三毛田
2025-08-23 21:35:22
1074文字
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93 093. 雲が歩き去った後

93日目
びしょ濡れの君と俺

 どんよりとした雲が歩き去った後。残されたのは、濡れ鼠二匹。
「うへぁ……
「降られたな」
 玄関先で、濡れたシャツを絞ってから、中に入る。
「じゃんけん」
 浴室はすぐそこだが、びしょ濡れで歩くと怒られる。ので、タオルを取りに行くのを決めるためのじゃんけん。
「チクショウ……
「俺に挑んだ時点でお前の負けだ」
 動体視力、観察力共に俺よりも上の丹恒に勝てるわけがなかった。
 爪先歩きで、タオルを取りに行く。
「はい、タオル」
「ありがとう」
「ここで全部脱いだほうが、廊下が濡れない?」
 閃いたと、靴の上で、全部脱いで。それから足を拭く。
「せめて下着は身につけておけ」
 鍵を閉める音が聞こえたのでパンツに手をかけたところで、ストップがかかる。
「ケチ」
「星と三月が帰ってきたときに、ボコボコにされてもいいなら脱げ」
……穿いてる」
「そうしろ」
 バッサリ告げ、枯れもまた着ていたものを脱いでいく。
 均整のとれた体は、何度見てもほれぼれする。
「何見ている。さっさとシャワーを浴びないと、風邪を引くぞ」
「はーい」
 携帯が無事であるかどうかを確かめ、俺と丹恒でお風呂中だとまだ外出中の女子たちへ連絡を入れておく。
 夕立に降られたので、いつもより念入りに髪の毛を洗い、体も洗ってから出て。
 それから、互いに体を拭く。そして、洗濯機へ濡れた服を入れて、スイッチを入れて。
「さっぱりしたな!」
「ああ。今日の夕飯はどうするか」
 冷蔵庫を開け、冷凍庫も開けて中身を確認。
 さて、どうするかと丹恒の顔を見たら玄関が騒がしくなる。
「ちょっと。鍵閉めてるなら締めてるって言って」
「入るのに手間取ったから、追加ですっごい濡れた!」
「それは悪かった」
「思ってない!!」
 二人がお風呂へ向かえるように、タオルを廊下へ敷いていく。俺と丹恒の服を洗濯機に入れておいてよかった。
「夕飯何がいい?」
「サラダうどん」
「豚しゃぶ添え!」
「しゃぶしゃぶ用の肉がいつの間にかあったな」
「一回スーパーに行ってから、また出かけたの」
「じゃあ、ウチらが出るまでに下拵えよろしく~!」
 と、二人仲良く浴室へ入っていく。俺と丹恒のように。
「穹。お湯を沸かせ」
「片方でうどん茹でる感じ?」
「そうだ」
 多分、しばらくは出てこない。と思いたい。
 ガスコンロをすべて駆使し、うどんを茹でたりお肉を湯がいたりする。
 そして何とか二人が出てくるまでに間に合った。
「ふう」
「わあ。美味しそう! ありがとう、二人共」
「うん合格」