早朝特有の冷たく湿った風が、高原にある
牧場の下草を揺らしていきます。
ここは精通前の
種雄たちが飼育されている施設【モロ感ファーム】。立派な種雄になり乳酸菌飲料カノレピスの原料となるおちんぽミルクを沢山出せるように、若い種雄たちが日々トレーニングに励んでいます。
今日はそんな彼らの日常をご紹介しましょう。
水色や薄緑、淡いパステルカラーで統一された可愛らしい室内にはベッドが二つ。そこでは種雄くん達がくうくうと寝息を立てています。
やがて壁に備え付けられたスピーカーから、朝の訪れを告げるクラシックが流れ始めました。ドビュッシーのアラベスクが穏やかにたゆたう中、ベッドの毛布がモゾモゾと動きだします。
種雄くん達が目を覚ましたのです。
「ん
………もう朝か
…………?」
そう言って眠そうに目を擦っている青い服の種雄は“青”くん。この厩舎では種雄くん達をそれぞれ色で識別しているため、決まった名前はありません。
「腹がへった
………」
向かいのベッドでお腹をさすっている黒い服の種雄は“黒”くん。元気はつらつな青くんとおませな黒くんは双子の種雄なので、見た目は全く一緒です。
「はら
……はら
……?腹っ!朝餉の時間じゃっ!みずきの飯を食いに行こう!」
ベッドから転がり落ちるように慌てて飛び出した青くんは、急いでパジャマから着替えています。そんなにお腹が空いているのでしょうか。
隣で黒くんもいそいそと寝間着を脱いでいます。こちらもなんだか浮き足立っているよう。
「儂は先に食堂にゆく。」
「あ!待つんじゃ黒!抜け駆けは許さんぞ!」
二人は我先にと競って部屋を出ていきます。いったい何をそんなに急いでいるのでしょうか。
「みずき!みずき!おはよう!今日も変わりないか?」
「おお、今日も元気いっぱいだなー青。おはよう、俺はいつも通りさ。黒はよく眠れたか?」
「ああ」
青くんと黒くんの頭を撫でているのは、このモロ感ファームの食堂を任されている水木お兄さんです。種雄くん達の精通に必要不可欠な、栄養たっぷりの給食を作ってくれています。
青くんも黒くんも、この優しい給食のお兄さんのことが大好きなよう。
「朝餉はなんじゃ?」
「今日は大根と油揚げの味噌汁、青菜のお浸し、玉子焼き、おかかの握り飯だ。」
「たまごやき!儂あれ大好きじゃ!みずきの玉子焼きは甘くて口の中が楽しくなる!」
くふくふと嬉しそうに笑う青くんの姿に水木お兄さんの笑みが深くなります。
「そうかそうか、たくさん食べて今日もトレーニングがんばれよ!二人が早くおちんぽミルクを出せるようタンパク質たっぷりに作ったからな」
最後に二人の寝癖を撫でつけてやってから、お兄さんは手を離しました。
「うひひっ、みずきの飯なら百人力じゃ!黒に取られる前に全部よそってくる!」
水木お兄さんが触れていた所を名残惜しそうに手で押さえながら、青くんはお味噌汁に向かって一目散に駆けて行きます。
「おい!食堂では走るな
……っ、と。黒
……?」
危なっかしい青くんを止めようと水木お兄さんが振り向いた所で、後ろから小さな手に腕を取られました。
「儂も
……儂もみずきの飯が一等好きじゃ
………。青より儂の方が
……」
それまで黙っていた黒くんでしたが、青くんが離れた途端に頬を赤らめながら水木お兄さんの腕に擦り寄っています。そんな黒くんの様子に足を止めた水木お兄さんは、しゃがみこんで目線を合わせると優しく丸い頬を撫ぜてやりました。
「うん、ありがとうな黒。嬉しいよ。黒も早く行って食べておいで?」
「ん
………」
最後に一度だけ水木お兄さんの手にりんごのほっぺを押し当てた黒くんは、青くんと同じように食卓へ向かっていきます。
「遅いぞ黒!早う食ってトレーニングに行こう!」
「うるさい。儂はみずきの飯をしっかり堪能するからお主は先に行っておれ」
「んなっ、儂じゃってみずきの飯をちゃんと味わって食っておる!みずき!儂ちゃんと食べてる!美味いぞ!」
「口から米を飛ばすな汚い。お主は鳥か」
「誰が鳥頭じゃっ!!!」
「あーもー!わかったから二人とも落ち着いて食えよっ!ほら、おかわりもよそってきてやるから」
こうして賑やかな朝食の時間が過ぎてゆきます。
栄養満点のご飯を食べて、二人のおちんぽはきっと元気いっぱいに活躍してくれることでしょう。
食事の後は種雄くん達の精通トレーニングが待っています。
お腹いっぱい朝ごはんを食べた後、種雄くん達は少し離れた訓練施設まで腹ごなしのお散歩がてら歩いて行くようです。
「今日はなんのトレーニングかのう」
「分からん。
……儂はあれが好きではない」
「儂も好んでおる訳ではないが
……でも早うおちんぽミルクが出せるようになりたい。その為なら頑張れるんじゃ」
「青は何故そこまでしておちんぽミルクを出したがる?
