千聖
2025-08-23 20:46:17
4516文字
Public 高校生
 

恋のおまじない

平成ムーブを出したくて書いたけど途中から書きながらこれおもろいか?って思いつつももう書いちゃったし、供養しよ!ってノリです。
昔こんなんはやったなーって(流行ったんです)懐かしんでもらったら…あと赤いペン云々は適当に考えてるので消しゴムに書いてどうなるかは知らないし赤で書いてるやつも普通にいましたけどね…っていう…雰囲気で読んでくだせぇ…。

天馬司はある人物に恋をしている。
好きになったら即告白!!!と普通の相手ならやっていただろう。けれど相手が自分と同じ性であることにより流石の司も一旦踏みとどまっているのが現状である。
その相手は同じショーユニットメンバーの神代類。いつからとか、きっかけと言われると難しいが気づけば恋に落ちていたというのがしっくりくるだろう。隣にいて、話があって、たまに演出で言い合いになることもあるが、最高のショーにしたいという熱量は同等でそれがまた自分の限界を超えてまで頑張りたいと思わされるそんな相手だったからこそ気づけば恋に落ちていた。

だから別に告白などしなくてもこのままでも傍にはいられるのではないのかそんな甘い考えでズルズルと告白を先延ばしにしている。
でも本当にこのままでいいのか、それを悩んでいた時に最愛の妹が面白いことを話していた。

「えー!?お母さんそうなの!?」
「えぇ。懐かしいわね」
「あっ!お兄ちゃん!!」
「2人して何か盛り上がっていたようだがどうかしたのか?」
「あのね、あのね、雑誌を見ててね、今一昔前のブームが来てるの!」
「ふむ……?」
雑誌をサッと目の前に持ってこられてみれば平成レトロブームと見出しが出ている。

「好きな人との恋のおまじないで、消しゴムに好きな人の名前を書いてケースで隠しとくんだって!」
「それだけでいいのか?」
「それを誰にも見つからないように最後まで使い切ったら恋が叶うのよ」
「母さんは知ってるのか?」
「そうね、学生時代に流行って私もよくしてたわ」
「えぇ!?それってお父さんの名前!?」
「残念ながらお父さんと会ったのは大人になってからだから違う子の名前よ〜」
キャッキャと話してる母と妹を横目に司はその恋のおまじないについて詳しく読み込もうと覗き込んでいた。
他には好きな人の写真を枕の下に入れて寝ると夢に現れる、ミサンガをして切れたら願いが叶う、シャーペンの芯を好きな人の名前の数だけ出して書けたら叶うなどなど本当にこんなものが流行っていたのか?というものまでズラズラ書かれていた。

(今出来そうなのは消しゴムか)

ちょうど次の消しゴムに替えようかと思っていたところだったのでちょうどいいなと司は自室に戻って新品の消しゴムの封を切った。

ピンクのペンか良いみたいだがピンクがないので赤でいいかと赤で書く。しかしこの行動が後に波乱を起こすことをこの時は思わなかった。

「これを使い切ったら類に告白するぞ!」


同時刻

「消しゴムか」

新品の消しゴムを持ちながら昼間の会話を思い出していた。今日の昼は司くんが委員会で一緒に食べられなくて、いつものように屋上に上がれば昔なじみの瑞希がいた。

「やっほー!類!」
「瑞希学校に来ていたんだね」
「流石に出席日数がねぇ〜あれ?司先輩は?」
「今日は委員会だから僕一人だよ」
当たり障りのない近況報告兼雑談を交えて会話は続く。司がいないと分かっていた類のお昼は卵サンド。いつもなら野菜サンドを買って司のお昼と交換を強請るものの事前にわかっていたので敢えて無謀なことはしなかった。

