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ぽふむん
2025-08-23 22:09:12
1383文字
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ワンドロ
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許せないのはだぁれ
#童しの版深夜の真剣物書き60分一本勝負
「晩酌」「夜半」「夜風」
しのぶちゃんの幼い頃の思い出です。
私の作中では、カナエさんがふわふわしている人ではないんですが、背負うものが多い状態で出せる余裕ではなくて
記憶ってぼやけるだけではなく、混ざることもあるよねって話です
どまさんをナンパしていたしのぶちゃんです
コンコンチキチンコンチキチン
鳴り物の軽快な音と笛の音が聞こえてきた。
もうじき山車が家の前を通るはずだ。
「姉さん姉さん二階よ。二階で見ましょう」
そう言うと、急勾配の階段を這い登り二階の窓から外を見た。
だが遅かった。
隊列の、最も良いところは通り過ぎようとしていた。
山車の櫓で舞う緋の着物を着た後ろ姿を見送るのみ。
その紅い色は、まるで彼岸花
朱色に見えるものは鬼灯のよう。
「あーあ。姉さんがゆっくりしているから通り過ぎちゃった」
しのぶは唇を尖らせぶうたれた。
「また来年もあるじゃない」
そんなしのぶを姉は笑った。
母も、父も笑っていた。
✨.゚・*..☆.。.:*✨.☆.。.:. *:゚
でも、その「来年」は二度とやってこなかった。
その年に父と母は殺された。
でも姉がいた
いたのだけれど
もう姉には、夏祭りを呑気に楽しむ心の余裕なんてあるはずもない。
宵闇を告げる祭囃子の笛の音も、蝉時雨も風鈴の音さえも、夜廻明けの昼寝の邪魔だと言うようになった。
まだまだ幼い、甘え足りないしのぶには少し寂しいものだった。
それでもお姉さんにならなくてはと思った。
大人にならなくてはと思った。
でも
……
理想のお姉さんってどんなだろう
分からない。
ただ一つ思ったことがある。
姉のような女にはなりたくない。
鬼殺隊の柱であり、蝶屋敷の家長。
しのぶの母代わりであり、女の姿を借りた父でもあり
全ての責務を一人で背負い、ピリピリしている姉みたいな女ではない。
そうだ
いつもふわふわ笑っていたお母さんみたいな優しい女の人になりたいな
私は鬼の首はきれないから
早く大人になりたいな。
大きくなりたい
そんな思いを膨らませ、夜半の町を歩き回る。
ある夜気づいたらしのぶは一人の男と酒を飲んでいた。
しのぶは右手にいる男の左肩にもたれた。
「ああ、もう酔ってしまったのかい」
男が優しく声をかけてきた。
酒に酔って火照った身体に夜風が心地よい。
「子ども
……
しかも嫁入り前の娘が夜道をうろつくものじゃないよ」
男は優しくたしなめてきた
「うーそーつーき。僅か十三の小娘と言いながら酒を飲ませて」
「俺の手から奪ったんだろう」
そう、この男は飲まそうとはしなかった。
それを無理やりうばいとり飲んだのは自分
早く大人になりたくて。
姉さんの負担を少しでも肩代わり出来る大人の女になりたくて
お母さんは時々お父さんと晩酌してた。
あの真似っ子だ
「お母さんの振り、ちょっと違うと思うんだけどな。行きずりの見知らぬ男と酒を飲んだりはしなかったろう」
男は困ったように眉尻を下げた。
その時だ
誰かがしのぶの腕を引き、男から引き離した
ぱぁん
頬を張られる。
「この鬼が
……
よりによって私の妹に手を出すなんて」
姉さんだ
「わ
……
ぁ、俺、柱の妹にナンパされたんだねぇ」
姉が斬りかかるのをするりと交わし扇で薙ぎ払った。
肋が斬られたようだ。
「へぇー花の柱か。もう少し情報を得なくてはね」
月明かりが男の瞳を照らした
上弦 弐
「しのぶ!逃げなさい」
カナエの声が響き渡る
───花のこきゅ
……
ガハッ───
そこから記憶が定かではない。
ただ確かなのは
しのぶの姉はもう居ない。
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