………おちんぽミルクが出せるようになったら、ここを離れてカノレピスの工場に行かねばならんのじゃぞ。つまりみずきと離れ離れになる」
「そんな事は分かっておる。儂だってみずきとは離れとうないわ!
………でもの、いい事を聞いたんじゃ。」
「いいこと?」
「あのな、おちんぽミルクが出せるようになったら儂らの体は急成長するらしい。今はまだ子供のなりじゃが、そうなれば一息飛びに大人の男じゃ!」
「大人に
……?」
「ああ!大人になった儂らを見たらみずきはきっと驚くぞ!
……それに、体が大きゅうなればみずきと対等になれる。勤めに出れば銭も貰えるし、自由な時間だって取れるんじゃ!もしかしたら、みずきと今より親密な関係になれるやもしれん
………」
「おい」
「儂は早う大人の種雄になって、みずきを娶りたい。毎日毎日儂の為だけに飯を作ってほしい!人にとっての元気の源になるおちんぽミルクを、みずきに沢山飲ませてやりたいんじゃ!」
「な
………っ!?駄目じゃ!そんなのは許さん!みずきと
夫婦になるのはこの儂じゃ!」
「いいや!黒より先におちんぽミルクを出して大人の種雄になるのは儂の方じゃ!」
「
吐かせ!みずきの夫は儂だけじゃ!」
黒くんはそう叫ぶと猛ダッシュで訓練施設に向けて駆けて行きます。青くんも負けじとその後を追いました。
「あ!ま、待て!おちんぽミルクの抜けがけは許さんぞ!!」
「おお、二人ともどうしたんだい?そんなに息を切らして」
トレーニングルームで種雄くん達の到着を待っていた精通担当の職員が声をかけます。
「はぁっ、はぁっ、はぁ
………っ、藻部山!早うトレーニングを始めるぞ!青より先におちんぽミルクが出せるよう特訓せい
……!」
「だ、駄目じゃ!はぁっ、藻部山!はぁっ、黒のことなんぞ放っておいて、儂のトレーニングだけやるんじゃ
……!いつもの倍で構わん!」
種雄くん達は互いのほっぺを押し合いへし合いして職員へと詰め寄ります。
「ま、待って二人共!何があったか知らないけど、そんな急に負荷を上げるのは心身への負担が大きいんだよ。だから焦らず今まで通り、ゆっくりおちんぽトレーニングを
……」
「「い い か ら や る ん じゃ !!!!」」
全く同じ声が二つ綺麗に重なりました。その勢いに気圧された職員は思わず仰け反っています。
「わ、わかった、わかったよ!そこまで言うなら少しだけトレーニング内容を変更しよう!その代わり、厳しい特訓になるから覚悟してくれるかい?」
「しつこいぞ藻部山!良いと言うておるじゃろ!そんな風じゃからお主は未だに独り身なんじゃ!」
「そういう所じゃぞ藻部山」
「ひ、酷い!!!!!!」
職員の男性は種雄くん達にせつかれド突かれながら訓練室へと連行されて行きます。
果たして、どんな過酷なトレーニングが待ち受けているのでしょうか?
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