山本
2025-08-19 16:47:58
4019文字
Public 幼馴染シリーズ
 

幼馴染との恋愛論〜番外編〜

現パロ幼馴染🐯🕒♀のオマケ話。
披露宴二次会。




【結婚披露宴二次会inバラティエ】

ホテルで行われた披露宴の後、ゼフがオーナーシェフを務めるレストラン・バラティエで催された二次会。
二次会とは言ってもレストランで行うためレストランウエディングとしての側面もある。レストランウエディングと披露宴二次会、両方の側面を持った場だ。
招待客が席につき、それぞれ近くの席の相手と会話をしたりする中でBGMとともに真っ白な壁に映し出されるのはフォトウエディングの時の撮影画像のスライドショー。ある人はお姫様が主人公のアニメ映画のタイトルを口にして、そのお姫様みたいと言ったり、彼氏にこんなドレスが着たいと言ってみようかなと呟く者まで。年配の招待客は口々に綺麗ねと言ったり、花嫁さんが主役のいい式だと言ったり各々が自然と笑顔になって会話している。
フォトウエディングのスライドショーが終わりBGMがやむ。ローとサンジから司会を任されたウソップは笑顔でマイクを持ち二次会の進行を開始した。
手短な挨拶の言葉などの後に新郎新婦の入場。披露宴の時よりもラフな雰囲気に客たちからは拍手のみではなく、祝いの言葉や冷やかし風の褒め言葉が送られる。
そして、ローとサンジが席についたところで司会のウソップに紹介されたパティによる料理の紹介。本日のメニューと食材と産地にどういう料理かという説明。それらを言い終えると、パティはあのいかつい見た目でにっこり笑顔でエプロンをドレスのように持ちごゆっくりと礼をして下がっていった。
バラティエのコックのいかつさは知ってる人は知っているプチ情報的なポジションなので、中には驚いてる者もいたが大半は既知のものとして笑顔だ。
さて、運ばれてきた料理の前菜を味わったところでウソップが食べながらで結構と余興の説明を始める。最初に行う余興は新郎新婦クイズらしい。
幼馴染として育った五歳差の新郎新婦に関するクイズを行うので、質問や答えは挙手で指名されてから。二次会中の全てのクイズで最終的にポイントが多かった上位三名には賞品が贈られるという。
第一問はバラティエでシェフをする新婦の学生時代のアルバイト先はというもの。知ってるのに名前が思い出せないと考え込むナミに意外な業種が答えなのではと迷推理のゾロ。ルフィはメシ屋と挙手と同時に発言していて指名してから答えるようにウソップに注意され会場内に笑いが起こる。新郎側の招待客何人もが日本料亭の名を挙げたり有名ホテルにあるレストラン名を答えたりとするが外れ、新婦側の招待客の男性が手を挙げた。
そして指されるとマイクを受け取り、これは指名されましたよね?と、ルフィのフライングをネタにしてひと笑いを誘う。ドッとウケた会場に穏やかな笑顔の男性は有名フレンチ店の名を答えた。それに大正解と言ったウソップが名前を聞くと、そのフレンチレストランのオーナーシェフだとして自己紹介をする男性。会場からは驚きのようなどよめきはさして起こらず、さすがに顔も知れたシェフのようで拍手が起きた。
ウソップがすかさずアルバイト時代のサンジのことを聞くと、頑張り屋で勉強熱心でそこにいるだけで空気が明るくなる向日葵のような子だったと答えた。従業員全員にとって娘のような子だ、とも。
白髪が混じった髪すら渋さの感じる笑顔の柔らかい男性がサンジに向け祝福の言葉を送り会場内に拍手が起こる。男性は、こんなに素敵な女性シェフの素晴らしい料理を食べたいと誰もが思ってバラティエへ通うだろうが、バラティエは人気店なので予約が間に合わなかった時は是非当店をと言う。それに付け加えて、こんなジジイだが一応プロのシェフでまだ現役で料理を作ってますと言うとそこかしこで笑いが起きる。まったくもって良くない冗談だとサンジまで笑ってしまう。このシェフはゼフと同列に日本フレンチ界の重鎮として語られるシェフだ。サンジは親戚のおじさんのように親しくさせてもらい、幼い頃から知った相手ではあるが大物なのだ。それがジジイを自称して一応プロのシェフだなんて。
ローまで笑ってしまって誰が一応プロだなんて言うんだと苦笑になる。医者で言う素人質問に近いタチの悪さを感じてしまう。
ウソップがクイズの正解が書かれたメモを見て目を丸くして男性にツッコミを入れ、会場がさらに沸く。男性は怒られちゃったと言いたげに舌を出して笑っていておちゃらけ方が可愛いとまで囁かれる。
二問目のクイズに三問目、四問目と進んで次のコーナー。今度は料理に関するクイズということで、最初のパティによる説明を覚えていれば答えられるという。覚えてないぞとかざわつくが、このクイズはゼフにやってもらうと宣言すると会場が沸いた。
