yuma
2025-08-31 10:30:00
4642文字
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「北信夜話 一」あとがき


「北信夜話 一」お手にとっていただき、ありがとございます。
このペーパーのみをお持ちくださった方、興味を持ってくださってありがとうございます。
修正前の収録作品はWEBでも読めますので、お時間あれば。


収録作品リンク
(Pixiv)
・1334 秋 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24054367
・1334 秋 -暗雲- https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24054439
・1334 冬 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24054474
・1336 幕間 -夢- https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24063233
・1337 幕間 -波乱- https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25123132

(ポイピク)
・せたしゃけ短いスケッチ
https://poipiku.com/708893/11709566.html
・1351 もしも……
https://poipiku.com/708893/11916461.html


逃げ若&のざしゃけにハマって、市河文書を読み解くうちに原作の隙間を埋めるようなお話が書きたいなと書き始めて、原作の進行に合わせて気儘に書いたお話たちです。初めから連作にする予定はなかったので、繋がっているような繋がっていないようなゆるく読んでいただけると嬉しいです。

タイトルの『北信夜話』は、『北越雪譜』(江戸時代後期の雪国越後の生活についての本) のような4文字のシンプルなタイトルをつけたくて捻り出したものです。冬の炉端で語られる北信濃の領主に関するお話みたいなイメージです。

今期の大河ドラマ 蔦屋重三郎に憧れてというのもあるのですが、今回はWEB再録なのでせめて装丁だけでも面白いものにしようかなと考えて和綴になりました。これからもそれぞれのCPで書きたいネタはあるので、また溜まったら本にしたい気持ちを込めて「一」としています。以下、各作品の創作メモです。


【1334 秋】
個人的に疲れてる推しを慰労する、というのが好きな人間なので、疲れている原因を史実に求めてみました、と言うお話。叔母の忌引きで云々の解釈は、軍勢催促より身内を優先させるしゃけ、というよりは、すべての催促に素直に応えていたわけでなく取捨選択はしていたかな、そのためには身内の忌引きも理由に使うだろうね、というしゃけ像から。ズル休み自体は、のざ殿もやってたし、太平記で新田殿もやっていたし。ただ、結局拒否はしきれず出陣せざるを得ないのが、小領主しゃけのつらいところ。(顔を売るために、喜んで行ってた可能性もありますが)
それにしても、ラストで出した二面に良い顔しないとね、は市河文書をざっと読んだ感想として入れたので、意図せずこの後の話にかかってくるとはこの時には思いもよらなかったのでした。
こののざ殿としゃけ殿はおさななじみで想像していたので、のざ殿は若干しゃけを甘やかしてる感じがあります。ただ、内心では手厳しく「(疲れているのは)そちの選んだ結果だろう」とかは思ってそうです。


【1334秋-暗雲-】
最初に公開した際は、一人称に挑戦したくて書いてみたものの、読み返すとしゃけの口調に迷いが生じているのがよくわかり、他の作品とのバランスも考えて今回書き換えました。
「眼球伝導気持ち悪いっ」のようなやや軽めの口調のしゃけも好きなのですが、そのテンションで書き続けるのは私のボキャブラリー
では難しい。「疑わしきはいっそ殺しては?」のような原作ののざ殿への冷静な進言しゃけやテンション低めの口調が好き、
というのもあり、今回のように落ち着きました。

話としては、据え膳を断ることで浮かび上がる瀬太郎像を書きたかった。うちの瀬太郎は立場の違いもあり、のざ殿に思うところはそこまでないのですが、売られた喧嘩は買うと思います。そして、のざ殿は、明らかに喧嘩を売ってるし、せたろを見極めようとしていました。
なんとか穏便にのざしゃけとせたしゃけ両立させられないかな?と考えて、のざ殿はしゃけをいつでも手放せる準備をしていた、という妄想です。このお話でうちのアースでは、せたしゃけルートとのざしゃけルートに分岐しました。
(目次参照)


【1334 冬】
原作183話のカブショック後の混乱の中で慌てて仕上げたものです。
主従の従×主が好きです。年上従×年下主ならなお良いです。個人的に年上の余裕ある攻めが好き、というのと、権力勾配のバランスが取れていた方が妄想しやすいという理由です。183話自体は私は驚きはありつつ、シンプルに(市河文書でおなじみの村上を出すとは)そうきたか!と言う気持ちがあり、そこまでショックには思っていなかったつもりです。戦から2ヶ月で撤退するのはしゃけの立場上まあそうだよね、となるし。が、円満なものが書きたいという気持ちで書いたのは事実です。

「1334秋」で、のざ殿にずっと着いて行きたい気持ちはあれど、お家を優先するとそうできるとは限らない、ということを考え始めたしゃけが、冬籠りで(日照不足とかで)人恋しくなっている、というような感じです。

さて、瀬太郎を書くにあたり、ほぼ情報がないので、バックグラウンドを設定しておかないと書けないなとなり、個人的に乳兄弟が好きなのと、ちょこっと北信濃の調べ物をした結果、次のような妄想をしております。(ほぼ再掲です)

