなた、業務中でなければこんな陽気な女なんですね。
いや、酔ってる?
「まぁまぁ一杯どーぞ♡」
活け造りの魚の口に、鳴女さんはビールを少し流し込んだ。
やめろぉお やめてさしあげろ
そこに童磨さんのおかしなツッコミが入る。 「そこはビールより日本酒だろ」
そうじゃないでしょう。 俺はガックリ肩を落とした。
「我々に食われるために丹精込めて育て、屠られた牛
……
食べてやらねば無礼というもの」
継国第一秘書はこんがりと焼けた肉を黙々と食べている。
体格がいいからたくさん食べるな。
「うむ
……
食育だな」
鬼舞辻議員も優雅に赤ワインで口中の脂を流しつつ肉を食べる。
「君も若いんだから、遠慮せずたんとお食べ。しのぶちゃんの分は取らないでね」
童磨さんが陽気に笑っている。
もぉおおお
お仲間の鳴き声が聞こえる。 遠くからなんか視線を感じると思ったら、お仲間がこちらを悲しそうな眼で見つめている。
BBQグリルの上には、美味しそうに焼けた上質な肉。
視線の先にはお仲間
でも、確かにこんないい肉は見たことないかも。
口の中に何やら液体が溢れてくる。
ゴクン
喉が鳴る。
ああ、もう我慢出来ない。もう構うもんか!
残さず食ってやる。 高校生男子の食欲なめんなよ!
俺は腹を括った
「ああ!私も食べる!カルビ」
食欲フルスロットルになった俺に、しのぶさんも対抗意識が目覚めたようだ。
「慌てない慌てない。まだたっぷりあるからね」
童磨さんが高らかに笑ってる。
ああ美味しかった。
締めのテールスープもソフトクリームも絶品だ。
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