moto
2025-08-22 22:21:42
488文字
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中継点

さまささワンドロワンライお題「山」「ビール」


左馬刻が簓の部屋にやって来て、まずやる事といえば、冷蔵庫の食材チェックである。賞味期限が過ぎたものは処分し、足りないものは買い物に行って補充する。いつものように冷蔵庫を開けた左馬刻が怪訝な声で簓を呼んだ。
「おい……なんでこんなにビールがあるんだよ」
 冷蔵庫にビールなど常にあるものだが、冷蔵庫の中の半分がびっしりと埋まっているとそりゃあおかしくも思うだろう。
「あ〜、それな、一郎からのお中元」
「ああ?一郎?」
「俺な、結構萬屋山田に依頼すること多いねん。それでやな。お得意様ってやつや」
……それでも多すぎんだろ」
 これでも少しは居酒屋盧笙へと運んだのだが、盧笙宅の冷蔵庫にも限界がある。簓も驚いて「なんぼなんでも多ない?俺一人暮らしやで」と一郎に伝えたが、チームのみなさんで飲むでしょ、と。なるほど、そやね。どついたれ本舗のみんなで飲むわ。そういうことである。
「左馬刻も飲んでや。いっぱいあるからな」
……フン」
 左馬刻が手に取ったのは横浜ビールである。そういうことなのである。
「こちら中継所の簓さんです」
 左馬刻から冷えたビールが飛んできた。