ゼフが義足ながら出てきてウソップに勧められた椅子を断り問題を出す。第一問が前菜に使われた魚の産地はというもの。これまた真っ先に手を挙げながら答えたルフィが言ったのが日本。ゼフが名前を呼ばれてから答えろと言ってから日本のどこが産地かを答えやがれと言うとまた起こる笑い。ルフィは首を傾げてあれー?と不思議そうだし、ナミとゾロは呆れた様子でルフィを見てる。
そこから不正解が二人出て、その次にやっと正解。二問目、三問目と続き、全五問全てを終えると一番正解を答えたのは四問正解したナミだった。ちなみに、ナミは新郎新婦クイズでも一問正解している。反対に全然正解しないルフィと挙手に至らないゾロ。ちなみに、ルフィたちから離れたテーブルではキッドが答える気もなく料理を満喫している。
クイズはここまで、賞品と得点の発表は後ほどとしてウソップがこちらをどうぞと言うと照明が落とされ、明かりがテーブルの上のキャンドルのみとなる。そして、映し出されるスライドショーと流れるBGM。BGMで流れているのは小さい子の歌声。幼い頃のサンジの歌声だった。時々サンジが続きわかんないと言ってローの声で教える声が入る。その都度伴奏のピアノは止まり、途中から弾き直しているのはラミだ。
映し出されるスライドショーにはローとサンジをメインにラミも何枚も一緒に映っている。
そのスライドショーがバラティエスタッフ一同からのメッセージとローの勤務先である両親の病院の医師看護師一同からのメッセージに変わっていくと、サンジの目には涙が。
スライドショーがサンジの写真に変わるとウソップが話しだす。
ウエディングケーキの説明と、それが選ばれた理由。
ウエディングケーキはタルトシトロン。サンジが幼い頃からゼフに作ってもらっていた定番のおやつ。フランス発祥のレモンタルトで、サンジはそのタルトシトロンにレモンピールを添えて出してもらうのが好きだったという話。
スライドショーではお姫様なりきりセットの衣装やアイテムを身につけてままごとセットで料理をするサンジの幼い姿と、それに付き合っている子供の頃のローという図。後ろの方に何かを食べているらしいラミが映っているのが微笑ましい。
そのスライドショーが終わるとウソップがケーキ入刀を宣言して運び込まれる直径三十センチはあるだろう大きなタルトシトロン。バーナーで焼き色が付けられたレモン風味のメレンゲの上にはレモンピールが散らされており、可愛くて綺麗で懐かしい。
もう今にも涙が決壊しそうなサンジと手を重ね、ローが頑張ろうなと耳元で囁きケーキ入刀。切り分けたタルトシトロンをサンジがフォークで大きな一口分取ってローの口に運ぶ。ローはそれを大きく口を開けて一口で頬張り、もぐもぐ味わって美味いと口の端についたメレンゲを舌で舐めとる。
会場内は拍手で、招待客たちの前にも食べやすいサイズのタルトシトロンが運ばれた。どうやらゼフはタルトシトロンとレモンピールを一人で用意してくれたらしい。招待客のタルトシトロンにはレモンピールが添えられていて黄色が可愛らしい。
ボロボロ涙を零して泣くサンジにハンカチを差し出すロー。それを受け取ったサンジがわんわん泣きながら涙をハンカチで押さえ、ローはタルトシトロンを食べやすい大きさにとってフォークでサンジの口に運んだ。それを食べたサンジが美味しい美味しいと泣きじゃくって、ゼフが自分の席で笑っている。その目にはうっすらと涙が。
招待客たちも運ばれたタルトシトロンを食べ美味しいと目を輝かせており、レモンピールを口に運ぶと、ほんのりした苦さが砂糖の甘みと一緒になって口の中に広がる味に笑顔になった。
ケーキ入刀にファーストバイトまで終わり、新婦の手紙や新婦の親からの言葉など披露宴で執り行ったものが省かれる。その代わりにバラティエからですとしてお土産のレモンピールが配られる。五つの小袋に分けられたレモンピールが一人一箱配られ、これでブランデーでも飲もうかななど嬉しそうに囁く声も聞かれる。中には配っているウェイターに、これお菓子に使えますかと聞く者も。
クイズ大会の優勝者はナミとなり、二位はローの方の招待客。三位はサンジが学生時代にアルバイトをしていたフレンチレストランのオーナーの男性だった。
一位のナミにはバラティエでの一組三名までの食事券。期限内なら三名まで使える食事券で、ナミは姉のノジコと母のベルメールを誘うと喜んでいた。
飲み過ぎて羽目を外すような者もなく、式を台無しにするような客もない、ただただ幸せなホテルでの式と披露宴にバラティエでの二次会。
ゼフやコック仲間連中が今日のためにどれほど手間と時間をかけて準備してくれたかと思うと感謝でいっぱいだったし、改めて自分を支えてくれる全ての相手へ感謝の気持ちが湧いた。
ただ、サンジにとってのトドメはラミによる「これからもよろしくね、姉様」の一言で涙でぐしゃぐしゃになるほど泣いてしまったのは二次会も全て終わってからの話。
その日はサンジにもローにも忘れられない記念の日となったのだった。