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三毛田
2025-08-19 21:52:56
1069文字
Public
1000字4
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89 089. 爪先の花
89日目
君の色で彩られた爪
「ふがっ」
「起きちゃった」
「もう一回寝て」
「お前たち。穹が起きるまでという約束だろう」
残念そうな星となのの声。その後、叱るような丹恒の声。
外出して帰ってきて。汗をかいたので、シャワーを浴びて。丹恒に髪の毛を乾かしてもらい、おやつを食べたら眠くなってソファーで寝た。
そこまでは覚えている。
「お前ら、何してんの」
寝ぼけてよく回らない頭で、ピンクと灰色の頭を見る。けれど、二人とも顔は上げない。
「もう少しで乾くから!」
「そうそう。丹恒が足の指の爪を貸してくれたら、話しは早かったんだよ」
「断わると言っただろう」
胸の下で腕を組んでいるからか、いつもより豊満に見える。揉みたい。
「なんで? 可愛いじゃん」
「うんうん。なのセレクトの、ネイルシールだよ。可愛いに決まってるじゃん」
「何が悲しくて、そんなものを貼られないといけないんだ」
「それ、現時点で爪を彩られてる俺の前で言うこと?」
「ああ~」
膝を曲げると、なのが残念そうな声を出す。
「
……
他の色とかあるの」
「色々あるけど、それよりも碧多めのなら、これ!」
「それならいいよ」
「穹」
親指の爪に貼られていたシールは、丹恒を彷彿させる色。
俺が乗り気だと気付いたなのは、化粧ポーチからシールを取り出してみせてくる。
それを見て、頷いた俺を咎めるように、丹恒は名前を呼んで。
「丹恒も、黄色の花とか貼ってもらえば俺の気持ちがわかるよ」
「
……
お前は、もう一度眠った方がいい」
ほんのりと頬を赤く染め、プイとそっぽを向いてぶっきらぼうに。
可愛い。後でめいいっぱい甘やかさないと、ずっとへそを曲げたままになってしまう。
「爪の形、変」
「適当に切ってるから」
「今度からウチらに手入れさせてよ」
「それは断る。俺の爪の手入れをしていいのは、丹恒だけ」
そっと丹恒の手を取る。と、今度は耳まで赤く染め。
本当可愛い。
「はいはい、惚気惚気」
足、下ろして。と言われたので、彼女たちが作業しやすいようにする。
「穹は、二人に甘い」
二人が満足する合で爪にデコレーションしてから去った後、丹恒はぶすっとした表情を。
「丹恒も、俺ほどじゃないけど二人には甘いだろ。身内判定した相手に甘いのは、一緒だ」
丹恒の手を取り、指先にキス。
振り払われなかったので、受け入れて漏れたようだ。
「夏休みが終わったら、きちんと綺麗にするんだぞ」
「もちろん!」
あと数日だけ、俺の爪を彼の好きな色で彩らせてもらおう。
本音は見せつけたいけれど。
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