三毛田
2025-08-20 22:04:06
1072文字
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90 090. くりかえしくりかえし

90日目
君へ好意を伝え続ける

「丹恒、好き!」
「そうか」
 そっけない、塩対応と呼ばれる反応。
「丹恒、好きだ」
「知っている」
 言葉として伝えられていると、分かっている。でも、それだけ。
 声に乗せられた感情を、読み取っていない。
「丹恒。お前が好き。誰にも渡したくない」
……俺で、いいのか」
 戸惑いと歓喜と。二つの感情がないまぜになっており、言葉を受け荒れていいのか、かすかな迷いも。
「丹恒が好きだ。だから、お前じゃないと駄目なんだ」
 はっきり断言すれば、一度目を伏せ。
「俺も、穹が……好き、だ」
 ぼそぼそと、ようやく声を絞り出した。それくらいの大きさで告げてくる。
「うん」
 本当は、踊ったり飛びつきたいくらい嬉しい。でも、必死に言葉を紡ごうとしている彼の邪魔をしたくなくて。
「だから、俺を選んでくれて……すごく、嬉しい」
「丹恒〜!」
 でも。我慢できなくて、結局抱きつく。
 肩が跳ねたけれど、それは一瞬。
 今すぐキスしたいし、押し倒したい気持ちもある。
 まあ、性急に物事を進めたらきっと彼は逃げる。確実に逃げるだろう。
 それだけは断言できる。うん。
「好き、好き、好き!!」
「わ、わかった。わかったから、離してくれ……
 やっぱり今にも消え入りそうな声。
 残念だけど、離さないと手が出ないとも限らない。
 納得しないけれど、丹恒を離す。
 あからさまにほっとされて、ちょっとショック。
「丹恒。少しずつ、色々恋人らしいことをしていくから……覚悟して」
 後ろから耳元で囁けば、勢い良くこちらを振り返って。
「こ、恋人らしいこと?」
「うん。手を繋いだり、ハグしたり。たまーにキスしたり。初めて恋人になるんだ。そこから少しずつステップアップしよう」
「手を繋いだり、ハグ……それなら、いい」
 言質を取りました~!
 他人から見たら、今の俺はそれはもういい笑顔を浮かべていることだろう。
 それ以上のことをするつもりはない。とは言ってないから、実際にそういう行為に及んだ時に彼はどんな反応をするのだろうか。
 きっと、というよりも確実に、可愛い反応をしてくれるだろう。今から楽しみだ。
「丹恒、頬にキスしていい?」
「頬に、キス?」
 キョトンとしたけれど、そっとこちらへ頬を差し出し。
「ん。穹、お前にも」
 俺がキスをした後、彼はこちらの頬にキス。
 くすぐったくて笑うと、慈愛に満ちた表情でこちらを見ていて。
 それから、繰り返し好きだと伝え、繰り返しキスをしていたらみんなの前もキスをしても許してくれるようになった。