「そうそう!類は恋のおまじないって知ってる??」
「おまじないかい?そういう類は信じていないけれどどうしてそうなるのかの理論は気になるねぇ」
「あはは。そうだよね。それでね、お姉ちゃんの荷物を探してる時に消しゴムが出てきたんだよ」
「消しゴム
「お姉ちゃんの学生時代に消しゴムに好きな人の名前を書いて、見つからずに使い切ったら両思いになれるっていう恋のおまじない」
「普段でも使い切るのは中々難しいのに?それを見つからずに?」
「そうそう!類も司先輩の名前書いてやってみたら??ピンクのペンがいいんだって!」
「ピンク……はなかった気がするな」
「間違っても似てるからって赤でかいちゃダメだからね!」
「そんなことはしないさ。人の名前を赤で書くのは不吉らしいからね。流石にマナーは弁えてるよ。そもそも僕はまだやるとも言っていないのだけれど?」
「え〜?でも本当にそうなるのか気になってやるのが類じゃん?」
「それもそうだな。瑞希に隠しても仕方ないねぇ」


というやり取りがあった。
で、目の前には新品の消しゴム。わざわざ帰りに購買に寄って。
ケースをズラして黒いペンで1人の名前を記入した。

「こんなもので両思いになれるなら世界中みんな両思いになれるよね」

愚痴めいたことを呟きつつその日はさっさと寝ることにした。どうせ自室でしか使わないのだから誰にバレることも無いだろう。そもそも使い切れる自信もないしなと思いながら新しい演出について考えながら眠りについた。


しばらく経ったある日、放課後の教室で脚本について話し合っている時に司の消しゴムが落ちた。
向かい合って1つの机で作業をしているので狭いのは狭い。類の近くに落ちたから拾い上げてそのまま返せばいいと思った時に、ふと書き損じがあって消そうと消しゴムに手を伸ばしたことを思い出した。
自分の消しゴムをつかもうとして司の消しゴムに手が当たって落ちた。これが現在床に落ちてる消しゴムの真相である。

「司くん、この消しゴム使ってもいい?」
「ん〜はっ!だ、だめだ!!!そもそも自分の消しゴムならそこにあるではないか!!!か、返せ!」
必死になって消しゴムを取り返そうとする司に少しイタズラ心が湧き出てにやにやと顔を緩めて届くかなぁなんて自分の腕の長さを逆手に司がぬぐぅ〜と叫びながら類に手を伸ばす姿を上から見下ろして楽しんでいた。
「け、消しゴムならこっち貸すから!!」
消しゴムを2個持ちとは司くんらしいなと思いつつみれば新品。いや、逆に使いにくい。

「わざわざ新品を開けてもらうことはないよ。自分のがあるしね」
「なら早くそれを返せ!」
消しゴム1個に躍起になりすぎな司に類はふと違和感を覚えた。どうしてこの消しゴムを使われたくないのだろう?と、半分ほど使っていた消しゴムはケースが少し緩んでいてコロンと中身だけが落ちた。そのまま類の目の前に。