・せたろの妹が生まれた時に、助房の母がせたろの母に貰い乳しに行ったりで、助房と瀬太郎は言うなれば乳兄弟のような関係。せたろくん、妹のいる兄っぽくないですか?
・志久見の隣に秋山郷という山深い地区があり、狩猟を生業にしている人々がいて、せたろはそこの血を引いている。獣相手にじっと潜んで狩りをするので心音乱れにくい、ついでに無口。
(が、せたろにとっての助房への愛は、激しいものじゃなくて当然そこにある穏やかなものなのかな〜とも思ったり(なので乱れぬ心音))

瀬太郎の「帝」云々は建武政権がうまくいってない現状からしてそぐわないのではと思ったのですが、倒幕の機運が高まった頃に帝という存在も遠く信濃の下々の者の身近になったんではないかなその意識はまだギリギリ塗り替えられていないかもとも思い、そのままにしました。
私自身は、太平洋側出身で大人になるまで一面の雪景色というものを見たことがなく雪国への憧れだけがある人間です。雪や雪国の家屋の記述は時代は違いますが、「北越雪譜」や白川郷を参考にしています。

せたしゃけのスケッチは5月の新刊向けに信濃の民話について調べていた時に、北信濃の信仰を知って書いてみたお話。

忠誠心の塊で、信心深く、無口で、馬の扱いもよく、弓も使える。うん、せたろを盛りすぎです(笑)

猟銃が使われる前のマタギの主な武器は弓より槍だったという話をXで見かけたので、槍も使えるかもしれません。

そういえば最近、秋山郷に関する本「雪国の自然と暮らし」(市川健夫著)を読んだので、おすすめします。
雪国の家の作りから始まり、秋山郷の文化、植物のこと、食べ物のこと、除雪のこと、いろいろ掲載されています。子ども向けなので読みやすい。この中で、秋山郷にマタギの民が居ついたのは、江戸以降と記載あったので、せたろの設定妄想は厳密には使えないな‥‥となったのですが、このまま行きます。
余談ですが、著者の市川氏は信濃の旧家のご出身らしく、もしかしてしゃけの(直系ではなくとも)御子孫や関係者なのでは……とちょこっと考えてしまったり。(市河家本家は北海道の方だそうですが)


【1336 幕間 -夢-】
「秋」でもう少し貞宗と一緒に夢を見られるはずだが、と思った助房が自分で作り出した「夢」のお話。
イメージプレイ女装接待しゃけ。突然どうした?という感じですが、ドラマ太平記の陣中で遊女が舞うシーンが最初の着想元です。接待がんばるしゃけが見たいという気持ちで書きました。
「女装」とひと口で言ってもってかなり広いので、全てが癖という訳ではないのですが、ヤマトタケル(オウスノミコト)の熊襲討伐のような少年がする似合う女装や目的があっての変装というのは好きです。
完全に女性に見えるわけじゃないし、どう見てもしゃけなんだけど、顔が隠されていて目元だけ見えたりすると所作などで女物似合ってるねとみえる感じだといいな。なんだろう、急に別作品の話をしますが、忍たまの土井先生の女装みたいなイメージもあります。
のざ殿と違って、村上殿はわりとしゃけの姿を気に入っています。

市河文書No.73、74あたりのネタです。この辺りで村上家と小笠原家と市河家が一緒に戦してるな?となったので、この三人を一緒に宴会の席に置きたかった。しゃけは史実ではおそらく療養中なので、実際の動きとは異なります。でも逃げ若のしゃけならずっと元気そうだし、ありかなみたいな気持ちで書いてます。(IFが好きな人間です)

作中に出てくる「時興」は泰おじのことなのですが、知らない方には歴史ものっぽい雰囲気が伝わるような小道具として、知ってる方にはああこの時の話ねとニヤッとしてもらえればとそのままにしてあります。


【1337 幕間 -波乱- 】
金ヶ崎城攻めの話。暗い日本海の海の近くで、抱き合う鼻耳が見たかった。このお話は旧暦3月頃の想定ですが、史実では村上殿としゃけ兄弟は年末に上洛して、正月からずっと越前で戦っているようなので寒い時期ですよね、大変そう。

しゃけが自身では最適と思って選んできた道が、実は村上に誘導されてきていたとしたら?もう逃げられないなと悟ったけれど、そのまま負けっぱなしなのは性に合わず、自分で選んだ道でもあると納得させるため匂い袋を持ってきた往生際の悪いしゃけです。でも耳が良いばかりに、村上殿の素直な気持ちに打たれてしまったというイメージ。村上殿のねばり勝ち。

盤双六で攻防する推しCPというのも一度書いてみたかったところ。多分、この二人はいかさまはやってないです。のざしゃけで対決するとお互い異能を使うなり、何らかのごまかし、いかさま仕掛けそうなんですが(笑)
なお、村上殿の語る盤双六に勝つコツは、徒然草からです。(安直すぎる) いやでも村上殿ぽいって思ったんですよ。
転生現パロ書くなら、二人で福井へ蟹を食べに行ってこの時の思い出に浸って欲しいなと思ってます。



【1351 もしも……
本誌ネタです!以上!
XのTLで、鼻耳の子というワードを見てしまい思わず書いてしまいました。
【1337 幕間 -波乱- 】の時や、その後くらいにできているイメージです。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!


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