「あっ!」

どちらから出た声かはわからない。
なんせ類はその消しゴムをみて固まってしまったからだ。

『神代類』

赤字ででかでかと書かれている。
半分ほど使われて無くなっているので神の字は少し消えかかっているが代類と読めればそれはもう神代類で間違いないだろう。

「つ、つかさ、くんこれ

「あっ、えと、こ、これは……そう!!呪いだ!!!オレから離れられなくなる呪いだぞ!!!使い切ったら離れられなくなるんだからな!!!」

類は呪いという言葉以降耳に入らずそっかそこまで司くんに恨まれていのか。こんなに仲良く一緒にいてくれて、少なからず好かれてると思っていたのに。としょげる。

「なっ、なぜ落ち込む!?はっ!!オレと一緒は嫌ということか!?」
「いやいや、司くんと一緒は嬉しいよ」
「そうだろうそうだろう!」

どうしてこれで告白になってお互いに好き同士だと理解できないのか甚だ周りの疑問だが、今は放課後で教室には2人きりしかいない。

「と、というわけでこれは返してくれ!」
いそいそと消しゴムとケースを回収し、元に戻して筆箱にしまう。

けれど、類の頭には呪い嫌われてるという頭しか無かった。

それからも関係は変わらず司もいつも通り。と言うよりも前よりも類にべったりで、常ににこやかであった。逆に類はと言うとやや元気の無い日が続き司お手製の卵焼きや唐揚げをあーん付きで食べさせてもらう日々を過ごしている。
少し引き気味で寧々に見られていたが何かおかしかっただろうかと類は思いながらも甲斐甲斐しく世話をしてくれる司に身を預けていた。


また放課後に打ち合わせをしようかと資料を出すためにカバンを見るものの目当てのものがない。
「あっ……机の上だ」
「む??家に忘れたのか?」
「そうみたいだ。すまないけれど夜にセカイで
「ならば今から類の家に行くぞ!」
「え?」
「今日は都合が悪いか?」
「そんなことは無いけれど……
「では早く向かおう!どうせお前の部屋だ、散らかっているのだろう?ついでに掃除もするぞ!」
…………そんなに散らかっていないよ?」
「今の間はなんだ」
呆れた顔をしながらも司は嬉しそうに類と共に帰路に着く。

「お邪魔します!!!」
「荷物適当に置いてね」
「ほら見ろ!!足の踏み場もないではないか!」
「別にそのまま踏んでくれていいのに」
いい訳あるか!!と司はツッコミを交えながら床にちらばった紙類をまとめていく。
ある程度溜まったら机の上にを数度繰り返してやっと床は綺麗かな?というレベルにまでもってこれた。

「全く床にものを落とすんじゃないおっと
最後に置いた紙の束の風圧で消しゴムがコロンと転がり落ちた。
慌てて拾い、机に戻そうと思った時にほんの少しだけ期待を込めてケースをあけてしまった。

自分の消しゴムをみてから自分と離れられなくなる呪いだ何だ言ったものの類も嬉しいと言ってくれて司はここの所終始ご機嫌だ。

あんな古いおまじないを類が知ってる訳ない。ここに名前などあるわけがない。そんなことは百も承知でスっとケースをズラした。

「え?」

そこには黒字で『天馬司』と書かれていた。

「わぁぁあ!つ、司くん!!!」
慌てて取り上げようとするものの司の手の力は存外強く取り返せない。

「これ………類もしてたのか?」
「え?僕もって……
「こないだオレの消しゴムもみただろう!?」
「でもあれは呪いだって
「あ、あれは恥ずかしくてでもオレと離れれない呪いだと言ったでは無いか」
「そうだっけ?呪いって言われて頭真っ白になったからそれに、赤字だったから」
「あ、赤だと何かダメなのか?」
「そりゃ、人の名前を赤で書くなんて嫌いってことかなって」
「何ー!?ピンクが無くて赤なら目立つと思って俺は赤ペンはダメなのか
滲まないように乾いてからケースにしまったと言うのに。

「うんそうだね
「そ、それはすまなかったちなみにどういう意味が?」
「まぁ、嫌いな相手とか、死んだ人の名前書いたりとかに使うかな諸説あるけど」
………それは……すまなかった」
「でもいいよ。司くんと一生離れないような呪いなんでしょう?」
「そ、それは」
「死が僕らを分かつまでずっとそばに居てくれるかい?」
「死が訪れたとしても離してはやれんがな!」
「フフ。熱烈だねぇ」
「当然だ!!!オレの本気伝わったか?」
「勿論だとも。司くん、僕も好きだよ」
「る、るい!」
軽く抱きしてめてちゅっと口付けをすれば真っ赤に震える司がいた。
可愛いなぁ。それに、付き合ったからにはこれ以上にしたいことが山程あるのに、大丈夫かな?そんなことを思いながらなんでもないように口にする。

「これからも末永くよろしくね」